日記:「あんときのデジカメ」 富士フィルム FinePix F11 「2005年のデジタルカメラは今でも問題なく使える」機械だった」


■はじめに
前期00年代を代表する富士フィルムのコンパクトデジタルカメラは、……もちろん、これには異論はあるとは思いますが……2003年9月発売のFinePix F700と2005年2月発売のFinePix F10ではないかと思う。前者の新CCD「1/1.7型スーパーCCDハニカムSR」は、当時のレベルでは異常なほどよく映ることから、もはやほとんど都市伝説と化してい(※、本来なら「化していて」なのですけど、池波正太郎に倣えば「化してい」の「い」で「、」というのが正太郎文章で、その驚きを表すために「い」で止めました)、後者の第5世代の1/1.7型スーパーCCDハニカム? HRは、有効画素数が630万画素ながら、最高感度ISO1600でノイズ・解像度低下という弱点を大幅に克服したことで、以後、富士フィルムのコンパクトデジタルカメラの「路線」を決定づけたカメラと評することができなるのではないかと思います。

■F10?
先に都市伝説とまで大げさにいいましたが、FinePix F700は、今でもいい値段がします(といっても1万2万もしませんが)。F10は、売れた割には、市場に出てくる数が少ない(まだ使っている人が多いのかしらん?)。両者ともxDピクチャーカードを使用している、そんな理由が重なりこれまで敬遠していたのですが、先月、xDピクチャーカードを手に入れたことを契機に、色々と物色することにしてみました。先に言及したとおり、F700は、USEDで今でも3千円とか平気でしてしまいます。それでもってF10もなかなか出てこない。

1カ月ちかく色々と捜索したところ、本体・バッテリー・AVケーブルが付属したワンオーナーのUSED(出品にあたり数年ぶりに動作確認はできたけどノークレーム)が千円であったので、すかさずゲットしてみました。

「おお、これがF10か!」

などとタバコの箱より一回り大きい、今となってみてはコンパクトというわりには随分ずんぐりした筐体を動作を確認しつつ、

「あれ、これってF10じゃなくて半年後の後継機のF11じゃないの?」

で……。まさにそういう話でございました。

よくあることですね(違

さてF10とF11の違いは、F10がフルオート機であるのに対し、絞り優先AE、シャッター速度優先AEを追加されたモデルがF11。自分としては、フルオートよりも「願ったり叶ったり」という話で1カ月ほど写真を撮ってみました。

■「2005年のデジタルカメラは今でも問題なく使える」機械だったの巻
10年以上前のデジタルカメラですけど、使い勝手・写りに関して一言でいうと、「今でも問題なく使える」というのが正直な印象です。これまで00年〜03年あたりのオールドデジタルカメラをいくつか使い渡りましたが、やっぱり動きが鈍いというのは否定し難い事実であり、それに対して05年のF10は、「めちゃ速い!」ってことは勿論ありませんが、「実用範囲」というのは否定し難く、05年あたりに汎用のデジタルカメラの原型ができたのではないかと想像力がたくましくなりました。

実使用で言えば、この年、我が家でコンパクトデジタルカメラパナソニックのLX-1を購入し、これで「銀塩と併用しなくてもデジタルカメラ1台でだいたいのことは記録できる」と実感したこと覚えております。それでまでは、デジタルを使いつつも、やはり銀塩を並行していたのですが、05年以降、銀塩は使うときは、「さあ、写真で真剣勝負するか」みたいな時だけになりましたので、ワタシ的には05年の製品というのは「画期」だったという思い出があります。

思えば、FinePix F700が発売された2003年は、汎用のデジタル一眼となるキャノンの初代のEOS Kiss デジタルペンタックスのist Dが発売され、デジタルカメラ市場の様相を塗り替えました。05年にはEOS Kiss デジタルは2代目となり、ペンタックスのist DLは世界最軽量を標榜し、デジタル一眼レフカメラはもはやプロフェッショナルの「占有物」ではなくなりました。もちろん、コンパクトデジタルカメラをその推移に照らし合わせるわけにはいけませんが、テクノロジーの革新やマーケットターゲットの変更は無関係でないのも事実でしょう。

さて10年以上を経て「今でも問題なく使える」というのが正直な印象といいましたが、この後、入門機まで普及していくのは、手ぶれ補正のほか、顔認識だとか、ボケコントロールとかそういう「おまけ」になってきます。そういう「おまけ」がない分、本機は本気で写真を取るというシンプルさに徹した「今でも古くないカメラ」というのがあたしのインプレッション。

以下、作例です。オート撮影(一部、露出優先で撮影)、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像は6Mファインで保存。夜景はISO1600で撮影、筐体はiPhone6Sで撮影。










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