酒が無くとも「さようでございます、いい按配で……」
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二合の酒で、いつになく長谷川平蔵は、微酔いになった。
日暮れには、まだ、間がある。
「窓を開けてくれぬか」
酒を運んであらわれた座敷女中にそういいつけた平蔵は、
「おだやかな日和がつづくことよ」
独言のように、いった。
「さようでございます、いい按配で……」
顔なじみの年増の女中が、窓を開けてから
「ほかに、御用はございませんか?」
「うむ……」
−−池波正太郎「霜夜」、『鬼平犯科帳 16』文春文庫、2000年、263頁。
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マイニチ・ノンデルわけですから、二合の酒で「いい按配で……」となることの心地よさは誰よりも人一倍熟知しているわけですが、月曜日から、一週間断酒するぞと決意しましたので、ちょうど五日ほど断酒している氏家です。
まあ、この五日の時点で、酒を飲むようになってからは記録更新という快挙であり、自分自身の世界新記録達成というわけですが……、そうした私の進路を邪魔する勢力というものも、船が進めば波が立つように不可避的に存在するというのがこの世の中のオモシロイところです。
金曜は休日でしたし、大阪から帰ってきてからその前後を含め、家族と「何かうまいものでも……」というスチュエーションがありませんでしたので、
「鮨に行きたい」
……などと息子殿が申すものでしたから、いく羽目に。
鮨にいけば呑むだろう……という魔の囁きと向かい合いながら、
「呑みたくないので、今日はかんべんしてくれ」といったのですが、今日ぐらいしかいく日取りもありませんでしたので、生き地獄といいますか連れて行かれた次第です。
さて近所の回る鮨やですが、丁寧に握ってくれる行きつけのところへ三人で早い夕方に訪問。
寒鰤が今日の目玉でしたので、寒鰤のトロから早速始めさせて戴いた次第です。
しかし、固く決意しておりましたので、お酒は頼むことなく……楽しませて戴くことができました。やはり「武士に二言」なしというやつです。
まあ、ノンアルコールの麒麟のフリーは頂きましたが、連日呑んでいた時はこれが「すげぇ、マズイ」って思っていたのですが、それすら「甘露」に思える始末(苦笑
鰤を中心に、中トロ、炙りブリ、鰯、中落ちトロ軍艦、穴子に寒鰤のブリ大根という流れで箸を進ませて戴きました。
ゆっくり頂戴してから店を辞しましたが、結局アルコールを全く頼みませんでしたので、会計がいつもの2/3
酒を飲まないとは、まあ体にも財布にもやさしいものかもしれませんな(苦笑
⇒ 画像付版 酒が無くとも「さようでございます、いい按配で……」: Essais d'herméneutique