覚え書:「みんなの広場 ビッグイシューは知識の宝庫」、『毎日新聞』2013年10月14日(月)付。

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みんなの広場
ビッグイシューは知識の宝庫
無職 82(横浜市西区

 9月29日本紙の「ビッグイシュー10周年」の記事を興味深く読みました。私は、数年前から、ビッグイシューの愛読者です。最初、「何の本だろう」と、興味半分に求めた雑誌が、独自の編集で世界中の話題を知的に面白く記事にしているのに驚き、かつ路上生活を余儀なくされている人たちへの生活支援の一端を担っている事を知ってからは、強烈なファンとなりました。
 買う場所は2カ所。1部は友人へ宣伝を兼ねて差し上げています。月2回の販売日を、楽しみにています。記事は内容には触れられていませんが、とにかく面白い。最近でも、「平和を奏でる」「時間を旅する」「市民がつくる地域電力」など社会的な話題が満載されています。豊かな内容で、300円。こんなに知識を頂いてよいのかしらと思うほどです。ぜひ、一度読んでみてください。また買わずにいられなくなると思います。
    −−「みんなの広場 ビッグイシューは知識の宝庫」、『毎日新聞』2013年10月14日(月)付。

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雑誌「ビッグイシュー」:無気力救った光明…創刊10年
毎日新聞 2013年09月10日


 自立を目指すホームレスらが都市部の駅前などで販売する雑誌「ビッグイシュー日本版」が今月11日、創刊10周年を迎える。大阪で生まれ、現在は全国15都道府県で販売されている。売り上げの一部が収入になるシステムで、これまで販売に携わった計約1500人のうち、164人が定職に就くなど自立した。出版する「ビッグイシュー日本」(大阪市北区)を運営する佐野章二さん(71)は「働く機会を与える方法で支援する仕組みが、社会に認められた」と笑みを浮かべた。【高橋隆輔】

 「この仕事の存在は、地獄に垂れた一筋の糸のようだった」。今月9日、奈良市近鉄学園前駅前で、茶褐色に日焼けして最新号を売る井上一博さん(50)は振り返った。

 大阪府豊中市出身。約10年前、母親の介護を理由に長年勤めたパン工場を辞めた。半年後に母親が亡くなると、貯金や生命保険の積立金を取り崩して浪費を繰り返した。「無気力になり、何もかもどうでもよくなった」。2010年夏、大阪市内の公園で路上生活を始めた。

 日々の食事にも困っていたこの頃、購読経験のあったビッグイシューの存在を思い出した。35円の所持金から10円玉を取り出し、公衆電話で出版社に連絡を入れた。11年2月に始めた当初は豊中市の阪急豊中駅などで売っていたが、昨年8月からは「自分を救ってくれたビッグイシューを広めたい」と思い、当時販売されていなかった奈良県に移った。

 定価は1部300円で、収入はうち160円。連日午前9時から12時間駅前に立ち、長期出張中の発刊分をわざわざまとめ買いに訪れる常連客もできた。今も路上で暮らすが、貯金が少したまり、井上さんは「仕事に自信が持てるようになった」と胸を張る。将来的には、「販売空白県」の四国などで部数拡大に役立ちたいとの夢も抱いている。

 英国で生まれたビッグイシューの日本版は、03年創刊。書店を通さない販売方法で毎月2回発行され、累計販売数は約575万部。約8億円がホームレスらの収入になった。俳優のレオナルド・ディカプリオさんら著名人がボランティアで表紙を飾り、原発事故などの社会問題の特集や音楽情報など多彩な記事を掲載する。ここ2年は東日本大震災などの影響で赤字経営だが、佐野さんは「若い世代のホームレス化を防ぐ活動にも挑戦したい」と語った。
    −−「雑誌『ビッグイシュー』:無気力救った光明…創刊10年」。『毎日新聞』2013年09月10日(火)付。

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http://mainichi.jp/select/news/20130910k0000e040221000c.html





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