詩・文学・語彙
- 新聞『日本』には、俳句の様式を分類した批評文を連載すると同時に、年明けの一八九六(明治二九)年一月一三日から一九日まで、子規は七回にわたって、『従軍紀事』を連載し、従軍記者に対する軍の対応の仕方に対して批判を展開した。「台南生」という筆…
確かに私も感じていた「日本スゴイ」の気持ち悪いくらいの氾濫。報道の自由度が急落した安倍政権の抑圧的政治も関係しているのだろう。個性や多用な価値観が受け入れられ易い国ならば「日本スゴイ」の濫用は不要なのだ。 pic.twitter.com/VvdWoHXp1J— 光頭半…
- 特集ワイド:いま、井上ひさしを読む 存命なら何を語るのか 毎日新聞 2015年05月11日 東京夕刊(写真キャプション)時代が変わろうとしている今、井上ひさしさんは何を語るのだろうか=東京都千代田区の上智大学で2002年4月22日、山下浩一撮影 作家…
- 論壇時評:ことばを贈る 根本から考えるために 作家・高橋源一郎 2015年4月30日(写真キャプション)高橋源一郎さん=郭允撮影 東日本大震災からまだ1週間しかたっていなかった2011年3月19日、わたしが勤めていた大学の卒業式が中止になった。理由…
- 村上春樹さん、時代と歴史と物語を語るみんな一生懸命生きている(写真キャプション)村上春樹さん=ロンドンで昨年夏、村上春樹事務所提供 −−読者の質問にメールで直接答えるサイトが、大変な質問数とか。 村上 多くて1万ぐらいかと予想していたら、4倍…
- ニュースの扉:佐伯一麦さんと歩く神戸・長田区 「復興」が持ち去った下町の根っこ 2015年1月12日(写真キャプション)大正筋商店街を歩く佐伯一麦さん。シャッターの閉まった商店が目立つ=神戸市長田区 阪神大震災が起きてから、20回目の1月17日を…
- わたしの争点:2014衆院選/9止 「在日」ありのままに誇り 日韓修復、互いを認めて 毎日新聞 2014年12月12日 東京朝刊「在日の視点は大切」と語る作家の深沢潮さん=東京都渋谷区で、内藤絵美撮影 主要政党の公約で東アジア各国との関係にどう言及? …
先週の金曜日は授業を終えてから月一の読書会へ。毎月一回、コロンビア大学の教養教育カリキュラムの課題図書を取り上げ、「読む」という集いをしておりますが、この秋は番外編として参加者おすすめの1冊をそれぞれとりあげてきましたが、今回はマリオ・バ…
- 論壇時評:孤独な本 記憶の主人になるために 作家・高橋源一郎 2014年11月27日 (写真キャプション)高橋源一郎さん=小玉重隆撮影 去年、韓国で出版され、「元慰安婦の方たちの名誉を毀損(きそん)した」として、提訴・告訴された、朴裕河(パクユハ)の…
- 本誌は佐藤氏を直撃し、ブログの真意や安倍首相との関係などについて聞いた。 −−中国や韓国を批判するブログが、ヘイトスピーチのように読めます。 「まったくヘイトじゃないですよ。独断と偏見でつづっていますが、あくまで是々非々で、悪いことは悪いと…
- 村上春樹さん:壁のない世界、想像してみよう ドイツで講演、香港の若者にエール 毎日新聞 2014年11月08日 東京夕刊(写真キャプション)ベルリンで「ウェルト文学賞」授賞式に出席した作家の村上春樹さん=2014年11月7日、篠田航一撮影 【ベルリン…
「サンデー毎日」今週号は、スクープ「ヘイトスピーチ神社の過激暴言」を掲載しました。国際社会からも注視される日本のヘイトスピーチ(憎悪表現)問題。本誌は、世界遺産に登録されている神社の宮司さんが、ブログでたびたび過激発言をしていたことをキャ…
- Interview:村上春樹 「孤独」の時代に/上 僕の小説は「ロールゲーム」 毎日新聞 2014年11月04日 東京夕刊 作家の村上春樹さんに10月下旬、5年ぶりで話を聞く機会を得た。主な内容は3日朝刊で報じたが、今年出した短編集『女のいない男たち』…
- 村上春樹さん:単独インタビュー 「孤絶」超え、理想主義へ 毎日新聞 2014年11月03日 作家の村上春樹さんが、5年ぶりに本紙の単独インタビューに応じた。1979年のデビューから35年。創作活動や海外での読まれ方、現代における文学の役割まで、幅広い…
- 発言:「私だけの古典」を見いだそう=紅野謙介・日本大学教授 毎日新聞 2014年10月30日 東京朝刊 二度三度とふれるたびに発見がある。それが私にとっての古典だと思う。世評に高い、いわゆる「古典」が必ずしもすべてのひとの古典になるわけではない。だか…
- 物語、「他者に成る」力与えてくれる アンデルセン賞・上橋さん、式典で語る (写真キャプション)授賞式であいさつする作家の上橋菜穂子さん=メキシコ市 「児童文学のノーベル賞」と言われる国際アンデルセン賞の授賞式が10日、メキシコ市であり、同賞…
増井元『辞書の仕事』岩波新書、読了。本書は辞書編纂に30年以上係わった著者が、その内幕を丁寧につまびらかにする一冊。非常に面白かった。辞書は「引く」ものなのか「読む」ものなのか。おそらくその両方なのだろう。辞書づくりの「黒子」に徹した著者…
- ところで、勤め人として人のために仕事をし、文学者として自由に創造する、この理想を追求した人物は滝太郎いがいにいない。人格に裏打ちされた書き手であり、そのよさは、二足の草鞋にあったと思えてならない。一つは大いなる義務、一つは純粋な憧憬。私…
- 言葉が多すぎる というより 言葉らしきものが多すぎる というより言葉と思えるほどのものが無いこの不毛 この荒野 賑々しきなかの亡国のきざし さびしいなあ うるさいなあ 顔ひんまがる −−茨木のり子「賑々しきなかの」、谷川俊太郎編『茨木のり子詩集』岩…
今野真二『日本語の考古学』岩波新書、読了。印刷書物や電子データになじむと、「源氏物語の作者は?」と問われれば「紫式部」という常識に拘束される。しかし、写し手や時代が変わればがわりと変わるから、考古学的にアプローチする他ない。僅かな痕跡から…
河添房江『唐物の文化史 舶来品からみた日本』岩波新書、読了。唐物とはもと中国からの舶来品を指す言葉で、転じて広く異国からもたらされた品を指す。本書は、古代から現代まで、唐物というモノを通して日本文化の変遷を問う一冊。日本人はなぜ舶来品が好き…
- 僕は信ずるということと、知るということについて、諸君に言いたいことがあります。信ずるということは、諸君が諸君流に信ずることです。知るということは、万人の如く知ることです。人間にはこの二つの道があるです。知るということは、いつでも学問的に…
ワシーリー・グロスマン(齋藤紘一訳、亀山郁夫解説)『万物は流転する』みすず書房、2013年、読了。「自由であるということは本当に恐ろしいことだ」。帝政から近代国家へ。形式は変われどもロシアの内実は変わらない。個人の徹底的な抑圧と民衆が国家と支…
「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」とは『古今和歌集』に在原業平が寄せた秀句。まだ夜風はひんやりとしておりますが、夜桜がきれいに咲いておりましたので記録として残しておきます。
- 書評 『蔦重の教え』 車浮代・著 飛鳥新社・1600円+税「人生の勘どころ」は足下にあり−−蔦屋重三郎に学ぶ「人間学」 困難にぶつかり、全てが堂々巡りするとき、少しだけものの見方を変えてみるだけで、案外うまくいくことは多い。それは、ドアを押すのか…
- エルンスト・ヴァイス(瀬野文教訳)『目撃者』草思社、2013年、読了。日本ではなじみが薄いが20世紀ドイツ文学に最重要の位置を占めるヴァイス、待望の邦訳。モラビア出身のユダヤ人精神科医にしてカフカの友人は、ナチズム勃興期の市民生活の息吹を「…
大塚ひかり『本当はひどかった昔の日本』新潮社、読了。「昔は良かった」と誰もが言うが、本当に昔の日本は良かったのか。本書は古典を材料にその内実をユーモアに検証する。「古典ってワイドショーだったんですね!」(帯)。昔は良かったwとは大嘘。 『源…
- NHK、領土問題「国際放送で」 就任会見で籾井会長 記者会見するNHKの籾井勝人会長=25日午後、東京・渋谷のNHK放送センター NHKの籾井勝人会長は25日、東京・渋谷の放送センターで開かれた会長就任の記者会見で「尖閣や竹島という領土問題…
- 危険を冒して創作する、危険を冒して読む人びとのために。これが、作家であることの意味だと私が常々思ってきたことだ。自分の言葉がたとえどんなに取るに足らないものに思えても、いつか、どこかで、だれかが命を賭けて読んでくれるかもしれないと頭のど…
(twのまとめですが……)先週の続きで、今日も文学について少々お話をしました。『カラマーゾフの兄弟』における「人類」の議論から、社会実践としてのスピヴァクの可能性へ示唆を飛ばし、世界文学を読むケーススタディとしてゲーテを参照しました。我ながら…