一人の人間が同時に所属するすべての集合体がそれぞれ、この人物に特定のアイデンティティを与えている



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 単眼的なアプローチは、世界中のほぼすべての人を誤解するには、もってこいの方法となるだろう。通常の暮らしでは、われわれは自分がさまざまな集団の一員であると考えている。そのすべてに帰属しているのだ。一人の人間がなんら矛盾することなく、アメリカ国民であり、カリブ海域出身で、アフリカ系の祖先をもち、キリスト教徒で、リベラル主義者の女性であって、かつ菜食主義(ヴェジタリアン)、長距離ランナー、歴史家、学校の教師、小説家、フェミニスト異性愛者、同性愛者の権利の理解者、芝居好き、環境活動家、テニス愛好家、ジャズ・ミュージシャンであり、さらに大宇宙に知的生命が存在し(でえきれば英語で)緊急に交信する必要があるという考えの信奉者となりうるのである。一人の人間が同時に所属するすべての集合体がそれぞれ、この人物に特定のアイデンティティを与えているのだ。どの集合体も、この人物の唯一のアイデンティティ、または唯一の帰属集団と見なすことはできない。人のアイデンティティが複数あるとすると、時々に応じて、異なる関係や帰属のなかから、相対的に重要なものを選ばざるをえない。
    −−アマルティア・セン(大門毅・監訳、東郷えりか訳)『アイデンティティと暴力 運命は幻想である』勁草書房、2011年、3頁。

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市井の職場の都合で、指定休を出勤しなくならなくなったので、その振り替え休として18日の日曜日はお休みしました。ひさしぶりの日曜の休日でしたので……仕事柄基本的には祝祭日は出勤パターンorz……家族で少し、ぶらっと街を散策してきました。

ちょうど結婚して11年になったというのもあり、問題なく生活がつづいてきなあと思いまして、少し早い時間からですが、ささやかな祝杯を挙げてきた次第ですん。

そりゃ人間ですので、お互いに頭にくるような事柄もありますが、ということは、そうではない事柄もたくさんありますので、人間の全人性を一点を見て判断しないように心がけてはおりますが、今後も、そのことを留意しつつ、相対(あいたい)できればいいのではないかと思っております。

ともあれ、「ありがとうございました」

……って何じゃソレ。








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