2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「社説 72年目の8月15日 色あせぬ歴史の教訓」、『朝日新聞』2017年08月15日(火)付。

- 社説 72年目の8月15日 色あせぬ歴史の教訓 2017年8月15日 あの戦争のころ、世の中はどんな色をしていたのか。 世界のすべてがモノクロームだったようなイメージがある。そう話す若者たちがいる。目にする空襲や戦地の映像はどれもモノクロだから、と…

覚え書:「巨大なる空転―日本の精神科地域処遇はなぜ進まないのか [著]中澤正夫 [評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)」、『朝日新聞』2017年11月26日(日)付。

- 巨大なる空転―日本の精神科地域処遇はなぜ進まないのか [著]中澤正夫 [評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論) [掲載]2017年11月26日 こんな無茶苦茶(むちゃくちゃ)な時代が、ほんの五〇年前にあったのだ。一九六九年、金沢での第六六…

覚え書:「遅れ時計の詩人―編集工房ノア著者追悼記 [著]涸沢純平 [評者]蜂飼耳(詩人・作家)」、『朝日新聞』2017年11月26日(日)付。

- 遅れ時計の詩人―編集工房ノア著者追悼記 [著]涸沢純平 [評者]蜂飼耳(詩人・作家) [掲載]2017年11月26日 関西の重要な文芸専門出版社・編集工房ノアは、独自の判断と価値観を貫いてきた。本書は、その社主である涸沢(からさわ)純平が折に触れて綴(つづ…

覚え書:「アーダ(上・下) [著]ウラジーミル・ナボコフ [評者]円城塔  (作家)」、『朝日新聞』2017年11月26日(日)付。

- アーダ(上・下) [著]ウラジーミル・ナボコフ [評者]円城塔 (作家) [掲載]2017年11月26日[ジャンル]文芸 ■技法と知識ありったけの混沌 あまり知られていないことだが、自分でもよくわからないことがらは、うまく翻訳することができない。 それはまあ、…

日記:「日本人として誇りを持てた」という感覚の無気力肯定ビジネスへの近さ

- 『cool japan』という番組に、「日本人として嬉しかった」「日本人として誇りを感じた」「日本人として生きる勇気をもらった」という感想を視聴者からもらうことがあります。 番組ですから、まして、NHKですから、視聴者の反応はとても大切です。大切です…

覚え書:「社説余滴 北朝鮮化する日本? 箱田哲也」、『朝日新聞』2017年08月11日(金)付。

- 社説余滴 北朝鮮化する日本? 箱田哲也 2017年8月11日国際社説担当・箱田哲也 軍事独裁政権の重い縛りを解き、韓国の民衆が自由を勝ち取って今年で30年になる。 そんな節目の年に、「絶対権力」と言われる現職大統領を革命的に、しかも非暴力で引きずり…

覚え書:「ナチの子どもたち―第三帝国指導者の父のもとに生まれて [著]タニア・クラスニアンスキ [評者]保阪正康(ノンフィクション作家)」、『朝日新聞』2017年11月26日(日)付。

- ナチの子どもたち―第三帝国指導者の父のもとに生まれて [著]タニア・クラスニアンスキ [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2017年11月26日[ジャンル]歴史 ■憎むか正当化か、両極の葛藤 ヒトラーを支えた第三帝国の指導者たち、彼らを「父」にも…

覚え書:「きものとジャポニスム―西洋の眼が見た日本の美意識 [著]深井晃子 舞台の上のジャポニスム―演じられた幻想の〈日本女性〉 [著]馬渕明子 [評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)」、『朝日新聞』2017年11月26日(日)付。

- きものとジャポニスム―西洋の眼が見た日本の美意識 [著]深井晃子 舞台の上のジャポニスム―演じられた幻想の〈日本女性〉 [著]馬渕明子 [評者]斎藤美奈子 (文芸評論家) [掲載]2017年11月26日[ジャンル]アート・ファッション・芸能 著者:深井 晃子 出版…

覚え書:「名婦列伝 [著]ジョヴァンニ・ボッカッチョ [評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)」、『朝日新聞』2017年11月26日(日)付。

- 名婦列伝 [著]ジョヴァンニ・ボッカッチョ [評者]原武史(放送大学教授・政治思想史) [掲載]2017年11月26日 ■神話・伝説も含め大がかりに 室町時代の学者、一条兼良は日野富子のために書いた「樵談治要(しょうだんちよう)」で、日本を「女のおさむべき…

覚え書:「日曜に想う 祖父が最後の人事で狙ったもの 編集委員・曽我豪」、『朝日新聞』2017年08月13日(日)付。

- 日曜に想う 祖父が最後の人事で狙ったもの 編集委員・曽我豪 2017年8月13日 写真・図版 「夢の僕」 絵・皆川明 栄華の頂点で衰亡の兆しが現れる。古今東西変わらぬ政治の摂理だ。そして為政者は過去の成功にならおうとする。それだけ、未来が見通せないか…

覚え書:「私の視点 戸籍公開 多様性否定し、差別を助長 尹チョジャ」、『朝日新聞』2017年08月10日(木)付。

- 私の視点 戸籍公開 多様性否定し、差別を助長 尹チョジャ 2017年8月10日 民進党代表の蓮舫さんが、台湾との「二重国籍」状態の解消を証明するためとして戸籍謄本の一部などを公開した。戸籍の公開は、出自と血統による差別を生む元凶となりかねない。どん…

覚え書:「【書く人】ドキッとさせる物語に『漱石、百年の恋。子規、最期の恋。』 小説家・荻原雄一さん(66)」、『東京新聞』2017年12月03日(日)付。

- 【書く人】 ドキッとさせる物語に『漱石、百年の恋。子規、最期の恋。』 小説家・荻原雄一さん(66) 2017年12月3日 文豪・夏目漱石の初恋の相手は誰か。それは、明治政府で外務大臣を務めた陸奥宗光と、その後妻で「鹿鳴館の華」と呼ばれた亮子の娘、十…

覚え書:「書評:不寛容という不安 真鍋厚 著」、『東京新聞』2017年11月26日(日)付。

- 不寛容という不安 真鍋厚 著 2017年11月26日 ◆誰でも加害者になる危険 [評者]池田浩士=ドイツ文学者 今の世の中には理不尽なことが多すぎる−「こういう思いを漠然とであれ抱いている人は少なくないだろう。 この思いは、少し我慢していれば将来は今より…

覚え書:

- Black Box 伊藤詩織 著 2017年11月26日◆性暴力に沈黙せぬ社会を [評者]森まゆみ=作家 国際的なジャーナリストになりたかった。TBSのワシントン支局長に米国でのポストを得たいと相談した。前向きの返事があり、ビザを取る打ち合わせで居酒屋…

日記:物語が見せてくれる希望の光 断ち切る文化と、手をつなぐ文化

- 文化は、意図せずとも、「あなたがた」と「私たち」が異なることを、とてもよく見せてしまいます。 ああ、世界はなんと、「分断」に満ちていることでしょう! 今、私が通訳を必要としているように、言葉も価値観も宗教もちがう人びとが世界を満たしていま…

覚え書:「折々のことば:838 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月09日(水)付。

- 折々のことば:838 鷲田清一 2017年8月9日 根拠が示されていなくとも、「ああそうなんだ……」と事態の確認材料を提供できれば、神話は神話としての使命を果たしている (苅谷剛彦) ◇ 1990年代のこと。「個性」や「創造性」といった教育論の神話が「…

覚え書:「書評:屍人荘の殺人 今村昌弘 著」、『東京新聞』2017年11月26日(日)付。

- 屍人荘の殺人 今村昌弘 著 2017年11月26日 ◆極限状況での謎解き [評者]池上冬樹=文芸評論家 いやあ驚いた。ホラー小説のあの題材を使って本格ミステリを展開させているからだ。しかも作り込みが素晴らしい。「奇想と本格ミステリの融合が、実に見事」(…

覚え書:「書評:東の果て、夜へ ビル・ビバリー 著」、『東京新聞』2017年11月26日(日)付。

- 東の果て、夜へ ビル・ビバリー 著 2017年11月26日 ◆常道を外れる道行き [評者]新保博久=ミステリー評論家 すでに「今年の翻訳ミステリーのナンバーワン」といった下馬評が優勢だ。当然ながら悪い作品ではないが、へそ曲がりの私は、無理にもアラ探しを…

覚え書:

- 話題の新刊(週刊朝日)> 自生地 [著]福田若之話題の新刊(週刊朝日) 自生地 [著]福田若之 2017年12月05日 《ながれぼしそれをながびかせることば》《あんみつにこころのゆるむままの午後》 言葉の選び方、ひらがなの使い方、声にしたときの音の転が…

覚え書:「寂聴 残された日々:26 最晩年の虹の輝き 小説家の夢、なしとげた名女優」、『朝日新聞』2017年08月10日(木)付。

- 寂聴 残された日々:26 最晩年の虹の輝き 小説家の夢、なしとげた名女優 2017年8月10日 寂聴さんが名誉住職を務める天台寺の参道にまつられた石仏=岩手県二戸市、岡田匠撮影 ものを書くだけで食べてきて、65年が過ぎている。今、95歳にもなって、ま…

覚え書:「戦争を語る:2 孤児たちの「遺言」 戦争孤児の会代表・金田茉莉さん」、『朝日新聞』2017年08月10日(木)付。

- 戦争を語る:2 孤児たちの「遺言」 戦争孤児の会代表・金田茉莉さん 2017年8月10日 写真・図版 自室には亡き母と姉妹の写真。「『一人残してごめんね』と言う母の声が、聞こえてきます」=山本和生撮影 戦争で親を奪われた戦争孤児は、戦後史の闇に埋もれ…

覚え書:「話題の新刊(週刊朝日) 「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす [著]佐光紀子」、『週刊朝日』2017年12月12日(火)号。

- 話題の新刊(週刊朝日) 「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす [著]佐光紀子話題の新刊(週刊朝日) 「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす [著]佐光紀子 2017年12月12日 「なぜ女性が家事をきちんとやらなければいけないのか」。誰もが答えに戸惑う疑問だろう。…

覚え書:「行動経済学まんが―ヘンテコノミクス [原作]佐藤雅彦、菅俊一 [画]高橋秀明」、『朝日新聞』2018年01月07日(日)付。

- 行動経済学まんが―ヘンテコノミクス [原作]佐藤雅彦、菅俊一 [画]高橋秀明 2018年01月07日 ■我々の不合理な活動、漫画で解明 行動経済学の研究者・セイラー教授のノーベル賞受賞を受け、書店には関連書コーナーが設けられている。なかでも異彩を放つの…

覚え書:「ひもとく 大好き西郷さん 言葉で、政治で、犬で、存在感 ペリー荻野」、『朝日新聞』2018年01月07日(日)付。

- ひもとく 大好き西郷さん 言葉で、政治で、犬で、存在感 ペリー荻野ひもとく 大好き西郷さん 言葉で、政治で、犬で、存在感 ペリー荻野 2018年01月07日大河ドラマの主人公となる西郷隆盛。書店には多くの関連本が並ぶ。左は鹿児島市の西郷像 今年のNHK…

日記:「本のある世界」と「本のない世界」の狭間を旅する

- ブラジルは、僕が夢中になっていたレヴィ・ストロースの宿命の地なんです。『悲しき熱帯』は、彼が若いときブラジルを旅しながら、少数民族の社会や神話に関するフィールド調査を重ね、学問的な自己形成を遂げた軌跡を省察する紀行文の名著です。ブラジル…

覚え書:「長崎、政府へ憤り 核禁止不参加「理解できぬ」 平和宣言」、『朝日新聞』2017年08月10日(木)付。

- 長崎、政府へ憤り 核禁止不参加「理解できぬ」 平和宣言 2017年8月10日 写真・図版 浦上天主堂(奥)を出発したカトリック信徒らが、「被爆マリア像」とともに平和公園まで行進した=9日午後8時15分、長崎市、日吉健吾撮影 72年前に長崎に原爆が投下…

覚え書:「ひもとく 売れた本 世界を柔軟に見つめるために 武田砂鉄」、『朝日新聞』[掲載]2017年12月24日(日)付。

- ひもとく 売れた本 世界を柔軟に見つめるために 武田砂鉄ひもとく 売れた本 世界を柔軟に見つめるために 武田砂鉄 2017年12月24日 御年94歳の直木賞作家が「ヤケクソが籠(こも)った」と宣言したエッセー(1)が100万部を超えるベストセラーとなり…

覚え書:「重力波 発見!―新しい天文学の扉を開く黄金のカギ [著]高橋真理子 [評者]サンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者)」、『朝日新聞』[掲載]2017年11月19日(日)付。

- 重力波 発見!―新しい天文学の扉を開く黄金のカギ [著]高橋真理子 [評者]サンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者) [掲載]2017年11月19日 ■人は「世界」をどう捉えてきたか【概要】昨年初観測が報告され、世界中に衝撃を与えた「重力波」とは一体なんな…

覚え書:「Black Box―ブラックボックス [著]伊藤詩織 [評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)」、『朝日新聞』[掲載]2017年11月19日(日)付。

- Black Box―ブラックボックス [著]伊藤詩織 [評者]斎藤美奈子 (文芸評論家) [掲載]2017年11月19日 ■性暴力と向き合わない日本社会 日本は性暴力に甘い国といわれる。逆にいうと性暴力の被害者は想像を絶する困難を強いられる。 本書によれば、著…

覚え書:「戦争を語る:1 激戦地に立って 国境なき医師団の看護師・白川優子さん」、『朝日新聞』2017年08月09日(水)付。

- 戦争を語る:1 激戦地に立って 国境なき医師団の看護師・白川優子さん 2017年8月9日 写真・図版 「日本は『平和ぼけ』と言われますが、それでいい。こんなに素晴らしいことはない」=イラク北部アルビル、杉本康弘撮影 世界の激戦地にばかり派遣され、人…