存在論

覚え書:「書評:池田晶子 不滅の哲学 若松英輔著」、『聖教新聞』2014年01月08日(水)付。

- 池田晶子 不滅の哲学 若松英輔著「言葉」は自身を絶望から救う 「苦難や危機に際して人が本当に必要とするものは、必ず言葉であって、金や物ではあり得ない」(池田晶子)。著者は、池田晶子が残した言葉を手掛かりに「言葉」と哲学とを考えていく。 「言…

文化による単純な一般化は、人びとの考えを固定化するうえできわめて効果を発揮する

- 世界の人びとは−−おそらく必要以上に断固として−−文化は重要だという結論に達している。世界の人びとは明らかに正しい。文化はたしかに重要だ。しかし、本当に問われるべき問題は、「文化はどのように重要なのか?」なのである。前の二つの章で論じたよう…

夫婦間であれ親子間であれ、「無駄話」や「お喋り」をかわしあえる関係こそが、最も深く安定する

- 僕がギャル語に注目するのは、まさにこうした機能に特化して進化してきた言語であるという点だ。それは「会話のための会話」、いわば「純粋言語」の作法として、特異な発展を遂げつつある。ちなみに僕は、こうした会話を「毛づくろい的会話」と呼んでいる…

愛も手で触ることはできません。だけど、愛が注がれる時のやさしさを感じることはできます。愛があるから、喜びが沸いてくるし、遊びたい気持ちも起きるのよ。

- はじめて「愛」の意味について訊(き)いた朝のことを覚えている。まだ、語彙が少ない時だった。庭で早咲きのスミレを数本摘み、サリバン先生のところへ持っていった。先生は私に感謝のキスをしようとした。しかし、当時は母以外の人からキスされるのは嫌…