覚え書:「書評:『のめりこませる技術 ―誰が物語を操るのか』 フランク・ローズ著 評・開沼博」、『読売新聞』2013年01月20日(日)付。
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『のめりこませる技術 ―誰が物語を操るのか』 フランク・ローズ著
評・開沼 博(社会学者・福島大特任研究員)
インターネット上には、例えば2ちゃんねるなら排外主義的言辞を、ツイッターなら放射線被曝
ひばく
の危険性を自主的に四六時中繰り返し書き続ける者たちがいる。各立場の正誤・善悪は別にして、確かなのはそこに「何かにのめりこむ/まされている者がいるらしい」ということだ。本書が展開するのは書籍、新聞、映画、テレビなどの衰退の中、浮かび上がってきた「のめりこませる技術」を軸とする「現代メディア論」だ。
インターネットの登場は、マスメディアが提供する「連続性のある物語」の“観客”や“視聴者”を、“参加者”に変えつつある。参加者が欲するのは「断片的な物語」。参加者は団結し、パズルを楽しむように、バラバラに存在する断片を繋
つな
ぎ合わせて全体像を想像しようとする。その点、インターネットは有用な道具だ。彼らはそのゲームに興じながら自尊心の高揚、自らの地位の向上、そして他者との「絆」を感じ、時に規範に反する者を探し激しい攻撃も
−−「書評:『のめりこませる技術 ―誰が物語を操るのか』 フランク・ローズ著 評・開沼博」、『読売新聞』2013年01月20日(日)付。
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http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20130121-OYT8T00785.htm
のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか
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