宗教間対話

絶対的正義の主張は、血と涙に濡れた無用の犠牲を生む

- 絶対的正義の理念は幻想であり、存在するのは利益・利益衝突・闘争や妥協によるその解決のみである。合理性の領域に存在するのは正義でなく平和である。しかしたんなる妥協・たんなる平和に尽きない正義への希求・憧憬、高次の、至高の、絶対的な価値への…

宗教と迷信との間の主なる相違は、迷信は無智を基礎とし、宗教は智慧を基礎とする点にあるということ

- 書簡七十三 スピノザからオルデンブルクへ 書簡七十一への返事 次に奇蹟に関して申せば、私は反対に、神の啓示の確実性はその教説の智慧の上にのみ築かれ得るのであって、奇蹟即ち無智の上には築かれ得ないと確信します。これは私が、神学・政治論の第六章…

宗教の真正さを試すべき試金石はどこにあるのか。

- レッシングの『賢者ナータン Nathan der Weise』の指環の物語は、宗教の究極的な最奥の真理がもはや外面的にではなく内面的にのみ立証されることを現している。歴史的事実による経験的な証明であれ、抽象的な論拠にもとづく論理的・形而上学的証明であれ、…

【覚え書】一つの宗教を信仰している者が、他の宗教に対して取る態度

- 一つの宗教を信仰している者が、他の宗教に対して取る態度は、宗教の基本性格たる絶対性によって示されるであろう。宗教的絶対者は、対立の地平たる相対性を底へと超えることによって、対立を絶し、対立するもの同士をそこから包みささえるのである。 宗教…