アナキズム

覚え書:ノーム・チョムスキーの展望する、「来るべきアナーキスト社会」

- 問:あなたがアナーキスト社会という言葉を口にするとき、今の多くの人たちは誤った印象を持つのではと思います……あなたの描くアナーキスト社会とは、超過激な民主主義の一形態という意味なのでしょうか? まず最初に申し上げておくと、「アナーキズム」の…

書評:ピョートル・クロポトキン(大窪一志訳)『相互扶助再論 支え合う生命・助け合う社会』同時代社、2012年。

- 近頃では、理想などというと嘲笑われるだけだ、とよくいわれる。そして、なぜそうなのかは、たやすくわかる。理想ということばが、純情な人たちをだますのに使われてばかりきたからだ。だから、こういった反撥が起こるのは当然だし、健全だとさえいえる。…

覚え書:「書評:伊藤野枝と代準介 [著]矢野寛治 [評者]出久根達郎(作家)」、『朝日新聞』2013年01月06日(日)付。

- 伊藤野枝と代準介 [著]矢野寛治 [評者]出久根達郎(作家) [掲載]2013年01月06日■「奔放な恋の女」の真実に迫る こんなにも知的な美人、とは意外だった。 伊藤野枝、である。評者の知る野枝は、大正期の婦人運動家で、結婚を破棄して上野高等女学校の英語教…

学ぶべき価値のある言葉は、日本語と英語だけだと考えているような人は間違っています。…英語ではだめなのです。保証しますよ。

- 多数言語によるコミュニケーションの重要性 最後にもう一言申し上げたいと思います。 当時においても、現在においても、別の言語で学んだり話したりすることを学ぶために注がれるエネルギーの量には驚くべきものがあります。情報を伝え、効用を伝え、考え…

覚え書:「遊覧・もうひとつの現代史 東京都江東区亀戸周辺=苅部直」、『毎日新聞』2012年9月5日(水)付。

- 遊覧・もうひとつの現代史 東京都江東区亀戸周辺 苅部直追悼碑と記念碑 この9月1日は、関東大震災が起こってから八十九年となる日。ぞろ目の八十八と切りのいい九十との間の地味な間合いではあるが、この震災で大きな被害を受けた亀戸近辺に行ってみよう…

書評:黒岩比佐子『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』講談社、2010年。

苦境を笑いとばし、文で闘う堺利彦の抵抗の精神黒岩比佐子『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』講談社、2010年。 大逆事件以降、社会主義運動は「冬の時代」を迎える。その時期に、翻訳・編集会社「売文社」を興し、運動の資金稼ぎを行った…

僕は精神が好きだ。しかしその精神が理論化されると大がいは厭になる

- 大杉栄「僕は精神が好きだ」『文明批評』一巻二号、一九一八年二月。 僕は精神が好きだ。しかしその精神が理論化されると大がいは厭になる。理論化という行程の間に、多くは社会的現実との調和、事大的妥協があるからだ。まやかしがあるからだ。 精神その…

観念や理想の力や光は、その本当の強さを保つためには、自分で一字々々、一行々々ずつ書いて来た文字そのものから放たれるものでなければならない。

- 人生とは何ぞやという事は、かつて哲学史上の主題であった。そしてそれに対する種々の解答が、いわゆる大哲学者らによって提出された。しかし、人生は決して、あらかじめ定められた、すなわちちゃんと出来上がった一冊の本ではない。各人がそこへ一字々々…