2011-01-29から1日間の記事一覧

酒が無くとも「さようでございます、いい按配で……」

- 二合の酒で、いつになく長谷川平蔵は、微酔いになった。 日暮れには、まだ、間がある。 「窓を開けてくれぬか」 酒を運んであらわれた座敷女中にそういいつけた平蔵は、 「おだやかな日和がつづくことよ」 独言のように、いった。 「さようでございます、…