2014-08-08から1日間の記事一覧

覚え書:「書評:木霊草霊(こだまくさだま) 伊藤 比呂美 著」、『東京新聞』2014年08月03日(日)付。

- 木霊草霊(こだまくさだま) 伊藤 比呂美 著 2014年8月3日 ◆生命のざわめき聞く [評者]岸本葉子=エッセイスト 子どもの頃から図鑑を手に、草を目で追っていた。帰化植物の繁茂する空き地や河原が原風景だ。詩を書きはじめてからも、根本にいつもあった…

覚え書:「書評:日本のヴァイオリン王 井上 さつき 著」、『東京新聞』2014年08月03日(日)付。

- 日本のヴァイオリン王 井上 さつき 著 2014年8月3日 ◆名器づくりに燃えた時代 [評者]塩野米松=作家 ヴァイオリンは、日本人にとっては馴染(なじ)みのうすい楽器のように思っていた。ストラディヴァリウスという名器が十億円もして、その楽器で演奏会…

覚え書:「書評:ウナギと日本人 筒井 功 著」、『東京新聞』2014年08月03日(日)付。

- ウナギと日本人 筒井 功 著 2014年8月3日 ◆なじみ深さと不可思議さ [評者]春名徹=ノンフィクション作家 ウナギは日本人にはなじみ深い生き物だが、判(わか)らないことが多すぎる。日本で成熟したウナギは産卵のために南海に帰っていくが、経路はまっ…

日記:抵抗としてのアジア主義:吉野作造の場合

- 天心にあっては、美(そしてそれとほとんど同義の宗教)が最大の価値であり、文明はこの普遍的価値を実現するための手段である。美は人間の本性に根ざすから、西欧だけが独占すべきではない[竹内 一九九三:三二九] 竹内の見るところ、アジア主義は岡倉…