2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「論壇時評 現代の保守 「大日本帝国の虚妄」でなく 歴史社会学者・小熊英二」、『朝日新聞』2017年05月25日(木)付。

- 論壇時評 現代の保守 「大日本帝国の虚妄」でなく 歴史社会学者・小熊英二 2017年5月25日 「昭和四十八(一九七三)年十月、自分は何を考え生きていたのだろう。……ギターを弾くことにしか興味のなかった小僧は肩まで髪を伸ばし、流行(はや)っていたかぐ…

覚え書:「ほじくりストリートビュー [著]能町みね子 [評者]宮田珠己(エッセイスト)」、『朝日新聞』2017年08月06日(日)付。

- ほじくりストリートビュー [著]能町みね子 [評者]宮田珠己(エッセイスト) [掲載]2017年08月06日 ■言葉にできない気になる風景 観光地でもなんでもない街角でふと、あ、この場所いい、と思うことがある。それは必ずしも一般に美しいとされる景色とは限ら…

覚え書:「Mr.トルネード−藤田哲也 世界の空を救った男 [著]佐々木健一 [評者]椹木野衣 (美術評論家)」、『朝日新聞』2017年08月06日(日)付。

- Mr.トルネード−藤田哲也 世界の空を救った男 [著]佐々木健一 [評者]椹木野衣 (美術評論家) [掲載]2017年08月06日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■原爆調査から航空機事故防止へ 旅客機の離着陸は、いつも緊張する。過去に多くの墜落事故が起きた…

覚え書:「歴史の逆襲−21世紀の覇権、経済格差、大量移民、地政学の構図 [著]ジェニファー・ウェルシュ [評者]立野純二(本社論説主幹代理)」、『朝日新聞』2017年08月06日(日)付。

- 歴史の逆襲−21世紀の覇権、経済格差、大量移民、地政学の構図 [著]ジェニファー・ウェルシュ [評者]立野純二(本社論説主幹代理) [掲載]2017年08月06日 ■市民の奮起で不平等の是正を ポスト冷戦の現代史は、「民主主義」の激しい盛衰の物語といっていい…

日記:動物、植物、およびほかの生体を扱うときには、その生き物の尊厳を尊重しなければならない

- 問うべきは、人間が必要以上に森林生態系を自分のために利用していいのか、木々に不必要な苦しみを与えてしまってもいいのか、ということだろう。家畜と同じで、樹木も生態を尊重して育てた場合にだけ、その木材の利用は正当化される。要するに、樹木には…

覚え書:「折々のことば:757 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年05月18日(木)付。

- 折々のことば:757 鷲田清一 2017年5月18日 私は、私の舌と胃袋のありようが気にくわなくなったのだ。 (辺見庸) ◇ 食わねば死ぬ。食うことには命が懸かっている。金を出せば何にでもありつける社会では、身体もこの厳しい事実を忘れている。作家・ジ…

覚え書:「「大衆」と「市民」の戦後思想−藤田省三と松下圭一 [著]趙星銀 [評者]齋藤純一(早大教授)」、『朝日新聞』2017年08月06日(日)付。

- 「大衆」と「市民」の戦後思想−藤田省三と松下圭一 [著]趙星銀 [評者]齋藤純一(早大教授) [掲載]2017年08月06日 ■社会の民主的成熟に向けて議論 藤田省三と松下圭一は、戦後間もなく丸山眞男のもとで学び、1950年代後半から80年代にかけて民主主義…

覚え書:「カストロの尻 [著]金井美恵子 [評者]末國善己(文芸評論家)」、『朝日新聞』2017年08月06日(日)付。

- カストロの尻 [著]金井美恵子 [評者]末國善己(文芸評論家) [掲載]2017年08月06日 ■芥川的で谷崎的な快楽を味わう 金井美恵子の新作は、谷崎潤一郎や後藤明生らの文章を引用しながら「小説家の『幸福』」について書くエッセイから始まるが、文体も内容も…

覚え書:「土偶界へようこそ−縄文の美の宇宙 [著]譽田亜紀子 [評者]野矢茂樹(東大教授)」、『朝日新聞』2017年08月06日(日)付。

- 土偶界へようこそ−縄文の美の宇宙 [著]譽田亜紀子 [評者]野矢茂樹(東大教授) [掲載]2017年08月06日 [ジャンル]歴史 人文 ■造形美、かきたてる想像力 縄文のビーナスって知ってますか? 国宝土偶の第一号である。知らないという人、こっちにいらっしゃい…

覚え書:「憲法を考える 報道、これでいいのか 石橋学さん、林香里さん、山崎拓さん」、『朝日新聞』2017年05月23日(火)付。

- 憲法を考える 報道、これでいいのか 石橋学さん、林香里さん、山崎拓さん 2017年5月23日 憲法が保障する「言論の自由」。ネット空間にはフェイクの情報が飛び交い、報道への不信や抑圧も増している。いま、マスメディアに求められているものとは。 ■信じる…

覚え書:「政治断簡 9条の「政局化」首相のリスク 編集委員・国分高史」、『朝日新聞』2017年05月22日(月)付。

- 政治断簡 9条の「政局化」首相のリスク 編集委員・国分高史 2017年5月22日 安倍晋三首相は、憲法改正論議を「政局化」した。 これが5月3日に首相が出した「9条改正」メッセージの本質である。 政局化とはどういうことか。自民、公明、日本維新の会の3…

覚え書:「【東京エンタメ堂書店】<小林深雪の10代に贈る本>言葉も味わう「食」の本」、『東京新聞』2017年08月28日(月)付。

- 【東京エンタメ堂書店】<小林深雪の10代に贈る本>言葉も味わう「食」の本 2017年8月28日 あなたは、今日、なにを食べましたか? 人は食べなければ死んでしまう。つまり、食べることは生きること。生きることは食べること。心に栄養をくれる、美味(お…

覚え書:「【書く人】不器用でも生きている 『きょうの日は、さようなら』 作家・石田香織さん(41)」、『東京新聞』2017年08月13日(日)付。

- 【書く人】不器用でも生きている 『きょうの日は、さようなら』 作家・石田香織さん(41) 2017年8月13日 写真 「人間って土壇場になると突拍子もないことを急に言うんですね。例えば浮気相手との写真が妻に見つかった男性が、とっさにどんな言い訳をす…

覚え書:「書評:アジアの思想史脈 アジアびとの風姿 山室信一 著」、『東京新聞』2017年08月06日(日)付。

- アジアの思想史脈 アジアびとの風姿 山室信一 著 2017年8月6日 ◆近代日本のデザイン再考 [評者]安藤礼二=文芸評論家 同時に刊行されたこの二冊の書物には、ともに「近現代アジアをめぐる思想連鎖」という一つのシリーズ名が与えられている。いわゆる、…

日記:こういうふうに思想は書き換えられていく

「核あるいは原子爆弾の実験禁止運動が、今、世界に起こっているが、私は、その奥に隠されているところの爪をもぎ取りたいと思う。」戸田先生は「禁止運動の奥に隠されている爪」と、当時運動を主導していた共産党を明確に批判している。共産党のデモや活動…

覚え書:「みちのものがたり 地下網 東京都 「もうひとつの東京がある」」、『朝日新聞』2017年05月13日(土)付土曜版Be。

- みちのものがたり 地下網 東京都 「もうひとつの東京がある」 2017年5月13日 【360度動画】渋谷川周辺の再開発 建設中の地下広場=樫山晃生撮影 写真・図版 大規模な再開発で生まれ変わる渋谷駅周辺。東口で地下広場の建設工事が進む=東京都渋谷区 地…

覚え書:「書評:忘れられた黒船 後藤敦史 著」、『東京新聞』2017年08月06日(日)付。

- 忘れられた黒船 後藤敦史 著 2017年8月6日 ◆米国の大きな歴史観示す [評者]平川祐弘=東京大名誉教授 よく知られている通り、ペリー提督は一八五三年七月に浦賀にあらわれ、翌五四年三月に日米和親条約を締結して去った。ついでアメリカ合衆国は北太平洋…

覚え書:「書評:天狗の回路 中上紀 著」、『東京新聞』2017年08月06日(日)付。

- 天狗の回路 中上紀 著 2017年8月6日 ◆血族の物語への反転 [評者]木村朗子(さえこ)=津田塾大教授 小説家だった父の異母妹の娘で、綾の従妹(いとこ)にあたる美貴とSNSでつながると「親戚の誰彼から聞いたこととも、父が小説に書いたこととも、異な…

覚え書:「書評:ブラック奨学金 今野晴貴 著」、『東京新聞』2017年08月06日(日)付。

- ブラック奨学金 今野晴貴 著 2017年8月6日 ◆勉強のための制度を [評者]吉田司=ノンフィクション作家 働きながら学ぶ一部の貧困学生をむかしは<苦学生>と呼んだ。しかし学費高騰と経済格差、非正規雇用が横行する現代の大学生はその約四割が日本学生支…

覚え書:「そこが聞きたい 憲法施行70年 東京大名誉教授・樋口陽一氏」、『毎日新聞』2017年05月22日(月)付。

- そこが聞きたい憲法施行70年 東京大名誉教授・樋口陽一氏毎日新聞2017年5月22日改憲、政治の作法問われる 日本国憲法施行70年の3日、安倍晋三首相がビデオメッセージで9条改正と改正憲法の2020年施行を目指す考えを示し、論議を呼んでいる。現行…

覚え書:「みちのものがたり 花森安治の「雑誌道」 東京都 マルチ・おしゃれ、希代の人物」、『朝日新聞』2017年05月20日(土)付土曜版Be。

- みちのものがたり 花森安治の「雑誌道」 東京都 マルチ・おしゃれ、希代の人物 2017年5月20日 花森安治(右下)が編集した初号から第2世紀53号まで153冊の「暮しの手帖」。花森は表紙のデザインも手がけた 靴下や毛布、ストーブなど所帯じみた品々が…

覚え書:「コミック 凪のお暇(1) [作]コナリミサト」、『朝日新聞』2017年08月06日(日)付。

- コミック 凪のお暇(1) [作]コナリミサト 2017年08月06日 ■断捨離しきれないもの、軽妙に ストレスの多い職場。うまく立ち回れない自分。すっぱりと辞めてしまったら、どんなに気持ちがいいだろう。 窒息しそうな苦しい人間関係に音を上げ、ついに会社…

覚え書:「コミック サトコとナダ(1) [作]ユペチカ [監修]西森マリー」、『朝日新聞』2017年07月23日(日)付。

- コミック サトコとナダ(1) [作]ユペチカ [監修]西森マリー 2017年07月23日 ■米国留学で出会ったイスラム文化 日本人にとってはまだまだなじみ深いとは言えないイスラム文化。ニカブとヒジャブとチャドルとブルカの違いがわかる人もそう多くはないだ…

覚え書:「コミック ルポルタージュ(1) [作]売野機子」、『朝日新聞』2017年07月16日(日)付。

- コミック ルポルタージュ(1) [作]売野機子 2017年07月16日 ■面倒な恋愛をすっ飛ばす近未来で 極端な合理化が進んだ先にはこんな未来が待っているのだろうか? 本作の舞台はないとはいえない近未来だ。 2033年、世間では面倒な恋愛をすっ飛ばし、…

日記:竜虎邂逅

日常ネタといいますか、個人史にふくまれるエントリーですが、記録として残しておきます。 今日は、人生の大先輩といってよい霊性・知性ともピカイチ、そして浮世の荒波を乗り越えて「生き残ってきた」人士の方と邂逅しました。人間、まじめに真正面から真剣…

覚え書:「折々のことば:754 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年05月15日(月)付。

- 折々のことば:754 鷲田清一 2017年5月15日 そうですか。暗さには慣れてますか (ある哲学教授) ◇ 旧制五高時代、哲学の教授が学校を去ると知った学生たちが、最終講義の続きを聴こうと自宅に押しかけた。夜半、辞去する際に教授に「暗いから気をつけ…

覚え書:「コミック マチビト [作]石原まこちん」、『朝日新聞』2017年07月09日(日)付。

- コミック マチビト [作]石原まこちんコミック マチビト [作]石原まこちん 2017年07月09日 ■ニート息子の、父の入院付き添い記 近頃は友達親子も多いらしいが、思春期から親と没交渉のまま大人になってしまった人も少なくないはず。特に父と息子の関係…

覚え書:「ビジネス ビール「営業王」 社長たちの戦い [著]前野雅弥」、『朝日新聞』2017年08月20日(日)付。

- ビジネス ビール「営業王」 社長たちの戦い [著]前野雅弥ビジネス ビール「営業王」 社長たちの戦い [著]前野雅弥 2017年08月20日 ■「勝てる営業」の極意は共感力に アサヒビールの平野伸一、キリンビールの布施孝之、サントリー酒類の小島孝、サッポ…

覚え書:「ビジネス OPTION B—逆境、レジリエンス、そして喜び [著]シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント」、『朝日新聞』2017年08月13日(日)付。

- ビジネス OPTION B—逆境、レジリエンス、そして喜び [著]シェリル・サンドバーグ、アダム・グラントビジネス OPTION B—逆境、レジリエンス、そして喜び [著]シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント 2017年08月13日 ■「次善の選択肢」…

覚え書:「発禁本の歴史、生々しく 『城市郎文庫』目録完成 明治〜昭和、処分根拠の資料も」、『朝日新聞』2017年05月20日(土)付。

- 発禁本の歴史、生々しく 「城市郎文庫」目録完成 明治〜昭和、処分根拠の資料も 2017年5月20日城市郎文庫の「筆禍本」の一部。恋愛小説や偽書から5・15事件の軍法会議記録まで幅広い=東京・お茶の水の明治大 明治大学図書館が所蔵する、明治時代以降の…