覚え書:「擬人化カエル、平泉にも 『鳥獣人物戯画』そっくり 同時期の作か」、『毎日新聞』2013年01月27日(日)付。




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柳之御所遺跡:擬人化カエル、平泉にも
毎日新聞 2013年01月27日

岩手県平泉町柳之御所遺跡で発見されたカエルが描かれた木片=共同

 奥州藤原氏の政務の拠点があった岩手県平泉町の国指定史跡「柳之御所遺跡」から、擬人化されたカエルが墨で描かれた木片が見つかり、県教育委員会が25日、発表した。国宝「鳥獣人物戯画」(平安−鎌倉時代)に似ており、同時に出土した遺物から12世紀後半のものと推定されるという。

 鳥獣人物戯画を所有する高山寺京都市)は「擬人化した動物の絵が、同時期に存在していた例は聞いたことがない」と話し、県教委も「当時最先端の都の文化が、ほぼ同時期に平泉まで伝わっていたことを示す貴重な資料。奥州藤原氏について知る手掛かりにもなる」としている。

 県教委によると、木片は縦10センチ、横4センチで「折敷(おしき)と呼ばれる盆の断片。擬人化されたカエルが右手に扇、左手にススキのようなものを持った絵が描かれていた。
 絵の左側に片仮名とみられる文字があったが、判読できていない。折敷として使われた後に、絵が描かれたと見られる。木片はその後、再加工されたらしく、カエルの絵も右側が切れている。
 鳥獣人物戯画には似たような構図のカエルやウサギの絵がある。筆致などから今回発見された絵は、専門の絵師ではなく、武士や僧侶などが描いた可能性が高いという。
 木片は昨年10月下旬、柳之御所遺跡を囲む堀があった場所から出土した。2013年度以降に一般公開する予定。
    −−「擬人化カエル、平泉にも 『鳥獣人物戯画』そっくり 同時期の作か」、『毎日新聞』2013年01月27日(日)付。

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http://mainichi.jp/select/news/20130127k0000m040116000c.html






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