生命

書評:柳博雄『私もパーキンソン病患者です。』三五館、2013年。

柳博雄『私もパーキンソン病患者です。』三五館、2013年、読了。著者は新聞記者を定年後、病に倒れた。闘病生活は5年目を迎える。本書は自身の闘病の中で「高齢障害者医療や介護保険制度の行く末」(副題)を綴った一冊だ。矛盾と問題の指摘は実に精確であ…

書評:トーマス・D・シーリー(片岡夏実訳)『ミツバチの会議 なぜ常に最良の意思決定ができるのか』築地書館、2013年。

トーマス・シーリー『ミツバチの会議 なぜ常に最良の意思決定ができるのか』築地書館、読了。各々が仕事を分担し複雑な共同生活を営むミツバチ。どうして高度な社会を営むことが可能か。本書は探索バチの巣分かれ行動の分析を通じてその疑問に答える。ミツバ…

書評:E・ブリニョルフソン、A・マカフィー(村井章子訳)『機械との競争』日経BP社、2013年。

- これらの例が示すように、パターン認識も複雑なコミュニケーションもいまや自動化が可能だとなれば、人間の能力でコンピュータに脅かされないものは、何かあるのだろうか。チェス盤の残り半分に進んでいっても、人間がしかるべき比較優位を維持できるもの…

覚え書:「今週の本棚:中村桂子・評 『われらはチンパンジーにあらず』=ジェレミー・テイラー著」、『毎日新聞』2013年04月07日(日)付。

- 今週の本棚:中村桂子・評 『われらはチンパンジーにあらず』=ジェレミー・テイラー著 毎日新聞 2013年04月07日 東京朝刊 (新曜社・4410円) ◇ヒトを特徴づけるものとは何か ヒトゲノム(細胞核内のDNAのすべて)とチンパンジーゲノムでは、一・六…

覚え書:「書評:『生命とは何だろう?』 長沼毅著 評・畠山重篤」、『読売新聞』2013年03月24日(日)付。

- 『生命とは何だろう?』 長沼毅著評・畠山重篤(カキ養殖業) 幼稚園児だったある日、著者はすべり台の上からすべり降りて着地した時、“自分はどこから来てどこへ行くのだろう”と考えたというから、天才的な頭脳の持ち主なのだろう。 しかし、研究室に閉じ…

[現代批評][書籍・雑誌]覚え書:「書評:なめらかな社会とその敵 [著]鈴木健/ルールに従う [著]ジョセフ・ヒース [評者]山形浩生」、『朝日新聞』2013年03月25日(日)付。

- なめらかな社会とその敵 [著]鈴木健/ルールに従う [著]ジョセフ・ヒース [評者]山形浩生(評論家)■社会を変革する遠大な思考実験 『なめらかな社会とその敵』の想定読者は三百年後の未来人。だが古代人たる評者にも、その意気込みはわかる。まったく新しい…

覚え書:「今週の本棚:養老孟司・評 『なめらかな社会とその敵』=鈴木健・著」、『毎日新聞』2013年03月24日(日)付。

- 今週の本棚:養老孟司・評 『なめらかな社会とその敵』=鈴木健・著 毎日新聞 2013年03月24日 東京朝刊 (勁草書房・3360円) ◇生命とネットから現代の思考様式を問う 久しぶりに野心的な本を読んだ。若い世代がこういう本を書く時代まで生きたのは、年…