日記:シリーズ「あんときのデジカメ」Ricoh Caplio R3 2005年製 広角・マクロ・望遠まで「全部入り」の豪華なコンデジ

■ 息の長いRicohブランド
レンズ交換のできない、いわゆる総金属製の「(レンジファインダー式の)コンパクトカメラ」やM42マウント式の一眼レフカメラのほか、優れた描写のGRレンズなど、Ricohというブランドは、あらためてその銘機を振り返ると、銀塩カメラ時代から続く「息の長い」カメラメーカーと評することができよう。筆者は、フィルムカメラでいえば、(GRを購入できなかったので)RICOH LENS 30mm/F3.5搭載のRICOH R1s(1995年製)のほか、ライカスクリューマウントのGR 28mmF2.8をライツのM5で愛用してい、今となってみれば、どちらの製品も処分しなければよかったと悔やまれる。デジタル時代に入ってからは、2代目のGR Digital を皮切りに、CX4、5と乗り継ぎ、現在所有するのは、GXR(交換レンズはA16、S10、P10)で、こちらは今も現役で使っている。カメラメーカーの雄ミノルタコニカがデジタル時代になってから撤退し、日本で最初に一眼レフカメラを発売したPentaxは今やRicohの傘下、そう考えてみると、息の長いRicohブランドは、カメラメーカーとしてニコンやキャノンに引けを取らない一流メーカーと考えてみることも不可能ではない。

■00年代前半を代表するCaplioシリーズ
今回手に入れたのは、2005年11月発売のCaplio R3。2001年4月発売されたRDC-i500を皮切りに、2007年発売のR7まで続く00年代前半のリコーを代表する名シリーズの1つ。高級機ではないものの、当時のコンデジが苦手として1cmマクロ撮影や広角に特価したレンズが特徴で、アマチュアよりもハイアマチュアやプロに比較的好まれたカメラではないかと思う。
筆者は送料込みで750円程度で手に入れたのだが、ポチった後に、「本体のみ」(バッテリーや付属品なし)ということに「やっちまった感」が大だったが、調べてみると、バッテリー(DB-60)は他社コンデジと共用のものだったため、互換品のPanasonic DMW-BCC12(DMC-LX2用)で間に合わせることができた。ソニー製品は排他的バッテリーが多いが、現代でも割りと共用バッテリーを使う商品は多い。こういうのは案外助かるものなのだ。

■広角・マクロ・望遠まで「全部入り」
では、簡単にスペックをおさらい。撮像素子は有効画素513万画素1/2.5型原色CCDと標準的だが、リコーでは初となるCCDシフト方式の手ブレ補正機構を搭載。レンズは、35mmフィルムカメラ換算で28−200mmの光学7倍ズーム。絞りはF3.3−4.8と広角端でやや暗いものの、200mmで4.8とまずまず優秀。リコーお家芸の1cmマクロも健在だ。
筆者はこのシリーズで、2005年に現代の使用に耐えるコンパクトデジタルカメラの原象を認めるものだ。この年以降、たしかに手ぶれ補正や画素数upなどカメラは確かに進歩している。しかし、基本設計は、この年の製品でほぼ出揃ったのではないか思うからだ。
手元にある2005年のコンデジには、発売日順にPENTAX Optio S5Z、コニカミノルタ DiMAGE X1、SONY DSC-T5、Fujifilm FinePix F11と4台ある。今回05年クラスにR3を加えてみたが、正直言うと、どのカメラよりも優れている。05年、筆者は、同時代史としてはPanasonic DMC-LX1を購入したのだが、LX1を加えても、……当時は比較対象しなかった……、最も素晴らしいカメラがこのリコーのR3ではないかとさえ思っている。
通常、あんときのデジカメは2−3週間程度で試写を済ますが、今回R3は1カ月以上使っている。それもこのカメラが非常に優秀なことの証左であろう。
当時のレビューを振り返ると、「広角」「マクロ」「望遠」とすべて全部揃ったコンパクトデジタルカメラという「評価」が多いが、頷ける。7倍ズームをもう少しズームしたいと思わなくもないが、これはCaplioの後の「CX」シリーズで実現されることになる。
唯一、欠点を挙げれば、(ISO100以下で撮影するとき)広角端での解放f値が暗いことか。夕方になると一気にカメラが「弱く」なってしまう。

以下、作例。プログラム撮影。ISO100 AWB 0EV 筐体はiPhone6sで撮影。


↑ 広角端28mmで撮影(A)


↑ (A)を光学7倍ズーム200mmで撮影


↑ 広角端28mmで撮影(B)


↑ (B)を光学7倍ズーム200mmで撮影







Caplio R3 / デジタルカメラ | RICOH IMAGING

Playing old digital camera Ricoh Caplio R3 2005 | Flickr



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