2014-07-25から1日間の記事一覧

覚え書:「書評:現代アート経済学 宮津 大輔 著」、『東京新聞』2014年07月20日(日)付。

- 現代アート経済学 宮津 大輔 著 2014年7月20日 ◆効率化に揺らぐ芸術 [評者]藤田一人=美術ジャーナリスト もはやゴッホのような芸術神話は成立しない。そう本書は主張する。なぜなら今日の芸術に求められているのは、孤高なる芸術家の才能にも増して、ア…

覚え書:「書評:暴力的風景論 武田 徹 著」、『東京新聞』2014年07月20日(日)付。

- 暴力的風景論 武田 徹 著 2014年7月20日 ◆見る者を呪縛する力暴く [評者]上野昂志=評論家 風景とは何か? 著者は「世界観」や「物語」との近縁性も挙げるが、風景のあり様としては以下の言がもっとも適切だと思われる。すなわち「『風景』がひとたび視…

覚え書:「書評:ボラード病 吉村 萬壱 著」、『東京新聞』2014年07月20日(日)付。

- ボラード病 吉村 萬壱 著 2014年7月20日◆繋がれ生きる人間の慟哭 [評者]横尾和博=文芸評論家 私たちは、見えない鎖に繋(つな)がれている。巧妙で柔らかなファシズムの時代に生きている。「ボラード」とは、港で船を係留する繋船柱(けいせんちゅう)…

書評:ボリス・シリュルニク(林昌宏訳)『憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜』吉田書店、2014年。

ボリス・シリュルニク(林昌宏訳)『憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜』吉田書店、読了。6歳の時、占領下のフランスでナチに逮捕されたが、逃亡し、後に苦労して精神科医となった著者が自らの人生から導き出した教訓が本書の邦題だ。こ…