心理学

書評:ボリス・シリュルニク(林昌宏訳)『憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜』吉田書店、2014年。

ボリス・シリュルニク(林昌宏訳)『憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜』吉田書店、読了。6歳の時、占領下のフランスでナチに逮捕されたが、逃亡し、後に苦労して精神科医となった著者が自らの人生から導き出した教訓が本書の邦題だ。こ…

書評:松田美佐『うわさとは何か ネットで変容する「最も古いメディア』中公新書、2014年。

松田美佐『うわさとは何か ネットで変容する「最も古いメディア』中公新書、読了。「根も葉もない」とも「火のないところに煙は立たぬ」と両義性をもって扱われるのがうわさ。対極の受容ながらどこか今ひとつわかりにくい。本書は古典的研究を踏まえた上で「…

書評:立木康介『露出せよ、と現代文明は言う 「心の闇」の喪失と精神分析』河出書房新社、2013年。

立木康介『露出せよ、と現代文明は言う 「心の闇」の喪失と精神分析』河出書房新社、読了。全てを晒そうとする欲望と内面の露出が人間を突き動かしている。現代文明の特徴とは「露出」ではないか−−挑発的な現代批評だが肯きながら読んだ。躍起になってベール…