宗教間対話

覚え書:「インタビュー 創価学会はどこへ 創価学会会長・原田稔さん」、『朝日新聞』2016年09月22日(木)付。

- インタビュー 創価学会はどこへ 創価学会会長・原田稔さん 2016年9月22日 「東京大空襲で焼け出されました。戦争の悲惨さは忘れません」=早坂元興撮影 理想を掲げる宗教。現実の世界を動かす政治。創価学会=キーワード=はその二つの領域に関わる。巨大…

日記:「豚に真珠」は今では立派な「日本語」のことわざです。しかしこれは、聖書に由来する言葉。即ち、聖書が日本に再渡来する以前には、日本にはなかった言葉です

ヨハネ言ふ『師よ、我らに從はぬ者の、御名によりて惡鬼を逐ひ出すを見しが、我らに從はぬ故に、之を止めたり』 イエス言ひたまふ『止むな、我が名のために能力ある業をおこなひ、俄に我を譏り得る者なし。 我らに逆はぬ者は、我らに附く者なり。 キリストの…

日記:今、必要とされる「グローバルな市民社会と市民宗教の可能性」

- たとえ国家レベルでも、連帯は脆弱であり、人間は恐怖から敵とされた者に対して負の連帯をするほうが容易である。たしかに世俗的な哲学には、そのことを扱う方法がある。しかし私が論じてきたように、真に地球的規模での連帯の感覚を強化して一般化する能…

日記:そもそもムスリムの女性のスカーフやヴェールが、「イスラームという宗教のシンボル」であるか

- フランスもまた、9.11以降の反イスラーム感情をレイシズムとは把握できない国のひとつである。この国では1990年代の初めから、ムスリムの市民が「イスラーム性」を公的空間で示すことに大きな苛立ちがあった。具体的には、公立の中学校やリセに、…

覚え書:「今週の本棚:昨日読んだ文庫 中村元『原始仏典を読む』岩波現代文庫=植木雅俊」、『毎日新聞』2015年04月05日(日)付。

- 今週の本棚 昨日読んだ文庫 植木雅俊 本来の仏教について知りたい人に薦めたいのに長年、絶版状態だった中村元著『原始仏典を読む』(岩波現代文庫)が昨年九月復刊され、改めて名著の思いを新たにした。 大学時代、極度の自己嫌悪に陥っていた時、中村訳…

拙文:「読書 大賀祐樹『希望の思想 プラグマティズム入門』筑摩選書 連帯と共生への可能性を開く」、『聖教新聞』2015年03月28日(土)付。

- 読書 希望の思想 プラグマティズム入門 大賀祐樹 著連帯と共生への可能性を開く 現代思想の諸潮流の中でプラグマティズムほど不当な扱いを受けたものはない。実用主義の訳語は早計すぎて“浅い”という印象をあたえる。著者はパース、ジェイムズ、デューイと…

覚え書:「マララさんのノーベル平和賞受賞演説<要旨>」、『朝日新聞』2014年12月11日(木)付。

- マララさんのノーベル平和賞受賞演説<要旨> 2014年12月11日 (写真キャプション)ノルウェー・オスロで10日、ノーベル平和賞のメダルを掲げるマララ・ユスフザイさん=AP 今年のノーベル平和賞に選ばれたパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)…

拙文:「読書:井上順孝編『21世紀の宗教研究』平凡社 刺激に富む先端科学との邂逅」、『聖教新聞』2014年11月22日(土)付。

- 読書 21世紀の宗教研究 井上順孝編 刺激に富む先端科学との邂逅 「科学的」という評価が合理的な価値あるものと見なされる現代。その対極に位置するのが宗教だ。宗教を迷信と捉えず、「宗教とは何か」を科学的に探究するのが宗教学の出発だったが、学の…

覚え書:「教員採用:性的指向や宗教質問 心理テスト、4自治体使用」、『毎日新聞』2014年11月16日(日)付。

- 教員採用:性的指向や宗教質問 心理テスト、4自治体使用 毎日新聞 2014年11月16日 2013年に行われた教員採用試験の適性検査を巡り、山梨県や山形県など少なくとも4自治体の教育委員会が、性的指向や宗教についての質問を含む心理テストを使用していた…

日記:「キリスト者である前に日本人である」云々式の精神論の問題

日本的精神風土に対峙してきたのが、(実際のところ、メインストリームではない・涙)「自律」したキリスト者たちの血涙の系譜になるから、その超越的な警世批判には、いつも憧憬する。それは、内村鑑三しかり、南原繁しかり、矢内原忠雄しかり、柏木義円し…

日記:英語のネイティブスピーカーはなぜ白人だけに限定されなければならないのか。

よく思うのだけど、どこまで白人に対する愛憎まみれた卑屈さを持ち、その鬱憤を返す刀の如き形で、アジア蔑視へと注ぎ込む。人間は相互に平等ではなかったのか(今更だけど。卑屈と蔑視であたかも中庸に位置する如き錯覚として自己を序列化する発想は卒業し…

拙文:「読書 宗教とグローバル市民社会 ロバート・N・ベラー、島薗進、奥村隆編・岩波書店」、『聖教新聞』2014年09月27日(土)付。

- 読書 宗教とグローバル市民社会 ロバート・N・ベラー、島薗進、奥村隆編偏狭な国家主義への憂慮 一昨年秋、宗教社会学の巨人ロバート・ベラーは85歳の恒例にもかかわらず来日し、立教大学などで精力的に講演した。本書は、その講演・シンポジウムの内容…

書評:ブルース・ローレンス(池内恵訳)『コーラン』ポプラ社、2008年。

ブルース・ローレンス(池内恵訳)『コーラン』ポプラ社。イスラームの聖典は一人のアラブ商人が受けた啓示から始まり、長い年月を経て人々に広がり、解釈され強大な信仰となった。その成り立ちと変遷を辿る本書は初学者の最初の一冊に相応しい。巻末に塩野…

覚え書:「発言:海外から ネットで対話から信頼へ=朴裕河」、『毎日新聞』2014年03月12日(水)付。

- 発言 海外から ネットで対話から信頼へ 朴裕河(パクユハ) 世宗大教授 昨春、日本語のツイッターを始めた。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)会長が「朝鮮半島有事の際は朝鮮人狩りに出る」と発言した時からだ。主に植民地支配や従軍慰安婦問題な…

日記:「全国のホテルに古事記を置こう!」プロジェクトのいかがわしさについて……

竹田研究財団が『古事記』編纂1300年を記念して「全国のホテルに古事記を置こう!」プロジェクトを立ち上げたそうですが、少しだけコメンタリーを残しておこうと思います。同webによると概要は次の通り。 - 一般財団法人竹田研究財団 『古事記』編纂1300年記…

書評:マーク・ユルゲンスマイヤー(立山良司監修、古賀林幸、櫻井元雄訳)『グローバル時代の宗教とテロリズム いま、なぜ神の名で人の命が奪われるのか』明石書店、2003年。

マーク・ユルゲンスマイヤー『グローバル時代の宗教とテロリズム いま、なぜ神の名で人の命が奪われるのか』明石書店、読了。宗教は本来、暴力に終止符を打ち、平和と秩序をもたらすものだが、「平和」を実現するために戦っているのが宗教の歴史。本書は、宗…

書評:月村太郎『民族紛争』岩波新書、2013年。

- ここに、フランスの思想家、エルネスト・ルナンの有名な文章がある。 「国民とは、したがって、人々が過去においてなし、今後もなおなす用意のある犠牲の感情によって構成された大いなる連帯心なのです。それは過去を前提はします。だがそれは、一つの確か…

覚え書:「時代の風:宗教と民主主義=仏経済学者・思想家、ジャック・アタリ」、『毎日新聞』2013年03月03日(日)付。

- 時代の風:宗教と民主主義=仏経済学者・思想家、ジャック・アタリ 毎日新聞 2013年03月03日 東京朝刊 ◇過激主義を恐れるな 西アフリカのマリで、イスラム過激派勢力の拡大に対しフランス軍などが軍事介入した。マリで起きていることは私たちが直面する多く…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『パレスチナ問題とキリスト教』 著者・村山盛忠さん」、『毎日新聞』2013年01月20日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『パレスチナ問題とキリスト教』 著者・村山盛忠さん (ぷねうま舎・1995円) ◇身に刺さったトゲに向き合って−−村山盛忠(むらやま・もりただ)さん 昨年11月に国連のオブザーバー国家となったパレスチナ、反発するイスラエル−−…

書評:柴原三貴子『ムスリムの女たちのインド 増補版』木犀社、2012年。

- 幼いころ両親を亡くし親戚の家で育った夫と結婚したチャビーラおばさんは、舅や姑との関係に苦労しなかった代わりに、夫が親から受け継ぐ農地も住む家もなかった。マクドゥミアを家に建てるだけの小さな土地を買い、ボンベイで働く夫の帰りを待ちながら、…

書評:内田樹『呪いの時代』新潮社、2011年。

相互の違いを踏まえた上で合意形成を目指す気などさらさらない…これが現在の言語空間の支配的体質ではないだろうか。相手を屈服させる為だけに捻出される無数の言葉はまるで「呪詛」のようである。本書は雑誌連載のエッセイを纏めた一冊だが、「呪い」を切り…

研究ノート:日蓮のもつバイタリティ 中村元×鶴見俊輔対談より

- これからの仏教 鶴見 少し話がずれるんですが、そういうふうに世界を見渡して考えると仏教はどういう方向へといくんですか。 中村 やはり若干の特徴が現れています。まず一つは、超宗派性です。古い昔からの宗派というのがその区別の意味をもたなくなりま…

書評:「植木雅俊『思想としての法華経』(岩波書店)、『第三文明』2013年2月、95頁。

- 法華経の神髄をえぐりだし、研究史を画する一書 著者は、サンスクリット原典から『法華経』、『維摩経』の画期的な訳業を世に送り、その明晰(めきせき)な訳文と創意に富む訳注は仏教学に新たな息吹(いぶき)を吹き込んだことで知られる。 本書は、これ…

絶対性がなくなると宗教は自己崩壊してしまう。しかし同時に自分と異なる信仰を持つ人もそう思っている

- さて、今日では、冷戦体制が崩壊してしまったので、イデオロギー対立による全面戦争の危機は逼迫したリアリティを持たなくなってしまったが、互いに不寛容になった諸宗教間の対立が、世界各地で目立つようになっている。こうした状況を考えると、たとえヒ…

この宗教は暴力的で、あの宗教は平和的か??? 戯れ言も程々にしろよ。

- 元来宗教は動(やや)もすると「一種の党派」になり、「いくら自分では公平なつもりでも識らず/\に自分の宗旨に肩をもち」たがるものである(大庭氏訳一六七頁)。併し少しく聡明を開いて考へて見れば、斉しく是れ一人の神の光の反映ではないか。修道院…

書評:タミム・アンサーリー(小沢千重子訳)『イスラームから見た「世界史」』紀伊國屋書店、2011年。

もっとも新しい世界宗教としてのイスラームの歴史と生活。平板な認識を更新する一書タミム・アンサーリー(小沢千重子訳)『イスラームから見た「世界史」』紀伊國屋書店、2011年。 日本と西洋社会に共通している問題とは何か。それはその両者の間に広く・深…

書評:テリー・イーグルトン(大橋洋一)『テロリズム 聖なる恐怖』岩波書店、2011年。

人間の本質に内在する聖なるものの二面性に注目テリー・イーグルトン(大橋洋一)『テロリズム 聖なる恐怖』岩波書店、2011年。「いかなる支配形式も理性形式も、みずからの核心にある非理性の要素にしかるべき敬意を払う」。2001年の9・11以降、テロの連…

宗派は或る団体の専有物ではない。之に値する何人にも恵まるべきものである。丁度神様はすべての人類の神様である様に。

- 元来宗教は動(やや)もすると「一種の党派」になり、「いくら自分では公平なつもりでも識らず/\に自分の宗旨に肩をもち」たがるものである(大庭氏訳一六七頁)。併し少しく聡明を開いて考へて見れば、斉しく是れ一人の神の光の反映ではないか。修道院…

覚え書:「社説:国内でも宗教間摩擦 問われる共生の理念」、『中外日報』2011年10月22日(土)付。

- 社説:国内でも宗教間摩擦 問われる共生の理念 2011年10月22日 現在日本にあるモスクは60を超えている。他の建物を転用したのではなく、最初から礼拝専用に建てられたものは、マスジドとかジャーミイなどと呼ばれる。東京ジャーミイや神戸マスジドなどは、…

資料:石川県金沢市「モスク計画に住人反対」の諸紙報道

- 金沢にモスク建設 射水の宗教法人金沢市若松町でモスク建設を進めている富山モスクの礼拝堂=射水市内 金沢市若松町に、石川県内で初めてのイスラム教礼拝施設「モスク」が建設されること が、27日までに分かった。宗教法人富山モスク(射水市)が金沢支…