2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「今こそ市川房枝:汚職拒否、市民のうねり生む」、『朝日新聞』2015年11月16日(月)付。

- 今こそ市川房枝:汚職拒否、市民のうねり生む 2015年11月16日 平等、平和、政治浄化。いつまでも心若く、理想と生きた。87歳の青春は色あせない。 東京・渋谷のハチ公前に、安保関連法が成立した1カ月後の10月、学生の声が響いた。「民主主義って何だ…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『天野さんの傘』=山田稔・著」、『毎日新聞』2015年11月01日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『天野さんの傘』=山田稔・著 毎日新聞 2015年11月01日 東京朝刊 (編集工房ノア・2160円) 生島遼一、伊吹武彦、富士正晴など、著者が親しく交わった個性的な文学者らをめぐる回想的エッセー11編を集めた本。と書くと、初めから…

覚え書:「マスコミ漂流記 [著]野坂昭如」、『朝日新聞』2015年10月25日(日)付。

- マスコミ漂流記 [著]野坂昭如 [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 1956年、三木鶏郎事務所で働いていた著者は数えで27歳。焼け跡こそ消えていたものの放送、音楽、広告などいわゆるギョーカイもまだ固まっておらず、うさん臭…

覚え書:「深夜百太郎 入口/深夜百太郎 出口 [著]舞城王太郎、MASAFUMI SANAI」、『朝日新聞』2015年10月25日(日)付。

- 深夜百太郎 入口/深夜百太郎 出口 [著]舞城王太郎、MASAFUMI SANAI [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]文芸 素顔を明かさない「覆面作家」による「百物語」。今年の夏にツイッターで毎晩1話ずつ発表した怪談を、『入口』『出口』の2冊に、…

日記:わが国は世界革命のなかで不正の側に立っているように思える

- 一九五七年に、ある鋭敏なアメリカの海外将校が、わが国は世界革命のなかで不正の側に立っているように思えると言っていたことがあります。 もしわれわれが世界革命の正しい側につこうとするなら、まず国を挙げて、価値における急進的な革命を経なくてはな…

覚え書:「天声人語:『介護民俗学』の試み」、『朝日新聞』2015年11月16日(月)付。

- 天声人語:「介護民俗学」の試み 2015年11月16日 民俗学の大学教員から介護職員になった六車(むぐるま)由実さんの仕事が面白い。施設に通ってくるお年寄りから人生の聞き書きを続けている。米国攻撃の風船爆弾を軍需工場で作った少女時代の思い出話を、…

覚え書:「戦争小説家 古山高麗雄伝 [著]玉居子精宏 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家)」、『朝日新聞』2015年10月25日(日)付。

- 戦争小説家 古山高麗雄伝 [著]玉居子精宏 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■兵士体験通じて自らの魂と対話 古山高麗雄(ふるやまこまお)は、2002年1月26日に「孤独死」という随想…

覚え書:「水曜日のアニメが待ち遠しい [著]トリスタン・ブルネ [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)」、『朝日新聞』2015年10月25日(日)付。

- 水曜日のアニメが待ち遠しい [著]トリスタン・ブルネ [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家) [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]人文 国際 ■日本アニメ、仏文化にマッチ フランス生まれの著者は、幼少期から日本のアニメ文化に触れながら育った。フ…

覚え書:「死刑冤罪—戦後6事件をたどる [著]里見繁 [評者]三浦しをん(作家)」、『朝日新聞』2015年10月25日(日)付。

- 死刑冤罪—戦後6事件をたどる [著]里見繁 [評者]三浦しをん(作家) [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]歴史 社会 ■大きな理不尽に苦闘する人々 やってもいないことを「おまえがやったんだな」と決めつけられ、こちらの言いぶんをまったく聞いてもらえなかっ…

覚え書:「【意見広告】私たちは、あきらめない。 戦争法の廃止を求める統一署名」、『毎日新聞』2015年11月08日(日)付。

- 2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」に、ご協力ください!従来はともすると別々に取り組まれていた署名運動を1本化するという画期的な試みです。これを全国で拡げに拡げましょう。この運動はいま求められている参院選での野党の協力と勝利にも大き…

覚え書:「特集ワイド:続報真相 年金積立金“ギャンブル化” GPIF、世界同時株安で損失一時「8兆円」」、『毎日新聞』2015年11月13日(金)付夕刊。

- 特集ワイド:続報真相 年金積立金“ギャンブル化” GPIF、世界同時株安で損失一時「8兆円」 毎日新聞 2015年11月13日 東京夕刊年金積立金塩漬け1.5兆円、やっと決まった使途 日本年金機構 職員宿舎7棟、入居者3年以上ゼロ 安倍政権の「新三本の矢…

覚え書:「オルフェオ [著]リチャード・パワーズ」、『朝日新聞』2015年10月25日(日)付。

- オルフェオ [著]リチャード・パワーズ [評者]大竹昭子(作家) [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]文芸 ■遺伝子の描く音楽の本質 主人公ピーター・エルズは七十歳で独り身。オンラインで注文したDNAで自宅でゲノム改変を試みる、日曜遺伝子工学者だ。一方…

覚え書:「第三帝国の愛人—ヒトラーと対峙したアメリカ大使一家 [著]エリック・ラーソン [評者]吉岡桂子(本社編集委員)」、『朝日新聞』2015年10月25日(日)付。

- 第三帝国の愛人—ヒトラーと対峙したアメリカ大使一家 [著]エリック・ラーソン [評者]吉岡桂子(本社編集委員) [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 ■なぜ流れを変えられなかったのか この時代を読む本はたくさんある。狂気と魔性…

覚え書:「欧州解体—ドイツ一極支配の恐怖 [著]ロジャー・ブートル [評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)」、『朝日新聞』2015年10月25日(日)付。

- 欧州解体—ドイツ一極支配の恐怖 [著]ロジャー・ブートル [評者]諸富徹(京都大学教授・経済学) [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]社会 国際 ■EU離脱の利害、英の目線で 最近のギリシャ危機で、EU(欧州連合)への懐疑が広がってきた。リーマン・ショッ…

日記:鮮明に屹立しなければならないなどとは言いませんけど、ヒラメ人間にだけはなってはいけない

暴力にどのように抗うのか、というテーマで金曜日の授業を組んでおりましたので、映画『ハンナ・アーレント』を学生さんたちと鑑賞しました。ラストシーンのアーレントの講義は何度観ても圧巻ですね。思考停止を拒否することが人間を人間たらしめる、考える…

覚え書:「やなせ先生の贈り物、愛と勇気 「愛弟子」の作家・小手鞠るいさん、思い出をエッセーに」、『朝日新聞』2015年11月13日(金)付。

- やなせ先生の贈り物、愛と勇気 「愛弟子」の作家・小手鞠るいさん、思い出をエッセーに 2015年11月13日 愛と勇気のヒーロー「アンパンマン」を生んだ漫画家で詩人のやなせたかしさんが94歳で亡くなったのは、おととし10月13日でした。そして2年。手…

覚え書:「琥珀のまたたき [著]小川洋子 [評者]蜂飼耳(詩人・作家)」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- 琥珀のまたたき [著]小川洋子 [評者]蜂飼耳(詩人・作家) [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]文芸 ■脆くはかない人間の生の輝き 母が作り出した閉塞(へいそく)的な環境で、子どもたちはどのように生き、育つのか。小川洋子の長編小説『琥珀(こはく)のま…

覚え書:「職業としての小説家 [著]村上春樹 [評者]佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論)」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- 職業としての小説家 [著]村上春樹 [評者]佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論) [掲載]2015年10月25日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■文体革命もたらし、矛盾や変化を刻む 村上春樹の自伝的小説論&小説家論。既出の情報も多いが、ファンなら読んで…

覚え書:「エラい人にはウソがある−論語好きの孔子知らず [著]パオロ・マッツァリーノ」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- エラい人にはウソがある−論語好きの孔子知らず [著]パオロ・マッツァリーノ [掲載]2015年10月18日 [ジャンル]人文 『論語』に出てくる立派な思想家。有名な割に、このくらいのイメージしか持っていない人は多い。いわゆる“盛られた”孔子像をかたくなに信…

覚え書:「田中優子の江戸から見ると:国際化・個性化」、『毎日新聞』2015年11月11日(水)付夕刊。

- 田中優子の江戸から見ると:国際化・個性化 毎日新聞 2015年11月11日 東京夕刊 11月12日は旧暦10月1日にあたる。いよいよ冬の始まりである。江戸時代は冬のあいだであっても、さまざまな祭りがある。江戸では歌舞伎の顔見世興行がひと月先にあり、…

覚え書:「特集ワイド:原子力規制委・規制庁 肝心の情報、やぶの中」、『毎日新聞』2015年11月11日(水)付。

- 特集ワイド:原子力規制委・規制庁 肝心の情報、やぶの中 毎日新聞 2015年11月11日 東京夕刊(写真キャプション)原子力規制委員会の田中俊一委員長=喜屋武真之介撮影 (写真キャプション)柏崎刈羽原発の防潮堤。鉄筋コンクリート製で壁の高さは10メー…

覚え書:「満州事変はなぜ起きたのか [著]筒井清忠」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- 満州事変はなぜ起きたのか [著]筒井清忠 [掲載]2015年10月18日 [ジャンル]歴史 社会 歴史に切れ目はないのだから、歴史的事象を分析するのに、ある時代を切り取ってくることは本来できない。満州事変においても同様である。では、どこから書き出すか。著…

覚え書:「「偶然」の統計学 [著]デイヴィッド・J・ハンド [評者]佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論)」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- 「偶然」の統計学 [著]デイヴィッド・J・ハンド [評者]佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論) [掲載]2015年10月18日 [ジャンル]経済 ■数字を武器に「奇跡」に迫る 「なぜ奇跡は起こるのか?」を説明する本である。もう少し正確に表現すると、「人はなぜ…

覚え書:「秘島図鑑 [著]清水浩史 [評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- 秘島図鑑 [著]清水浩史 [評者]島田雅彦(作家・法政大学教授) [掲載]2015年10月18日 [ジャンル]社会 ■冒険か現実逃避か、絶海の誘惑 もはや秘境は何処(どこ)にもないといわれるが、島国日本にはまだ行くのが困難極まる島々が少なからずある。植民開拓の…

日記:賀川豊彦と宮沢賢治

- 賀川豊彦の世界においては、神の「生命」という観念において、すべてが統一され、生命の「力」が強調される。が、世界の統一原理は、もちろんキリスト教絶対神に求められるので、「大きな生命」を宇宙の原理に置く生命主義とは異なり、「生命」は世界の第…

覚え書:「ストーリー:故郷追われた罪なき少女 無人機が奪った未来」、『毎日新聞』2015年11月08日(日)付。

- ストーリー:故郷追われた罪なき少女(その1) 無人機が奪った未来 毎日新聞 2015年11月08日 東京朝刊 ヘーゼル色(薄褐色)の澄んだ瞳が印象的だった。パキスタンの首都イスラマバード。住宅街の一角にある弁護士事務所に現れた少女は、ソファに浅く腰掛…

覚え書:「介護民俗学へようこそ!−「すまいるほーむ」の物語 [著]六車由実 [評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- 介護民俗学へようこそ!−「すまいるほーむ」の物語 [著]六車由実 [評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史) [掲載]2015年10月18日 [ジャンル]社会 ■「聞き書き」を活かし、共生目指す 著者は気鋭の民俗学者でありつつ、介護の現場で働いている。彼女は…

覚え書:「新宗教と総力戦 [著]永岡崇 [評者]原武史(明治学院大学教授・政治思想史)」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- 新宗教と総力戦 [著]永岡崇 [評者]原武史(明治学院大学教授・政治思想史) [掲載]2015年10月18日 [ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 ■天理教と国家の関係をさぐる 幕末以降、日本では新たな宗教が次々と起こった。本書が対象とする天理教もその一つ…

覚え書:「Masato [著]岩城けい [評者]星野智幸(小説家)」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。

- Masato [著]岩城けい [評者]星野智幸(小説家) [掲載]2015年10月18日 [ジャンル]文芸 ■異国の地、母の孤独と子の成長 タイトルでもある語り手の真人は、父親の転勤により、12歳前後でオーストラリアに引っ越し、英語ができれば将来有利だからとい…

覚え書:「寂聴 残された日々:6 高橋源一郎とSEALDs 前途に光、心洗われる対話」、『朝日新聞』2015年11月13日(金)付。

- 寂聴 残された日々:6 高橋源一郎とSEALDs 前途に光、心洗われる対話 2015年11月13日 (写真キャプション)寂庵の庭に咲くシュウメイギク 世の中が混沌(こんとん)として、日本はこの先、どうなっていくのかと不安が頭一杯になり、93年も生きて…