日記：あんときのデジカメ：Nikon COOLPIX P1 ニコンらしいカメラ過ぎて面白くない 2005年製

■　PはPerformanceの意
このところnikon機が続き、恐縮ですが、ひょんなことから手に入れたNikon COOLPIX P1を晩冬から春にかけて２ヶ月ほど使ってみました。2005年の製造ですから、もうコンパクトデジタルカメラとしては、各社ともにその基礎の基礎は出来上がっている時期ですから、画素数やレスポンスなどに「その時代の感覚」という「トロさ」みたいなものはありますが、使用には全く問題のないカメラの一つということになります。
その分、面白さに欠けるという点は否めませんが、このP1、いったいどのクラスに位置づければよいのかどうか、正直悩むカメラでもあります。
nikonでは通常、Pとは通常Professionalの「P」を表し、例えば35mmフィルム一眼レフの銘機F3にPがつくと、報道でよく使用されたようにペンタプリズムの上にホットシューがついたような、まあ「プロ」仕様になるわけで、デジタル時代においても、コンパクトデジタルカメラだと、2007年発売のP5000以降だと、まさに上位クラスを意味するカメラが連作されていきますが、どうやらデジタル時代では、P1のPもP5000のPも「Performance」との意味で、「撮影機能や操作性を追求したシリーズ」となっているようです。ちなみに今回紹介するP1は、P5000以降の系列とは別で、後継機のP2で打ち止めになっているという謂わば不思議なナインナップといってよいのですが、発売時のフレコミは、世界で初めて「デジカメに無線LAN内蔵」というのがウリ文句だったようです。

■　たしかに使いやすい2005年代のデジタルカメラ
先にも言及したとおり、2005年代のデジタルカメラは、カメラとして完成している時代になるので面白みに欠けるのですが、このnikonのP1は、従来型のnikonのぼってりとしたデザインを踏襲しているので、カメラのデザインとしても面白みにかけます。ただし、そのぼってりとしたデザインのおかげで、ホールディングがよく、予想以上に手ブレにしくいことに、やっぱりカメラはデザインではないんだよなーと改めて実感した次第です。ちょうど、すでに紹介している2001年のCOOLPIX 5000と並行して使っていたのですが、その5年間のイノベーションにはおどろく他なく、「たしかに使いやすい」というものです。
液晶も5000だと1.8型ですが（これでも当時は大きかった！）、P1になると、2.5型と大きく（といっても現行機種と比べると小さいですが！）、趣味で古いカメラを使うのではなく、常用できるという意味では、やはり2005年以降ぐらいになるのかなあと思ったりです。この辺が、同じカメラといっても35mmフィルムカメラだと使い方を知っているのであれば、ライカのIIIｆなんかだとすでに70年近く前のカメラなのに現役で使うことが可能なので、デジタルと銀塩はここらへんがやっぱり違うのだなあと思ったりです。

■　ニコンらしいカメラ過ぎて面白くない
でわ、簡単にスペックをおさらい。撮像素子は、８００万画素1/1.8型原色CCD。1/1.8型なので、先にどのクラスにこのカメラを位置づけるか悩むといいましたが、センサー的には上位クラスのカメラで、非常にカッチリとしたニコンらしい写りです。レンズは、35mmフィルムカメラ換算で36〜126mm（F2.7−5.2）の３．５倍ズームニッコールレンズ。広角端があんまり広角でないことと、望遠端が暗いということを除けば、こちらもセンサー相応のニコンらしい絵作り。撮影モードにはフルオートのほか、プログラムと絞り優先の露出モードがあり、にぎやかな設定のシーンモードが搭載されており、殆ど使わないのですけど、ああ、こういうモードあったよなあなどと思ったりです。
全体として、ハイエンドというにはちょっと足らず、エントリークラスというには、なかなかどうしてというカメラで、カメラの（購入層をどこに絞るかという）「設定」としては、中途半端な印象が拭えませんが、ニコンのニコンらしいカメラとしての完成度は非常に高く満足のいく絵作りのできるコンパクトデジタルカメラという使用感です。
　なので、贅沢に言えば、カメラとして面白くないカメラというところでしょうか。
　あっ、ちなみに世界で初めて搭載された「無線LAN」機能は試していないです（汗