2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「福祉と格差の思想史 橘木俊詔 著」、『東京新聞』2018年05月06日(日)付。

- 福祉と格差の思想史 橘木俊詔 著 2018年5月6日 ◆国それぞれの思惑、ドラマ [評者]廣瀬弘毅(ひろせこうき)=福井県立大准教授 今日的な意味での福祉制度というのは、決して自然発生的なものとは言えない。ある時期に、その時代の制約のもと、人々が必要…

覚え書:「元号 所功、久禮旦雄、吉野健一 著」、『東京新聞』2018年05月06日(日)付。

- 元号 所功、久禮旦雄、吉野健一 著 2018年5月6日 ◆災害と吉祥も重ねて [評者]鈴木洋仁(ひろひと)=社会学者 「平成」の終わりまで一年を切った。 「国の内外にも天地にも平和が達成される」という意味がこめられた元号は、まもなく終わる。 元号は古代…

覚え書:「鳥! 驚異の知能 ジェニファー・アッカーマン 著」、『東京新聞』2018年05月06日(日)付。

- 鳥! 驚異の知能 ジェニファー・アッカーマン 著 2018年5月6日 ◆心理学、数学自在に? [評者]堀内洋助=写真家 鳥を撮影していると、鳥の知能が高いことに驚かされる。渡り鳥は何千キロも正確に旅をする。くちばしで器用に精密な巣をつくる。複雑なさえ…

日記:反逆のエトスによって不断に内部から更新されない「革命」は急速に形骸化する

- 自我の内部における「反逆」を十分濾過しない集団的な「革命運動」はそれ自体官僚化する危険をはらんでいるだけでなく、運動の潮が退きはじめると集団的に「転向」する脆弱さを免れない。歴史的な方向意識をもたぬ「反逆」はしばしば盲目的であるが、反逆…

覚え書:「折々のことば:930 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月11日(土)付。

- 折々のことば:930 鷲田清一 2017年11月11日 敵として恨んだ米兵が、かえって教えを説いた先生よりも親切であった。 (仲宗根政善) ◇ 沖縄で負傷兵の看護に動員された女子生徒を引率する教員の仲宗根は、敗走する中、深手を負った生徒を置き去りにした…

覚え書:「古典百名山 クルト・ゲーデル「不完全性定理」 大澤真幸が読む」、『朝日新聞』2018年05月12日(土)付。

- 古典百名山 クルト・ゲーデル「不完全性定理」 大澤真幸が読む古典百名山 クルト・ゲーデル「不完全性定理」 大澤真幸が読む 2018年05月19日 ■理性の可能性と限界 ゲーデルが1930年に証明した不完全性定理は、数学史上最も重要な命題だ。それどころか…

覚え書:「古典百名山 ナサニエル・ホーソーン「緋文字」 桜庭一樹が読む」、『朝日新聞』2018年05月12日(土)付。

- 古典百名山 ナサニエル・ホーソーン「緋文字」 桜庭一樹が読む古典百名山 ナサニエル・ホーソーン「緋文字」 桜庭一樹が読む 2018年05月12日Nathaniel Hawthorne(1804〜64)。米国の作家■倫理って絶対? 問い今も 「真であれ、真…

覚え書:「売れてる本 国体論―菊と星条旗 [著]白井聡」、『朝日新聞』2018年06月02日(土)付。

- 売れてる本 国体論―菊と星条旗 [著]白井聡売れてる本 国体論―菊と星条旗 [著]白井聡 2018年06月02日 対米従属なぜ、大胆な全体像 日本はなぜかくも対米従属的なのか。トランプ大統領の機嫌を取ることにやっきな安倍政権の動きをみるたびに誰しも思うこ…

覚え書:「インタビュー 非行少年だけが悪い? 家庭裁判所調査官・伊藤由紀夫さん」、『朝日新聞』2017年11月15日(水)付。

- インタビュー 非行少年だけが悪い? 家庭裁判所調査官・伊藤由紀夫さん 2017年11月15日写真・図版 「政治主導が強まる中、最高裁も家裁も沈黙を続ける状態に陥っていないでしょうか」=飯塚晋一撮影 少年犯罪の厳罰化を求める声が強まる中、法制審議会で少…

覚え書:「そこが聞きたい 反グローバリズムの閉鎖性 英国人ジャーナリスト ビル・エモット氏」、『毎日新聞』2017年07月24日(月)付。

- そこが聞きたい 反グローバリズムの閉鎖性 英国人ジャーナリスト ビル・エモット氏毎日新聞2017年7月24日 東京朝刊=根岸基弘撮影繁栄保つ「平等」と「開放」 トランプ米政権の誕生、英国の欧州連合(EU)からの離脱決定、欧州での極右政党の台頭−−。グ…

覚え書:「著者に会いたい 一発屋芸人列伝 [著]山田ルイ53世さん」、『朝日新聞』2018年06月02日(土)付。

- 著者に会いたい 一発屋芸人列伝 [著]山田ルイ53世さん著者に会いたい 一発屋芸人列伝 [著]山田ルイ53世さん 2018年06月02日髭男爵・山田ルイ53世=飯塚悟撮影 ■人生マラソンの給水所にいます 山田ルイ53世さん 彗星(すいせい)のごとく現れて…

覚え書:「ビジネス 宇宙ビジネスの衝撃 21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ [著]大貫美鈴」、『朝日新聞』2018年06月02日(土)付。

- ビジネス 宇宙ビジネスの衝撃 21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ [著]大貫美鈴ビジネス 宇宙ビジネスの衝撃 21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ [著]大貫美鈴 2018年06月02日 ■「地球のビッグデータ」求める最前線 この1…

覚え書:「コミック ハコヅメ―交番女子の逆襲(1) [作]泰三子」、『朝日新聞』2018年06月02日(土)付。

- コミック ハコヅメ―交番女子の逆襲(1) [作]泰三子コミック ハコヅメ―交番女子の逆襲(1) [作]泰三子 2018年06月02日 ■女性警察官の喜怒哀楽、赤裸々に 安定収入が目的で公務員なら何でもよかった新米女子警察官と、とある理由で交番勤務に回され…

日記:アーレントなにそれ美味しいの?

私の場合、これまで学問の世界でも、生活の世界でもほとんど同じ「言葉」を使っていて、それがひとつの矜持、ないしは私の個性になっていたと思う。しかし、最近、日常生活の中では、自由や平等、人権のような、例えば学問で使うような概念を、なるべくその…

覚え書:「折々のことば:929 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月10日(金)付。

- 折々のことば:929 鷲田清一 2017年11月10日 国家と密着するのが「あたりまえ」になると、自由に息を吸うことがどんな感覚だったのかさえ忘れてしまう。 (松村圭一郎) ◇ エチオピア社会を調査する文化人類学者は、言論統制は厳しいが「戸籍」という制…

覚え書:「みる 最初に光があった」、『朝日新聞』2018年06月02日(土)付。

- みる 最初に光があったみる 最初に光があった 2018年06月02日 何げない瞬間を柔らかな光あふれる画面にとらえ、国内外で活躍する写真家が、出産を経て写真と短文による「絵本」を手がけた。光はより親密さを増し、心の奥深くに優しく差し込む。 水の粒を綿…

覚え書:「絶滅危惧の地味な虫たち―失われる自然を求めて [著]小松貴 [評者]石川尚文(本社論説委員)」、『朝日新聞』2018年05月05日(土)付。

- 絶滅危惧の地味な虫たち―失われる自然を求めて [著]小松貴 [評者]石川尚文(本社論説委員) [掲載]2018年05月05日 すごみのある本だ。 環境省のレッドリストに載る虫たちを紹介しているのだが、「より小さく、より目立たなく、より知られていないものを前…

覚え書:「「投壜通信」の詩人たち―〈詩の危機〉からホロコーストへ [著]細見和之 [評者]齋藤純一(早大教授)」、『朝日新聞』2018年05月05日(土)付。

- 「投壜通信」の詩人たち―〈詩の危機〉からホロコーストへ [著]細見和之 [評者]齋藤純一(早大教授) [掲載]2018年05月05日 「叫び声をひとつあげて 無用の者です、荒れすさんだ者ですと 君たちはあいさつしているのか」 餓(う)えと襲来した寒波のなかワ…

覚え書:「日曜に想う 核兵器のむごさ、射るまなざし 編集委員・福島申二」、『朝日新聞』2017年11月12日(日)付。

- 日曜に想う 核兵器のむごさ、射るまなざし 編集委員・福島申二 2017年11月12日 「詩を読む鳥」 絵・皆川明 表情ゆたかなその顔を、春先からニュースで何度も見た。13歳のときに広島で被爆したカナダ在住のサーロー節子さんである。12月にはノーベル平…

覚え書:「文化の扉 歴史編 異説あり 「天草四郎」は幻か 普通の少年、信者統合のため仕立てた?」、『朝日新聞』2017年11月12日(日)付。

- 文化の扉 歴史編 異説あり 「天草四郎」は幻か 普通の少年、信者統合のため仕立てた? 2017年11月12日 写真・図版 グラフィック・永井芳 3万7千人が蜂起した日本最大の農民一揆「島原・天草の乱」を率い、カリスマ的な指導力を発揮したといわれる天草四…

覚え書:「科学的人間と権力政治 [著]ハンス・J・モーゲンソー [評者]西崎文子(東京大学教授(アメリカ政治外交史))」、『朝日新聞』2018年05月05日(土)付。

- 科学的人間と権力政治 [著]ハンス・J・モーゲンソー [評者]西崎文子(東京大学教授(アメリカ政治外交史)) [掲載]2018年05月05日[ジャンル]政治 人間の本質見抜く真の現実主義 第1次大戦後、パリ講和会議に向かうウィルソン米大統領は、側近にこう伝え…

覚え書:「トマト缶の黒い真実 [著]ジャン=バティスト・マレ [評者]寺尾紗穂(音楽家・エッセイスト)」、『朝日新聞』2018年05月05日(土)付。

- トマト缶の黒い真実 [著]ジャン=バティスト・マレ [評者]寺尾紗穂(音楽家・エッセイスト) [掲載]2018年05月05日■衝撃的なグローバル経済の実態 タイトルを見て「買ってはいけない」系の話かと思ったらまったく違った。本書が描くのはトマト缶業界で台頭…

覚え書:「問題だらけの女性たち [著]ジャッキー・フレミング 「女子」という呪い [著]雨宮処凛 [評者]斎藤美奈子(文芸評論家)」、『朝日新聞』2018年05月05日(土)付。

- 問題だらけの女性たち [著]ジャッキー・フレミング 「女子」という呪い [著]雨宮処凛 [評者]斎藤美奈子(文芸評論家) [掲載]2018年05月05日■笑って過去に引導、現代にエール 土俵に女性を上がらせないのは伝統文化だと開き直る相撲協会。前次官のセクハ…

日記:献本御礼『季刊 ピープルズ・プラン』80号

献本御礼『季刊 ピープルズ・プラン』の編集委員の大滝正明先生より、最新号(80号)を頂戴しました。ありがとうございます。 - 1968年から半世紀を経て、その時代を「当事者」として語れる者は次第に少なくなってきた。本号の特徴は様々な意味での「…

覚え書:「折々のことば:928 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月09日(木)付。

- 折々のことば:928 鷲田清一 2017年11月9日 僕はね、何でもまず百回を目標にしています。ときをためる暮らしの目標ですね。 (津端修一) ◇ 郊外のニュータウンの設計を任された建築家は、雑木林を風の通路として残す案を提示するも、もっと住居をと拒…

覚え書:「中国古代史研究の最前線 [著]佐藤信弥 [評者]出口治明(立命館アジア太平洋大学学長)」、『朝日新聞』2018年05月05日(土)付。

- 中国古代史研究の最前線 [著]佐藤信弥 [評者]出口治明(立命館アジア太平洋大学学長) [掲載]2018年05月05日■甲骨文や兵馬俑の新事実に驚き 序章でノックアウトされた。僕は、甲骨文発見の経緯は、清朝末期の役人、王懿栄(おういえい)が北京でマラリア治…

覚え書:「柳宗悦 「無対辞」の思想 [著]松竹洸哉 [評者]佐伯一麦 (作家)」、『朝日新聞』2018年05月05日(土)付。

- 柳宗悦 「無対辞」の思想 [著]松竹洸哉 [評者]佐伯一麦 (作家) [掲載]2018年05月05日 ■民藝を言葉にすることと格闘 折に触れ、東京都目黒区駒場の日本民藝(みんげい)館や岡山県の倉敷民藝館に足を運ぶ。わずかながら、民藝店でもとめた気に入りの酒器…

覚え書:「風俗画―日常へのまなざし [責任編集]高橋明也 [評者]横尾忠則(美術家)」、『朝日新聞』2018年05月05日(土)付。

- 風俗画―日常へのまなざし [責任編集]高橋明也 [評者]横尾忠則(美術家) [掲載]2018年05月05日■感覚全開で絵の一部になって! ここに一冊の画集がある。いきなり解説文を読むのは後廻(あとまわ)しにして、目垢(あか)のつくまで絵を凝視して妄想し、脳…

覚え書:「社説 ヘイト規制 差別許さぬ意識深化を」、『朝日新聞』2017年11月14日(火)付。

- 社説 ヘイト規制 差別許さぬ意識深化を 2017年11月14日 人種、民族、宗教などをめぐる憎悪の言動を防ぐには、どうすべきか。地域ごとの試みで、社会の意識を深めたい。 このほど川崎市が公表した新たな取りきめが注目されている。いわゆるヘイトスピーチを…

覚え書:「ザ・コラム ペンを銃に換えて 戦争に聖域はなかった 駒野剛」、『朝日新聞』2017年11月09日(木)付。

- ザ・コラム ペンを銃に換えて 戦争に聖域はなかった 駒野剛 2017年11月9日 10月21日、東京は雨だった。 1943年のこの日も冷たい雨が降っていた。現在、東京五輪に向けて新国立競技場が建設中の地に明治神宮外苑競技場があった。午前9時20分から…