日記：「あんときのデジカメ」　OLYMPUS　C-730 Ultra Zoom　2017年にｘDピクチャーカードを買うということ

はじめに　2017年にxDピクチャーカードを買うということ
2000年代の中盤にかけてのオリンパスおよび富士フィルムのコンパクトデジタルカメラを敬遠した理由の一つは、xDピクチャーカードがメディアとして採用されていたところ。スマートメディアがいち早く消えた後、コンパクトフラッシュからＳＤカードへの移行が加速するなか、「メディア」としての「もの」の割に高価なこともあり、カメラとしては魅力的な機械がいくつかありましたが、なかなか手を付けられずにいたことを記憶しております。

それから10余年……。我ながら「今さら、xDピクチャーカードを買う」などとは思っておりませんでしたが、ハイ、気がつくとポチっていた次第。

今回ご紹介するのは、オリンパスの「C-730 Ultra Zoom」です。2002年の発売ですから、今からおよそ15年前のデジタルカメラということになります。それまでスマートメディアで展開してきたオリンパスですが、このカメラからxDピクチャーカードの使用が可能となり、弟から貰ったカメラでしたが、乾電池を入れ替え、メディアを装着していくつか写真を撮ってみました。

コンパクトとは言い難いけれども超望遠
当時のレビューを読んでいると例えば、「コンパクトなのに超望遠」「画像のノイズの多さは気になるが初心者からコダワリ派まで楽しめる１台」という評価ですが、仕様を見ると、35mmフィルム換算で、38mm-380mm相当の光学式１０倍ズームで、マニュアル撮影（露出優先、シャッタースピード優先にも対応）も可能で、普段は使わないだろうという機能も割合とてんこもりなカメラで、スローな操作感や使い慣れていない操作性の悪さなど差し引いても１０倍ズームは、やはり撮影して面白く、マクロ撮影は４ｃｍまでよることが可能ですから、とにかく「これ１台でたいていのことは済ませることのできるカメラ」と評価することは可能ではないかと思います。

写りに関しては３００万画素クラスの当時のコンデジとしてはなかなかナチュラルな印象。広角開放f値が2.8と明るく、寄れば、割りと自然なボケを得ることも可能です。操作感のまっタリさはいうまでもありませんが、印象的なのは、シャッターを切る感覚が、ボタンを押すと「コツん」という感覚や余韻といったものがあり、このシャッターを切る感覚が、デジタルカメラのシャッターを切るという感覚ではなく、どちらかと言えば、オートフォーカスのレンジファインダーのフィルムカメラのそれという感。この当時のデジタルカメラは、銀塩カメラの「延長」という思想で造られていたのかもしれません。

銀塩カメラの「延長」という意味では、銀塩カメラは、筐体をフィルムのパトローネより薄く作ることが不可能でした。C-730はデジタルカメラとしては、当時のカメラのなかでも大きめで無骨な造りです。もちろん、これは銀塩カメラの延長という訳ではありませんが、それでも大きめな筐体のおかげで、かえって手ブレにしくく、スローシャッターでもブレにくいことに少し瞠目しました。フィルムパトローネの呪縛を解き放たれたデジタルカメラ、特にコンパクトデジタルカメラは以降、薄型化・小型化に突き進んでいきますが、特に高望遠のコンパクトデジタルカメラの場合、いかに手ぶれ補正があろうとも、高倍率になればなるほど、ブレやすくなりますので、コンパクトとは言え、ある程度安定したホールド感、グリップ感のある筐体は、デザイン以上に優先されてもいいのではないかと考えさせられるものでもありました。

発売当時の価格は６万円半ば。高級コンデジというジャンルが当時にはありませんでしたが、機能としては「半」高級というところでしょうか。現在の感覚からすると価格的には間違いなく高級コンデジといってよいでしょうが、当時の高級コンデジは軽く１０万円オーバー。

手元にはありませんが、パナソニックの今で言う「ネオ一眼」のLUMIX DMC-FZ1が同時期に発売されましたが、こちらも６万円台なかば。そのうちC-730とFZ1の対決をしてみたいと思ったりではあります。

以下、作例です。プログラム撮影ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像はＨＱ（2048×1538）で保存。
＊表題のカメラ筐体の写真およびxDピクチャーカードの写真はiPhone6sで撮影。