書評:駒井洋監修、小林真生編『移民・ディアスポラ研究3 レイシズムと外国人嫌悪』明石書店、2013年。



駒井洋監修、小林真生編『移民・ディアスポラ研究3 レイシズムと外国人嫌悪』明石書店、読了。官民あげて高まる拝外主義とヘイトスピーチだが、その台頭に対する日本社会の認識も対応も著しく遅れている。本書は「レイシズムと外国人嫌悪」の実態を露わにし、逆風へのオプションを提案する。

三つの視座でその現在進行形を素描する。即ち、1)レイシズムとしてのネット右翼、2)ヨーロッパにおけるイスラモファビア、3)日本人の拝外意識と外国人管理の強化。安田浩一×邦富対談「ネット右翼反日暴動、その底流にあるもの」も収録。

不穏な動静のなか、日本はオリンピック招致に成功した。東アジア出身の編者の友人たちは「好きで日本に来ているのだから、喜ぶのは当然」という。「それに対していかに応えるのかを、この社会がとわれている」。論集ながら読みやすくおすすめ。
 









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