読書メモ

「孔子もアリストテレスも、『昔々あるときに』生きていたえらい人というよりは、偉人は偉人でも隣りに住んでいて、垣根の向こうから声をかけてくれる日常生活のつき合い相手」として

- 私の先生で、数年前に故人となった南原繁という学者がいます。南原先生と話をしていて談たまたま『論語』に及ぶと、先生は「あの人はね」云々というのです。「あの人」というのはむろん孔子のことです。けれども「あの人はね」といわれると、何か孔子が同…

『汝は人間であって、決して神ではないことを知れ』という意味

- このような古い問題と科学のあの新しい出発に直面して、哲学が今一度自らの古い機能全体を引き受け、われわれの知のすべてを統一的世界像として合一させることができるはずだなどとは、誰も考えないだろう。ところが、人間が哲学への、すなわち〈知らんと…