日記:あんときのデジカメ Ricoh Caplio R1 デジタル時代も魅力的なカメラを創りつづけるリコー 2004年


◇ デジタル時代も魅力的なカメラを創りつづけるリコー
リコーといえば、複写機のメーカーというイメージが強いのですが、35mmフィルムカメラ時代から、独創的なカメラを製造しており、デジタル時代においても、老舗カメラ−メーカーがカメラ事業から撤退するなかで、健闘し続けている日本を代表するカメラブランドへと成長を遂げた不思議な会社です。思えば、あのアサヒペンタックスが今やリコーイメージングに吸収されてしまったことを考えると、複写機メーカーというよりもカメラメーカーといったほうが正確かもしれません。
 フィルムカメラ時代には、ライカスクリューマウントのGR28mmを主として使いましたが、銘機との誉れ高いGR1(1996年)は高価で手に入れることができず、30mm広角レンズ単焦点搭載の廉価版のR1sのOEMと言われるローライ Prego 30 を手に入れてから常用していたことを懐かしく思います。デジタル時代に入ってからも、GR Digital2 を長く使い、不思議なカメラといってよいGRXは今でも現役です。そのラインナップに付け加えるのが、今回ご紹介する Caplio R1(2004年発売)です。

◇ ワイド端マクロのピント迷いとシャッターの重さがマイナス
現在手元にあるリコーのデジタルカメラで最も古いのが、2005年製造のCaplio R3 ですので、今回ご紹介するのは、キャプリオRシリーズのはしりになるR1。R3が後に販売されるCXシリーズの基礎となる広角レンズ搭載の高倍率の原型になりますから、R1はそのR3のそのまた原型といったところでしょうか。広角28mmレンズ搭載で4.8倍ズームレンズ搭載。同時期のコンパクトデジタルカメラが、広角に弱い3倍ズームというのがほぼスタンダードですので、原型の原型とは言え、他社のコンデジと非常に差別化された製品になっております。
使用感は、起動は意外と速いのですが、シャッターチャージが思った以上にトロく、まあ10年以上前のカメラですが、まあしかたなしで、実用的には十分我慢できるレベル。リコーといえば、マクロに強いという印象がありますが、こちらもワイド端で最大1cmまで寄れるようになっており、なかなか楽しい画作りができます。ただし、R1の特徴なのか、それともハズレをひいたのか判断がつきませんが、ワイド端マクロでのピントが合いにくいことと、シャッターが重いことが(なので手ブレしやすい)、ここがちょっと残念なところです。電源は単3電池2本で動作という仕様ですが、これが意外にもバッテリーのもちがよく、民生使用よりも、ビジネスでよく使われたということに納得です。モード撮影にはテキストモードちゅうもんがありまして、資料の接写で活躍したこともその消息を者がっているのだろうなあと推察しております。


でわ、簡単に仕様をおさらい。撮像素子は、有効画素数400万画素1/2.5型原色CCDで、CCDらしいカチッとした写真の仕上がりで、メリハリのある色作りであるものの、けばけばしさがなく、私としては好感を抱くセンサーです。レンズは、35mmフィルムカメラ換算で28−135mmの4.8倍ズームレンズ。ズームは28mm、35mm、50mm、85mm、135mmの5段階のステップズームに設定することが可能ですが、ステップズームは意外と使いにくい。ここがR3と最も違うところでしょうか。f値は広角端でF3.3と暗く、日が沈み始めると、ノーフラッシュ撮影では、シャッターも重いのでチト厳しく、昼間専用機として私は使ってみました。センサーサイズの割には、白トビも少なく、割と「ねばってくれる」カメラという印象です。

以下、作例。ISO100 プログラム撮影 ホワイトバランスオート、露出補正なし。筐体はiPhone6s で撮影。



↑ 広角端28mmで撮影(A)。


↑ (A)を光学望遠端135mmで撮影。


↑ 広角端28mmで撮影(B)。


↑ (B)を光学望遠端135mmで撮影。

Playing old digital Camera RICOH Caplio R1 2004 | Flickr


Caplio R1 / デジタルカメラ | RICOH IMAGING