日記:「あんときのデジカメ」京セラコンタックス CONTAX U4R「カールツァイス T*」端的に言ってよく写る




■ いまだに根強い人気のCONTAX「ブランド」デジタルカメラ
骨董品やアンティークというのは、流行の左右で上下するとしても、だいたい「落とし所」の価格が決まっている。これは、「あんときのデジカメ」でも同じで、CONTAXTVS Digitalなら発売から14年経った今でも、並品でも2万円前後。ネットオークションでも美品なら数万円でスタートして落札する猛者がいる。最後の京セラコンタックスデジタルカメラとなったCONTAX U4Rですら1万円以下で手に入れることはなかなか難しい。

しかし、受容と供給の「バランス」が崩れた時、TVSなら1万円程度、U4Rなら数千円で手に入れることも不可能ではない(動作未確認で実際動くのだけどみたいなのは横に置く)。しかし、それは「千載一遇」と言っても過言ではない。

はい。そういうことで千載一遇が続き、めちゃくちゃ格安で、CONTAX U4R(本体、純正バッテリー、クレードル付き)を手に入れました。ウェーイ。このカメラは、ROWA製などサードパーティでのバッテリーがほとんど販売終了で、バッテリーが弱っていたらどうしようか?と危惧しておりましたが、非常に元気でラッキー、おまけに本体も「美品」。「仕合せ」(あえてこの「字」)とはまさにこのこと。

さて、簡単なスペックをおさらい。
撮像素子は有効画素数400万画素1/2.7型CCD、レンズは35ミリカメラ換算で38〜115mmの3倍ズーム(F2.8〜4.7)。いわゆる「コンパクトデジタルカメラ」としては普通の造りながら、高速起動とピントを合わせながら高速連写が可能がことがこのカメラの特徴となっている。カメラはスイバル構造で、レンズ部分が回転し、撮影位置の自由度が高い。元々は京セラの「Finecam SL400R」(2004年3月発売)を基に製造されているが、デザインや映像エンジンがチューンナップされており、液晶は2インチと大きくなっている。ジョイスティックやモード切替ボタンなど,操作感は明らかに向上しており、Finecam SL400Rの弱点が克服された形で、非常に仕上がりのよいカメラとなっている。

レンズはもちろん「カールツァイス T*」だが、「T*」(ティースター)ですよ、旦那。筐体はCONTAX「ブランド」らしく、本革が貼ってあり、金属製ボディと相まって「機械式カメラ」を持つような手触り、所有感がある。

■端的に言って「よく写る」
では、今更2004年11月発売の「あんときのデジカメ」の写り具合、操作感はいかがなものだろうか。所詮コンパクトデジタルカメラなのでポスター大に引き伸ばさないことを前提の話としてだが、恐ろしいほど「よく写る」。端的に言って「よく写る」。加えてこのカメラは「当時としては」高速起動・連写を売りにしていたがそこが強みになっている。もちろん、その高速起動・連写のスピードはもはや「今は昔」。最新デジカメとくらべて見るならば「凡庸」以下と言って良い。しかしながら、当時のコンデジの起動スピードの遅さや連写能力の低さが、今となっては「スローミー」過ぎて、それを承知で「あんときのデジカメ」をゆっくリズムで使わざるを得ない時に必然する「いらいら」は、このカメラとは無縁である。

個人的には2005年がコンパクトデジタルカメラの「分水嶺」だと考えている。それ以前をデジタルカメラの「カメラ」として確立するための模索期であり、それを「アンティーク」「オールド」と評することができる。そして、2005年以後のカメラは、デジタルカメラの「カメラ」として基本構造・動作・スピード等などの基本が確立した時期といって良い。画素数等など「古っ!」ってことはあっても「まだまだ使えるやんけ」というのが2005年以降のカメラの「正味の感覚」だからだ。その意味では京セラコンタックス最後のデジタルカメラU4Rは「分水嶺」以前の最後のコンパクトデジタルカメラでありながら、使用感としては片足は2005年に突っ込んでいたと評価できる。以後、後継機が出ていない(京セラがカメラ事業から撤退)のが惜しまれる。ただ、当時(2004年後半)、すでに400万画素は過去のものとなりつつあった訳なので、京セラコンタックスの「限界」というのはあったのかもしれない。

なお、2003年発売のTVS Digital(500万画素 1/1.8型CCD)と比較した場合、U4Rはどう評価できるか。操作系は圧倒的にU4Rの勝利と言わざるをえない。好みの違いはあるとは思うが、切り取られる「画像」は、画素数や撮像素子の問題を横においても、TVS Digitalの方が、私としてはいい写真を切り結ぶように思える。スローシャッターも筐体の造りの違いからTVS Digitalにアドバンテージがある。問題は、その優劣を踏まえたうえで、日常生活のなかでどうこの二つのカメラを「使い分けるのか」ということに尽きるだろう。面倒なら2台持ち出せばいいのか(違

以下、作例。ISO100、プログラム撮影。ホワイトバランスオート。露出補正なし。画像は2272×1704で保存。筐体はiPhone6sで撮影。

























価格.com - 京セラ CONTAX U4R スペック・仕様

Playing old digital camera CONTAX U4R 2004 | Flickr

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