2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「社説 水俣条約発効 人と環境重視の社会へ」、『朝日新聞』2017年08月20日(日)付。

- 社説 水俣条約発効 人と環境重視の社会へ 2017年8月20日 国際的な水銀規制ルールを定めた「水俣条約」が発効した。 熊本県水俣市の工場が水銀を含む廃液を海に流し、周辺住民に深刻な神経障害などを引き起こしたのが水俣病だ。 条約は前文で「水俣病を教訓…

覚え書:「日本神話はいかに描かれてきたか―近代国家が求めたイメージ [著]及川智早 [評者]蜂飼耳(詩人・作家)」、『朝日新聞』2017年12月03日(日)付。

- 日本神話はいかに描かれてきたか―近代国家が求めたイメージ [著]及川智早 [評者]蜂飼耳(詩人・作家) [掲載]2017年12月03日 『古事記』『日本書紀』などの日本神話や古代説話が、近代においてどのように受容されたかを、雑誌の口絵・挿絵、絵葉書や双六(…

覚え書:「学童集団疎開―受入れ地域から考える [著]一條三子 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家)」、『朝日新聞』2017年12月03日(日)付。

- 学童集団疎開―受入れ地域から考える [著]一條三子 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2017年12月03日 「学童疎開促進要綱」が閣議決定されたのは1944年6月、縁故疎開を原則としつつ帝都の児童(3年生以上)は集団疎開させる内容だ。もと…

覚え書:「PANA通信社と戦後日本―汎アジア・メディアを創ったジャーナリストたち [著]岩間優希 [評者]立野純二(本社論説主幹代理)」、『朝日新聞』2017年12月03日(日)付。

- PANA通信社と戦後日本―汎アジア・メディアを創ったジャーナリストたち [著]岩間優希 [評者]立野純二(本社論説主幹代理) [掲載]2017年12月03日■浮かび上がる、アジア像の乖離 東アジア、南アジア、イスラムが併存するアジアを一つにまとめるのは極め…

日記:自分が「知らない」ということを知り、認め、意識し、つねに「問い」をもち続けようとする姿勢が「人間の安全保障」を考える基礎になる

- 今日、世界には七〇億を超える人間が存在しています。置かれた環境、生きていくための、そして日常生活の選択の幅は、同じ「人間」という言葉でくくるのがはばかれるほど、極端に違っています。そもそも、人間とは一人ひとり、別々の性格や特徴をもった存…

覚え書:「折々のことば:847 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月18日(金)付。

- 折々のことば:847 鷲田清一 2017年8月18日 見えるものをそのまま写し取るのはとてもいいことだが、記憶のなかに留まったものを描く方がもっとよい。 (エドガー・ドガ) ◇ 何かの絵を描くとき、画家たちはしばしば、現場でささっと線描したスケッチを…

覚え書:「熱帯雨林コネクション―マレーシア木材マフィアを追って [著]ルーカス・シュトラウマン [評者]山室恭子(東工大教授)」、『朝日新聞』2017年12月03日(日)付。

- 熱帯雨林コネクション―マレーシア木材マフィアを追って [著]ルーカス・シュトラウマン [評者]山室恭子(東工大教授) [掲載]2017年12月03日 ■賄賂と乱伐、悪魔からの贈り物 −−楽園があった。名はサラワク。ボルネオ島北西部の豊かな森で、人びとはサゴヤシ…

覚え書:「異次元緩和の終焉―金融緩和政策からの出口はあるのか [著]野口悠紀雄 [評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)」、『朝日新聞』2017年12月03日(日)付。

- 異次元緩和の終焉―金融緩和政策からの出口はあるのか [著]野口悠紀雄 [評者]諸富徹(京都大学教授・経済学) [掲載]2017年12月03日 ■噴火の時待つ巨額損失のマグマ 本書は、日銀の量的緩和政策になお期待をかけるすべての関係者への警告だ。量的緩和政策が…

覚え書:「ハーフ・ブリード [著]今福龍太 [評者]椹木野衣 (美術評論家)」、『朝日新聞』2017年12月03日(日)付。

- ハーフ・ブリード [著]今福龍太 [評者]椹木野衣 (美術評論家) [掲載]2017年12月03日[ジャンル]人文 ■得体の知れぬ混淆の創造力 「ハーフ・ブリード」? 慌てて訳語を充てる前に本そのものに向き合ってみよう。試しにカバーを外してみるのもいい。すると…

覚え書:「戦死と向き合う 戦後72年夏:5 美談演出『誉れの子』 『靖国で父と対面』、戦意高揚」、『朝日新聞』2017年08月16日(水)付。

- 戦死と向き合う 戦後72年夏:5 美談演出「誉れの子」 「靖国で父と対面」、戦意高揚 2017年8月16日 八巻春夫さんが表紙を飾った1941年4月発行の「写真週報」。緊張した表情で皇后陛下からお菓子を受け取り、左ほおに一筋光るものがみえる 日本兵の…

覚え書:「社説 憲法70年 学びの保障、広く早く」、『朝日新聞』2017年08月16日(水)付。

- 社説 憲法70年 学びの保障、広く早く 2017年8月16日 多くの人が大学や短大、専門学校で学ぶことにはいかなる意義があり、コストを社会全体でどう分かち合うべきか。そんな議論が活発になっている。 安倍首相が改憲項目の一つとして「高等教育の無償化」…

覚え書:「【東京エンタメ堂書店】素敵な女性に出会える3冊 「SEKAI NO OWARI」藤崎彩織さん」、『東京新聞』2018年1月8日(月)付。

- 【東京エンタメ堂書店】 素敵な女性に出会える3冊 「SEKAI NO OWARI」藤崎彩織さん 2018年1月8日 新年初回の今日は、人気バンド「SEKAI(せかい) NO(の) OWARI(おわり)」のピアノ担当で、初めての小説『ふたご』(文芸春秋…

覚え書:「【書く人】オウム死刑囚との時間『逆さに吊るされた男』  作家・田口ランディさん(58)」、『東京新聞』2017年12月10日(日)付。

- 【書く人】 オウム死刑囚との時間『逆さに吊るされた男』 作家・田口ランディさん(58) 2017年12月10日 写真 「社会に何かを問いたいとは、考えていない。私と彼との個人的な関係を書いただけ」。そう語る田口ランディさんは、オウム真理教による一九九…

覚え書:「書評:ポストキャピタリズム ポール・メイソン 著」、『東京新聞』2017年12月03日(日)付。

- ポストキャピタリズム ポール・メイソン 著 2017年12月3日 ◆危機を脱する能力の限界 [評者]廣瀬弘毅=福井県立大准教授 いざなぎ景気を抜いて、戦後二番目の景気拡大期間が続いているという。だが、実感を伴わない好景気の今が、高度成長期よりも良い、…

日記:善き物語のしぶとい力

- 村上 ただ、やっぱり無力感は感じますよね。僕が何を言っても、それで世の中が変わるわけじゃないし、むしろだんだんひどくなってきているみたいだし。そういうのを見ていると、あとはもう小説を書いていくしかないんだろうなと思う。たとえば僕が具体的に…

覚え書:「折々のことば:845 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月16日(水)付。

- 折々のことば:845 鷲田清一 2017年8月16日 普段できないことは、災害のような非常時にはなおのことできない。 (遠藤恵子) ◇ 災害時の避難生活では、下着やトイレの問題、異様な気配に怯(おび)える幼児のケア、性犯罪の増加など、大ぶりな視線から…

覚え書:「書評:僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫 宮川徹志 著」、『東京新聞』2017年12月03日(日)付。

- 僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫 宮川徹志 著 2017年12月3日 ◆「占領の島」返還に懸ける [評者]渡瀬夏彦=ノンフィクションライター いわゆる「沖縄返還交渉」で中心的な役割を果たした千葉一夫・外務省北米第一課長(当時)について、こ…

覚え書:「書評:『死靈』の生成と変容 立石伯 著」、『東京新聞』2017年12月03日(日)付。

- 『死靈』の生成と変容 立石伯 著 2017年12月3日 ◆哲学超える埴谷文学 [評者]横尾和博=文芸評論家 『死靈』は作家で思想家の埴谷雄高の大著である。敗戦直後から長期間の中断を含め、五十年にわたって第九章まで書き継がれた哲学的な小説だ。難解といわ…

覚え書:「書評:一○五歳、死ねないのも困るのよ 篠田桃紅 著」、『東京新聞』2017年12月03日(日)付。

- 一○五歳、死ねないのも困るのよ 篠田桃紅 著 2017年12月3日◆心眼で探る「奥の奥」 [評者]青木奈緒=エッセイスト 今も第一線で制作をつづけていらっしゃる美術家、篠田桃紅さんは数えの御年一〇五歳。この年代の方は満年齢ではなく、数え年に実感をお持…

覚え書:「少年の日の沖縄、『非武』の心込め ウルトラマンの脚本家・上原正三さん自伝小説」、『朝日新聞』2017年08月15日(火)付。

- 少年の日の沖縄、「非武」の心込め ウルトラマンの脚本家・上原正三さん自伝小説 2017年8月15日 ウルトラマン、仮面ライダー、ゴレンジャー……。今に続く特撮シリーズの草創期を支えた脚本家の上原正三さん(80)が、自伝小説を書いた。故郷の沖縄で過酷…

覚え書:「折々のことば:844 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月15日(火)付。

- 折々のことば:844 鷲田清一 2017年8月15日 あんたには在る。おれたちには無い。在るひとに、無いひとの気持ちは解(わか)らないよ (ある高齢のホームレスの男性) ◇ 震災と原発事故で避難生活を強いられている人の痛苦と、出稼ぎで郷里を離れたまま…

覚え書:「著者に会いたい バー「サンボア」の百年 新谷尚人さん」、『朝日新聞』2018年01月07日(日)付。

- 著者に会いたい バー「サンボア」の百年 新谷尚人さん著者に会いたい バー「サンボア」の百年 新谷尚人さん 2018年01月07日新谷尚人さん=飯塚悟撮影■時代越え、一杯一杯こころ込め 「生業(なりわい)はサンボアです」。バーを営む著者の自己紹介。風変わ…

覚え書:「こわいもの知らずの病理学講義 [著]仲野徹」、『朝日新聞』2018年01月07日(日)付。

- こわいもの知らずの病理学講義 [著]仲野徹 2018年01月07日 ■医学のロジックはシンプル 平安時代の『医心方』以後、医学書は数多(あまた)あれど、病理学の本が発売早々増刷を繰り返すなんてことがあっただろうか。 病理学とは「病気がどうしてできてく…

覚え書:「悩んで読むか、読んで悩むか 「自分が何したいか」もっと大事 斎藤環さん」、『朝日新聞』2018年01月07日(日)付。

- 悩んで読むか、読んで悩むか 「自分が何したいか」もっと大事 斎藤環さん悩んで読むか、読んで悩むか 「自分が何したいか」もっと大事 斎藤環さん 2018年01月07日斎藤環さん■相談 新しい友人の前で素の自分を出せない 昨年4月から高校生になった女子です…

あんときのデジカメ:CASIO EXILIM Hi-ZOOM EX-V7 2007年 武器である「7倍ズーム」がちょっと残念なことに

■ CASIOコンデジ初の7倍ズームレンズを搭載したエクシリム カードサイズの固定焦点カメラを最初期カシオのコンデジとすれば(EXILIM CARD)、3倍ズームレンズを搭載したのがEXILIM ZOOM。エクシリムズームは確かによく写る。しかしながらやっぱりエントリー…

覚え書:「折々のことば:840 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月11日(金)付。

- 折々のことば:840 鷲田清一 2017年8月11日 度を超した無駄は神聖に見える。 (内堀弘) ◇ 古書の転売で利ざやを稼ぐ人をセドリというが、その知識を古書店主はしばしば頼む。最初の芥川全集の内容見本だとか、農業経済学者が古希記念に出した歌集とか…

覚え書:「速水健朗の出版時評 早川書房、ノーベル賞三冠 良質な作品を長く売る」、『朝日新聞』2018年01月07日(日)付。

- 速水健朗の出版時評 早川書房、ノーベル賞三冠 良質な作品を長く売る速水健朗の出版時評 早川書房、ノーベル賞三冠 良質な作品を長く売る 2018年01月07日早川書房は、昨年のノーベル賞のうち文学、経済学、物理学の3賞の関連書籍を刊行した 「『神ってる…

覚え書:「だから、居場所が欲しかった。―バンコク、コールセンターで働く日本人 [著]水谷竹秀 [評者]市田隆(本社編集委員)」、『朝日新聞』2017年11月26日(日)付。

- だから、居場所が欲しかった。―バンコク、コールセンターで働く日本人 [著]水谷竹秀 [評者]市田隆(本社編集委員) [掲載]2017年11月26日 ■彼らがタイにたどり着いた理由 タイ・バンコクにある日本企業のコールセンター。経費節減のために海外移転され、日…

覚え書:「どうしても欲しい!―美術品蒐集家たちの執念とあやまちに関する研究 [著]エリン・L・トンプソン [評者]サンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者)」、『朝日新聞』2017年11月26日(日)付。

- どうしても欲しい!―美術品蒐集家たちの執念とあやまちに関する研究 [著]エリン・L・トンプソン [評者]サンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者) [掲載]2017年11月26日[ジャンル]文芸 ■受け手の眼力に委ねられる真贋【読む前に】 古今東西のコレクター…

覚え書:「「日本は負ける」それでも戦地に 戦死の元京大生の遺稿」、『朝日新聞』2017年08月15日(火)付。

- 「日本は負ける」それでも戦地に 戦死の元京大生の遺稿 編集委員・藤生明2017年8月15日 国のために命をなげうった人たちをどう悼むのか。明治政府の出した答えが、東京・九段の靖国神社への合祀(ごうし)だった。戦後72年のいま、自衛隊の活動範囲が広…