覚え書:「みんなの広場 満蒙開拓義勇軍と夫の思い出」、『毎日新聞』2013年09月16日(月)付。
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みんなの広場
満蒙開拓義勇軍と夫の思い出
無職 90(広島県福山市)
満蒙開拓に特化した記念館が、全国最多の開拓団員を送り出した長野県の阿智村に開設されていることを新聞記事で知りました。
今年95歳で他界した夫は教職を40年務めました。戦時中、満蒙開拓青少年義勇軍に必ず各学校から2人以上出すようにと指令がきたそうです。国策とはいえ、14歳ぐらいの子供を親から引き離し、あの果てしない荒野へ行かせるにはしのびないと思い、夫は生徒には勧めなかったそうです。後日の教員総会の席上、名指しで「一人も出さないのは国賊である」と烙印を押されたと申しておりました。
私の知人も、一人息子なので強く反対したにもかかわらず、学校の名誉のためにもと担任の教師から強く言われた結果、「ついに満州の土になってしまった」と涙にくれていました。
戦後68年。高齢化も進み、当時のことを知る人は数少なくなりました。あの苦しい戦争体験を二度と繰り返させないよう、平和憲法を守りたいと念じております。
−−「みんなの広場 満蒙開拓義勇軍と夫の思い出」、『毎日新聞』2013年09月16日(月)付。
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東京満蒙開拓団 (ゆまに学芸選書ULULA5)
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