日記:あんときのデジカメ:FUJIFILM FinePix F30 2006年 高感度撮影で一歩抜きん出たカメラ

■ 熾烈な開発競争期の2005〜2006年代 
「あんときのデジカメ」を始めてから蒐集したカメラの発売年代でいうと多いのが2005〜2006年の製品。この時期がコンパクト・デジタルカメラが一定の完成度を達成した年代といってよいと思いますが、その時期間における、新機種の登場は、現在の「モデルチェンジ」以上のインパクトがあり、デジタルカメラの競争が非常に激しい時期だったのだなあと感慨を深めております。


■ F11と比較しながら
今回紹介するのは、富士フィルムの2006年に発売されたFinePix F30。「あんときのデジカメ」でも以前紹介したFinePix F11(2005年発売)の後継機で、ウリはISO3200という超高感度撮影が可能ということ、フル解像度でISO3200というのはコンパクト・デジタルカメラとしては当時初とのことで、しのぎを削る開発競争のなかで、フィルムメーカーとしての富士フィルムが確たる技術をもっていることを忍ばせるカメラではないかと思います。
F11と比較すると、まず液晶が大型化し、ボタンやキーなど操作系が一新され、角ばったフォルムが丸みを帯びたボディになり、グリップ感は、F30の方が上出来。すでに発売から10年以上を経た今、同時代的感動がないので、操作系の変更の評価が難しい。ただ慣れの問題もあるのでスルーするとしても、シャッターは幾分軽くなったのではないかと思います。スローシャッター時のブレはF30の方に軍配があがると思います。
一番印象的なのは、高感度時のノイズの軽減。撮影対比はしていないものの、-1段分相当はノイズ低減に成功しているのではないでしょうか。露出優先、シャッタースピード優先モードでの撮影もしやすくなっている。今更10年以上前のカメラを「現役のメインカメラ」として購入する人はいないと思いますが、F11とF30、どちらかを購入するかと悩めば、間違いなくF30で決まるではないでしょうか。

■ 高感度撮影で一歩抜きん出たカメラ
では簡単にスペックをおさらない。撮像素子は1/1.7型有効630万画素スーパーCCDハニカムHR。レンズは35mmフィルムカメラ換算で36−108mmの光学3倍ズームで、解放f値は、F2.8−F5。描写は非常にクリアーかつシャープで、色味はCMOSらしいこってりとした濃度ではなく、CCD的な適度なメリハリが小気味いい。高感度撮影ではISO800までは十分に実用で、当時のコンデジ入門機が最高感度がISO400ぐらいで、200ぐらいから顕著なノイズが現れ、400になるともうダメだめだったことを勘案すると、00年代の高感度競争に関しては、富士フィルムが一歩抜きん出ていたことが理解できます。もちろん、現在のデジタルカメラの方が、同じ状況で撮影した場合、よりノイズは低減されておりますので、それと比べるような酷な言及は言いっこなしってことでOK。

発売当時は実売がだいたい40000円。確かに高性能コンパクト・デジタルカメラなら納得のできる価格ですが、これがもはや2000円でお釣りが来る時代。何度も繰り返しになりますが「これでのいいのかどうなのか」非常に悩むことがあります。それに加えて、この時代以降に発売された新商品を買い替え続けていくことにも意味があるのかなあとも思ったりです。

以下、作例。プログラム撮影、ISOオート、WBA、露出補正なし。画像は2848×2136ピクセルで保存。筐体はiPhone6sで撮影。




↑ 光学広角端36mmで撮影(A)。


↑ (A)を光学望遠端108mmで撮影。


↑ 光学広角端36mmで撮影(B)。


↑ (B)を光学望遠端108mmで撮影。


↑ (B)をデジタルズーム6.2倍・223mmで撮影。













Playing old digital camera FUJIFILM FinePix F30 2006 | Flickr

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