地上をあまりいい気になって闊歩するでない(´Д`)







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地上をあまりいい気になって闊歩するでない。別にお前に大地を裂くほどの(力がある)わけでもなし、高い山々の頂上まで登れるわけでもあるまい。
    −−井筒俊彦訳『コーラン』(中)岩波文庫、1964年、98頁。

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ちょいと今週・来週にかけて、書き物案件の締め切りが数件あり、なかなか更新がすすまず大変申し訳ない次第です。

今日は、一日部屋にこもって資料精査・原稿執筆・事務仕事をこなしていたのですが、やっぱり息が詰まってしまいますので、私淑する井筒俊彦先生(1914−1993)の訳による『コーラン』(قرآن qur’ān)をパラパラめくってリフレッシュしていたのですが、ひさしぶりに読み返すと、驚くことばかり。

いくつかの要文を抜き書きしたりしていたのですが、ここではひとつ紹介しておきましょう。

ほんと、自分自身すらきちんとコントロールできない「動物」であるはずなのに、どうしてそこまで、ふんぞりかえってしまったんでしょうねぇ、人間って「動物」は。

啓蒙の弁証法』式に人間の理性批判をしようなどとは思いませんが、「理性」にも限界はあるし、存在として「動物」としての側面は消しがたいものですから、そこにも限界がある。

世界宗教は、そのことの自覚への促しを滔々と説いてきたわけですが、この辺が、どうも……別に信仰するしないには容喙しないというか、物理的存在論からしても関係ない話ですが……ずっぽりと抜け落ちているひとびとと出会うことがあり、当惑することが多いのですが、昨今の世論においても、その経緯をすっとばした声高な議論が多く、脱力するばかり(´Д`)

たぶん、原発をめぐる議論もそうだし、政治で一切が決着するとして「大声を挙げたモノが勝ち」みたいな過激な議論を展開する手合いもそうなんだろうと思う。

だけど、脱力しても仕方がありませんので、資料精査・原稿執筆・事務仕事をこなしていくしかないですね。

数日こんな感じです。

ご寛恕を。





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