覚え書:「エラい人にはウソがある−論語好きの孔子知らず [著]パオロ・マッツァリーノ」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

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エラい人にはウソがある−論語好きの孔子知らず [著]パオロ・マッツァリーノ
[掲載]2015年10月18日   [ジャンル]人文 

 『論語』に出てくる立派な思想家。有名な割に、このくらいのイメージしか持っていない人は多い。いわゆる“盛られた”孔子像をかたくなに信じている孔子ファンも多い。こんな現状に、正しい孔子像を提示しようとしたのが本書。ユーモアを交えつつも内容は厳しい。「孔子の言葉は場当たり的できまぐれ」。「生前の孔子には、偉大な聖人の面影などかけらもなかった」。それでも「世の中をもっとよくできるはず」との希望を捨てなかったと評価する。武勇伝「夾谷(きょうこく)の会(え)」のエピソードは疑わしく、本当は「非暴力主義者」だったと分析する。神格化せず、学問として孔子を捉え直したいという思いが伝わる。
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さくら舎・1512円
    −−「エラい人にはウソがある−論語好きの孔子知らず [著]パオロ・マッツァリーノ」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

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http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2015101800008.html



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