日記:CANON CANONET QL17 (1965)  f1.7の世界


↑iPhone6sで撮影


一眼レフがまだまだ高価であった時代、とくにフラッグシップのヒト桁モデルの利用は、報道や写真家、ハイアマチュアぐらいに限られていたのではないかと思います。

EE化が進む1970年代半ばになって、ようやく廉価モデルを中心に、一眼レフが人々の手に行き渡ろうとしたと思いますが、それでも高嶺の花。そうした時代、街でよく見かけたのが、レンズ交換のできないいわゆる「レンジファインダー」のカメラではなかったかと思います。我が家にもコニカのC35やキャノンのキャノネット(しかし、なぜか我が家にあったのはキャノネットの最終形態の最も高価なGIIIでしたが)がありましたが、お父さんがたまに家族写真を撮ったりする時に、最も使われたのがレンジファインダーのカメラだったと思います。

キャノンを代表するレンジファインダーカメラといえば、もちろんキャノネット(CANONET)。露出オートは勿論、マニュアル撮影もこなし、使い方によっては、一眼レフに勝るとも劣らない写真を切り取り、サブカメラとして利用した写真家も多いと聞きます。

今回、久しぶりにそのキャノネットを入手しましたが、入手したのは、カメラ(レンズ含む)ではなく、レンズ部分を取り出し、SONYのEマウント用レンズとして改造されたもの。もともとは、キャノネットとしては第2世代となる1965年に発売されたCANON CANONET QL17。レンズはCANON LENS SE 45mm で開放f値がf1.7と非常に明るい大口径レンズ。

私が使っていたのは、その後のQL17 GIIIでこちらは40mmと非常に広角に近い画角の第三世代のものでしたが、第2世代の方が数が多いのでしょうか。改造レンズとはいえ、格安でしたので入手してました。改造されたマウントはSONYのEマウント。

早速、SONY NEX-C3に取り付け試写してみました。画角はセンサーサイズの都合上(APSC)、1.5倍の67.5mmになりますので、だいたいポートレート用のレンズというていですが、その明るさが面白い描写を切り結びしばしば驚いております。

製造からほぼ半世紀を経ておりますので、最新レンズのようにすべてを写し出す、あるいは、逆光につよいなんてものは期待できませんが、それでも、そもそも写真とは、見たままを写すというよりも、そういう画を切り取りたいと思って、露出を合わせシャッタースピードを合わせ、像を浮かび上がらせるものですが、その画を創ろうとする営為という意味では、オールドレンズは、まさに人間の手によって切り結ばれる写真づくりを楽しませてくれるものなのだと改めて実感させられました。

カメラ本体はSONY NEX-C3D ISOは200、露出補正なし。すべて開放f1.7で露出優先、ピントはマニュアルで撮影。

















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