日記:シリーズ「あんときのデジカメ」 Canon IXY DIGITAL L2 2004年 「さあ、写真を撮るぞ」という気負いとは無縁で、シャカシャカと撮影できる楽しいカメラ

■ 「積極的には欲しい」と思った2代目
今回取り上げる Canon IXY DIGITAL L2 も、これまで取り上げてきたCASIO Exilim EX-S2、Panasonic DMC-LX2に続く「初代を使い、ニ代目を使わなかった」シリーズ。別にシリーズ化する意図はありませんが(苦笑、EX-S2、LX2は「積極的には欲しい」とは思わなかった2代目であるのに対して、L2は「積極的には欲しい」カメラであったところが大きな違いでしょうか。

L2の前進となるL1(2003年発売)を手に入れたのは、2007年のことで、ちょうど当時はRicohのGD Digital 2をメインカメラとして使っていた時です。GRは28mmの単焦点カメラになるので、ちょと焦点距離の違うカメラ、ないしはズームのできるカメラを探していたのですが、かなり安価で手に入れたのがIXY Digital L1でした。そして実はキャノンのデジタルカメラもこれが初めての機械で、400万画素かつ39mm固定焦点で、メインもサブもどっちも「単焦点カメラやないけ!」と思いつつも、光量が十分なところではカリッとした写真もヌメッとした写真もきっちりと写し込み、特にマクロ撮影で威力を発揮したとこに当時は驚いたものでした。USEDのためバッテリーの持ちが悪く、後継機のL2も安くなっていたので、機種変更したいなーと思っていながら、結局はLシリーズの3代目にあたるIXY Digital L3をゲットしてしまい(L3はズームのできるコンデジなので、初代、2代目のLシリーズとはコンセプトが違う)、なかなか邂逅できなかったカメラでしたが、先日、これまた送料込みで500円以下の本機と巡り合いましたので、ちょっと触ってみました。

■固定焦点の39mmの画角は意外と合理的な焦点距離
簡単に仕様をおさらい。撮像素子は540万画素1/2.5型CCD、4群4枚のレンズは、35mmフィルム換算39mm f2.8の単焦点。感度はISO50〜400相当と2004年のコンデジとしては標準的ながら、デフォルトのオート撮影の時はISO設定もオートになり、撮影モードをマニュアルに設定することでISOやWB、露出補正が可能になります。マクロ撮影の最短距離は3cmで、これが意外にも重宝します。(手元にはありませんが)L1と比べると基本的な仕様は継承しながらも、有効画素数の向上など細かなスペックアップという感で、使い方はほとんど同じで、特に迷いもなくショットを重ねてみました。
L1の時もそうでしたが、(そして僕は基本的にISO100+ノーフラッシュでの撮影をモットーとしますので)十分な光量がある状態では問題なく写真を切り取りますが、夕方以降、そして曇天時は、解放f値が2.8と明るい割には、ピンぼけしやすい。もちろん、手ぶれ補正など一切ありません。
では、ズームのできない39mm単焦点というレンズの使い勝手はいかがなものでしょうか?使いにくいかと思いきや、案外使いやすく、広角すぎるレンズだと情報量が多くなり、どう構図するかが大きな問題になったりするのですが、そういう不安がなく、標準レンズの50mmよりちょっとだけワイドな39mmという画角が、生活の風景を切り取るには非常に便利な焦点距離ではないかと思ったりしながら、撮影を楽しみました。そういえば、フィルムカメラ時代のCONTAXの名機T2……これを使っていた人も多いのではないかと思いますが……も焦点距離は39mm。意外と合理的な焦点距離かも知れません。
金属製の筐体は思った以上の質感があり、ものすごくコンパクトながら、カメラとしての質感は高い。もちろん10余年以上前のカメラですからモッサリ動作は否めませんが、割り切って使う分には、「さあ、写真を撮るぞ」という気負いとは無縁で、シャカシャカと撮影できる楽しいカメラといったところでしょうか。
ちなみにL1との別れは、2008年1月、宮城県吉野作造記念館を訪問した帰りの新幹線のなかに「置き忘れ」。このクセは治したい。

以下、作例。マニュアル撮影(実質的にはプログラム撮影)、ISO100 AWB 0EV 筐体はiPhone6sで撮影。






Playing old digital camera Canon IXY DIGITAL L2 2004 | Flickr

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