日記:シリーズ「あんときのデジカメ」 Nikon COOLPIX 950

20世紀のデジタルカメラ

ひょんなことからNikonの黎明期のデジタルカメラCOOLPIX 950を手に入れました。発売が1999年3月ですので、「20世紀のデジタルカメラ」。

仕様は、211万画素(総画素)で、当時は100万画素前後をうろちょろしていたので、衝撃的な画素数で、1/2型CCDで大型センサーを搭載。レンズは35mm換算で38mm−115mmの3倍ズームで開放f値はF2.6と明るいく、最短2cmとマクロにも強い。いわばニコン渾身のコンパクトデジタルカメラといって良いでしょう。

当時は、銀塩メインで、ライカコンタックスをほぼほぼ集め終わったので、ペトリやオールドコニカなど、国産レンジファインダーを集めては撮影していた自分で、このCOOLPIXを知人に借りて比較撮りしたとき、撮影のタイムラグや次のシャッターチャージや電池のもちなど「デジタルカメラはまだまだ使いにくい」というのが正直な印象でした。試しにニコンのサイトをのぞくと、価格は12万5000円! 12万もあれば、ズミルックス買えるんじゃね?みたいな話で、その使い勝手とは裏腹にデジタルカメラがいかに高価であったのかを物語っているのではないかと思います。

さて発売から大方20年が経とうかという2017年に敢えて「20世紀のデジタルカメラ」を手にとってみると、たしかに撮影のタイムラグやシャッターチャージなどその使い勝手はお世辞にもよくありません。そのことは、現在のデジタルカメラがこの20年でいかに進歩したのかを物語っているのではないかと思います。と同時に、かつては12万円を超えたデジタルカメラが、例えば、1万円程度で入手できるようになった現在、「ライカ1台家1軒」は「今は昔」ですが、それはそのイノベーションが価格や価値を「崩壊」させてきたことをも語っているようで、そのことが良いことなのか、悪いことなのかの判断に関してはしばし躊躇してしまうものでもあります。



機械としてのカメラ
さて、使い勝手に関しては、「21世紀のデジタルカメラ」に慣れてしまうと(それは同時に機械を扱うという人間の感覚の鈍麻でもある訳ですが)、たしかに使いにくいのですが、それでも、切り撮られる写真というものは、あなどれないのも事実で、太陽光下で、きちんとピントが自動で合い、シャッターがきちんと切れる好条件の下では、今なお使用に耐えうる、いな、場合によっては、HDR撮影では再現仕切れない(というよりも再現しないことで浮かび上がる)光景を切り結ぶ極めて完成度の高い仕上がりになっており、「20世紀のデジタルカメラ」あな恐ろしや。。。

スパイラル式デジタルカメラは、モニターのマルチチルト化によって姿を消しましたが、マルチチルトでは追えきれない自由度はスパイラル方式の利点で、是非、現在の技術で左舷して欲しいところ。筐体はマグネシウム合金製の外装で、デザインは当時のF5の雰囲気、プラスチックディスポーザブルのようなデジタルカメラが有象無象するなかで、COOLPIX950の「機械としてのカメラ」の質感は非常に高いものがあります。

「20世紀のデジタルカメラ」は最後の「機械としてのカメラ」といっても過言ではないでしょうか。

http://www.nikon-image.com/products/compact/lineup/950/


ソニーのミラーレス一眼NEX-C3Dと対比。


実際、NEX-C3DよりCOOLPIX950の方が大きい。


ワイドコンバージョンレンズWC-E24を装着。


室内ではモニターはまあまあ実用の範囲ですが、外では見えにくい。経年劣化もあるとは思いますが。


光学ファインダーは恐ろしいほど見えやすい。グリーンでAFの合致を通知。

作例
ISO80、フルオートの「A-REC」で撮影、マクロは「M-REC」(プログラム撮影)で撮影。露出補正なし。1600×1200(FULL)で記録。







↑ ワイド端38mmで撮影。(A)


↑ (A)と同じ位置から、純正ワイドコンバージョンレンズ WC-E24を付けて、28mmぐらいで撮影。ワイドコンバージョンレンズの使用は実は初めて。画像がゆるくなりますが、ワイドコンバージョンレンズって、まあまあ実用の範囲ですね。












COOLPIX 950 - コンパクトデジタルカメラ - 製品情報 | ニコンイメージング



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