2012-12-14から1日間の記事一覧
- 石炭の文学史 池田 浩士 著 ◆失われた生活掘り起こす [評者]川村 湊 文芸評論家・法政大教授。著書『補陀落』『原発と原爆』など。 玄海原発を見に行った時、近くに『にあんちゃん』の舞台となった炭坑(廃坑)があることに気が付いた。本書にも取り上げ…
- 今週の本棚:本村凌二・評 『カエサル 上・下』=エイドリアン・ゴールズワーシー著 (白水社・各4620円) ◇人間を鋭く洞察した“傑物”の実像 ローマ人の格言に「幸運の女神は強者を助ける」というのがある。その裏返しに「なにもせずにただ祈るばかりの…
- では、帰る、と言った太左衛門へ、捨蔵はその瓜を土産にくれた。 「早く種を蒔いたのに遅くできた瓜だが、味は悪くない」 「よいのか、人にくれても……」 「汁にしてもよいし、漬物にしてもよい」 「そうか、それはうまそうだな」 捨蔵に見送られて野路を引…