学問論
明らかに前輪の様子がおかしいので、仕事の帰りにサイクルショップ寄ろうと考え出勤してすぐに、自転車がパンクした。職場に連絡してから、自転車を押して7キロほど強歩。今日は猛暑日で、「残暑が厳しい」というほどの生やさしさでは到底ないほどのギラギ…
人類の歴史とは、特定の人だけが「生きるに値する価値」があると考える発想との戦いの歴史。すべての人が「生きるに値する価値」があると考えた方が、より一人一人の人間が幸せに生きることができるからだ。それを社会の土台・共通認識にしていこうというの…
- ちょうど今まで、自民党政府、岸政府によって、個別的、断片的になされてきた民主主義と憲法の蹂躙のあらゆる形が、あの夜に、集中的に発現された。それによって、一方の極に赤裸の力が凝集したと同時に、他方においては、戦後十数年、時期ごとに、また問…
昨日は、日中、総本山善通寺で行われていた「空海まつり」をちら見してきました。空海まつりといっても、宗教的なソレではなく、テキ屋の並ぶカラオケ大会云々という地域の季節の「催し」というていでした。かつて空海の生誕地・善通寺に18年に住んでいて…
- 『国富論』は、スコットランド啓蒙の思想文化において、もっとも偉大にして変わることのない金字塔となっている。そこに込められているのは、スコットランドの洗練というレンズを通して見た、人間の行動にまつわる理論であり、そうした人間とは、精神やマ…
- 憲法のある風景 公布70年の今/5止 忍び寄る「軍学共同」 日本の研究に米国防機関が食指毎日新聞2016年1月6日 (写真キャプション)研究室で人工筋肉の実験装置を前に話す平井利博・信州大名誉教授。「人々の生活を豊かにしたい」との思いを持ち続ける…
- オピニオン:選べない国で 教育は希望か 山田満知子さん、南場智子さん、内田伸子さん 2016年1月5日 子どもたちの将来の選択肢を増やすには、どうすればいいのか。英語、スポーツからプログラミングまで、さまざまな分野で「早くから学ばせよう」という動…
- 論壇時評:ことばを贈る 根本から考えるために 作家・高橋源一郎 2015年4月30日(写真キャプション)高橋源一郎さん=郭允撮影 東日本大震災からまだ1週間しかたっていなかった2011年3月19日、わたしが勤めていた大学の卒業式が中止になった。理由…
- こちら特報部歴史修正主義の教科書検定政権の意向 侵食広がる自主規制 関東大震災朝鮮人虐殺 「殺害は数千人」→「数に通説ない」アイヌ差別の旧土人法 土地「取り上げ」→「あたえ」沖縄戦住民虐殺 スパイ扱い「殺害」→「処罰」 (写真キャプション)清水書…
『朝日新聞』(2015年4月18日付)での報道「自民、異例の議事録修正要求 福島氏の『戦争法案』発言」に驚いてしまった。政府が提出を目指す安全保障関連法案を参院予算委員会で福島瑞穂氏(社民党)が「戦争法案」だと述べたことに対する難癖以上の圧力でし…
金曜日は、所用があってひさしぶりに慶應義塾へ戻る。 用事をすませてしばしキャンパスを散策しつつ、学生時代のことを思い出したりしておりました。さて、昨今、教育再生をめぐる議論で「人文より実学」だとか「グローバル云々」で「即戦力」を大学教育に求…
- 引用句辞典 トレンド編 学者・研究者の真の快楽とは 鹿島茂教育行政に求めたい 「真理追究」への導き兎に角に当時の緒方の書生は、十中の七、八、目的なしに苦学した者であるが、その目的のなかったのが却って仕合で、江戸の書生よりも能く勉強が出来たの…
- 衆院選:自民、細かに「公平」要請 選挙番組構成でTV各局に 毎日新聞 2014年11月28日 東京朝刊 自民党がNHKと在京民放テレビ局に対し、選挙報道の公平中立などを求める要望書を渡していたことが27日分かった。街頭インタビューの集め方など、番組の…
- 耕論:何のための英語入試改革 多田幸雄さん、益川敏英さん 2014年11月26日 大学入試の英語が大きく変わりそうだ。文部科学省は「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を測る方式にかじを切ろうとしている。この改革はいったい何のためなのか。そもそも…
- 特集ワイド:道徳的でない「道徳教科化」 小中学校で検定教科書、成績評価導入 毎日新聞 2014年11月12日 東京夕刊 (写真キャプション)教育再生実行会議であいさつする安倍晋三首相(左から3人目)と(左から)下村博文文科相、鎌田薫座長ら=首相官邸で…
ウーム、これはひどすぎじゃアございませんか? 日本分子生物学会。http://mbsj.jp/admins/committee/careerpath/doc/careerpath_poster_2014.pdf 池上彰と考える これでいいのか 日本の生命科学研究”ってふられても、池上彰と考えても、日本の生命科学研究…
よく思うのだけど、どこまで白人に対する愛憎まみれた卑屈さを持ち、その鬱憤を返す刀の如き形で、アジア蔑視へと注ぎ込む。人間は相互に平等ではなかったのか(今更だけど。卑屈と蔑視であたかも中庸に位置する如き錯覚として自己を序列化する発想は卒業し…
- 発言:「私だけの古典」を見いだそう=紅野謙介・日本大学教授 毎日新聞 2014年10月30日 東京朝刊 二度三度とふれるたびに発見がある。それが私にとっての古典だと思う。世評に高い、いわゆる「古典」が必ずしもすべてのひとの古典になるわけではない。だか…
- 時代の風:大学の国際化=京都大学長・山極寿一 毎日新聞 2014年10月12日 東京朝刊 ◇産業界、地域の理解必要−−山極寿一(やまぎわ・じゅいち) 今月5日から7日にかけて、京都で「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」が開かれた。約100カ国の…
過日、文科省が「スーパーグローバル大学」採択校を発表しましたが、その構想に準じたカリキュラムが、実際のところ、グローバルでも何ンでもないシロモノだから、「スーパーで買うことができるのですか?」ってフイタところ、「大学の運営方針しだいで大学…
昨日の金曜日、後期2回目の「哲学」授業で、いよいよ本格的な導入の授業をすることができました。哲学を学ぶということは、「哲学をする」ことを学ぶ訳ですが、そこで大事になることは、あくまでも先ず「自分で考える」ということ。そして次に、その自分で…
- 時代の風:大学教育の使命=京都大教授・山極寿一 ◇世界へ学生送り出す窓−−山極寿一(やまぎわ・じゅいち) 第26代京都大学学長の候補に推挙された。10月からその任務に就くことになる。京都大学は自学自習をモットーにし、自由の学風と創造の精神を育…
9月2日に批評家の荻上チキさんがつぎのようなツィートを投稿していた。“「関東大震災をとりあげるなら、朝鮮人虐殺なかった派もよべ」はさすがに相手にできないよなぁ。アポロ月に行ってない派も呼べとか、ホロコーストなかった派も呼べとか、そのレベルよ…
- 今週の本棚 仏教学者 中村元 植木雅俊著 角川選書・1944円 高名な仏教学者・インド哲学者の一生を、晩年の門弟という視点から描いたものである。 中村元(はじめ)は博覧強記を絵に描いたような大学者で、サンスクリット語をはじめ、パーリ語、チベッ…
- 書評 植木雅俊・著 仏教学者 中村元 求道のことばと思想前田耕作多角的な思想の全軌跡活動的な生涯とその開かれた視線をあますところなく活写 1979年12月末、ブレジネフはソ連軍のアフガニスタン侵攻を許可する書類に署名した。『広辞苑』(第3版・…
たまこさんのお世話ちう。土曜日に細君が子供を連れて実家に帰ってしまったので(とほほ、猫のたまこさんと二人ぐらしです。とはいってもほとんど家にいないので少しの時間ですし、今日はぐったりと寝ていたので、少々余裕をもって接していますがものすげえ…
ベネディクト・アンダーソン(加藤剛訳)『ヤシガラ椀の外へ』NTT出版、読了。『想像の共同体』の著者が、その地域研究の軌跡を振り返りながら、学問とは何か縦横に論じた一冊。抜群に面白い。学問で重要なのは、大学の制度や母国といった「ヤシガラ椀」…
ガート・ビースタ(上野正道、藤井佳世、中村(新井)清二訳)『民主主義を学習する 教育・生涯学習・シティズンシップ』勁草書房、読了。「民主主義の学習とは、政治における主体化である。学校や社会でいかに民主主義を学んでいくのか、理論的・歴史的・政策…
月に一度、コロンビア大学コアカリキュラムの教材を取り上げ、雄志で勉強会をしているのですが、5月がアウグスティヌスで、今月がトマス・アクィナス。キリスト教思想史における二大巨人の著作を概観して思うのは、二人とも「紋切り型」のフレーズで、究極…
今野真二『日本語の考古学』岩波新書、読了。印刷書物や電子データになじむと、「源氏物語の作者は?」と問われれば「紫式部」という常識に拘束される。しかし、写し手や時代が変わればがわりと変わるから、考古学的にアプローチする他ない。僅かな痕跡から…