2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日記:八王子倫理学会?

水曜日は、通信教育部で教鞭を執っていたときの、受講生とかるく一献してきました。いやー、ひさしぶりにいい酒を酌み交わした時間を過ごすことができ、ありがとうございました。通信教育部は、卒業を勝ち取るためには、レポート作成が要となりますから、ほ…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『大いなる探求 上・下』=シルヴィア・ナサー著」、『毎日新聞』2013年08月18日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『大いなる探求 上・下』=シルヴィア・ナサー著毎日新聞 2013年08月18日 東京朝刊 (新潮社・各2310円) ◇歴史を見つめた経済学者たちの息づかい 数学者・経済学者のJ・ナッシュを描いた大ヒット映画『ビューティフル・マ…

覚え書:「今週の本棚・情報:『井筒俊彦全集』刊行へ」、『毎日新聞』2013年08月18日(日)付。

- 今週の本棚・情報:『井筒俊彦全集』刊行へ毎日新聞 2013年08月18日 東京朝刊 慶應義塾大学出版会は、「知の巨人」井筒俊彦の没後20年と来年の生誕100年を記念して、『井筒俊彦全集』(全12巻・別巻、分売可)を刊行する。30を超える言語に通じ、…

日記:病院日記(8) 「ありがとう」の一言に嬉しさを覚える自分の下衆さ

ようやく帰宅。やっぱりというか、ものすごい疲れた。入浴介助だけなら、「ものすごい」と形容しないのだろうけど、そのあとGMSで24時過ぎまで仕事すると躰に堪えるなあ、と。何というか若くないことを痛感する。朝から夕方までの入浴介助だけでも、足腰が…

覚え書:「グローブトロッター―世界漫遊家が歩いた明治ニッポン [著]中野明 [評者]内澤旬子」、『朝日新聞』2013年08月11日(日)付。

- グローブトロッター―世界漫遊家が歩いた明治ニッポン [著]中野明 [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター) [掲載]2013年08月11日■人は旅になにを求めるのか 19世紀末の欧米にグローブトロッター(世界漫遊家)と呼ばれる人々が出現する。交通機関の進…

覚え書:「チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド [編著]東浩紀」、『朝日新聞』2013年08月11日(日)付。

- チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド [編著]東浩紀 [掲載]2013年08月11日 [ジャンル]社会 国際 著者:東浩紀、津田大介、開沼博 出版社:ゲンロン 価格:¥ 1,470Amazon.co.jp楽天ブックス紀伊國屋書店BookWebTSUTAYA online ウクライナで旧ソ連時代…

書評:小熊英二編ほか著『平成史』河出書房新社、2013年。

小熊英二編ほか著『平成史』河出書房、読了。歴史は代表する何かによって描かれるが、70年代以降「『代表が成立しない』という状況を生んでいる」。本書は「社会構造と社会意識の変遷史として描くしか、『平成史』の記述はありえない」認識のもと、失われた…

覚え書:「考えすぎた人―お笑い哲学者列伝 [著]清水義範 [評者]鷲田清一」、『朝日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 考えすぎた人―お笑い哲学者列伝 [著]清水義範[評者]鷲田清一(大谷大学教授・哲学) [掲載]2013年08月11日■「入り口」へ誘う快調な文章擬態 神託をもとめ「ソクラテスより頭のいい人間はいますか」と訊(たず)ねるところを、「頭の強い人間」と言い損ねたあ…

覚え書:「消費税日記―検証 増税786日の攻防 [著]伊藤裕香子 [評者]水野和夫」、『朝日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 消費税日記―検証 増税786日の攻防 [著]伊藤裕香子[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年08月11日 [ジャンル]経済 ■「最強の根拠」は財務省の発案 野田佳彦内閣が消費税増税法を成立させて、昨日(10日)でちょうど1年たった。本書は2…

覚え書:「そこが聞きたい:麻生副総理「ナチス」発言 ゲプハルト・ヒールシャー氏」、『毎日新聞』2013年08月14日(水)付。

- そこが聞きたい:麻生副総理「ナチス」発言 ゲプハルト・ヒールシャー氏 毎日新聞 2013年08月14日 東京朝刊 ◇過去に決着、意思欠如−−元南ドイツ新聞極東特派員、ゲプハルト・ヒールシャー氏 憲法改正を巡ってナチス政権を引き合いに出した麻生太郎副総理兼…

覚え書:「ドゥルーズの哲学原理 [著]國分功一郎 [評者]いとうせいこう」、『朝日新聞』2013年08月11日(日)付。

- ドゥルーズの哲学原理 [著]國分功一郎[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター) [掲載]2013年08月11日 ■相手の考えの奥に潜り込む フランス現代思想は難解だ、と我々の多くは考えているはずだ。特にジル・ドゥルーズはその最高峰だ。難しい。 そのドゥル…

覚え書:「日本のタコ学 [編著]奥谷喬司 [評者]荒俣宏」、『朝日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 日本のタコ学 [編著]奥谷喬司[評者]荒俣宏(作家) [掲載]2013年08月11日■「頭」か「腹」か、から「心」まで ここ20年で大飛躍をとげた日本の「タコ学」。その成果を集めた論文集となれば一読せずにいられない。たとえば「タコの体」は、どこが頭でどこが…

書評:清水知子『文化と暴力 揺曳するユニオンジャック』月曜社、2013年。

清水知子『文化と暴力 揺曳するユニオンジャック』月曜社、読了。サッチャー政権以後の「社会のない社会」と呼ばれた時代を、人々はどのように生き、そこから何を生みだしたのか。現代イギリス社会を対象に文化と暴力の構造を読み解く一冊。イギリス人にとっ…

覚え書:「「少女小説」の生成―ジェンダー・ポリティクスの世紀 [著] 久米依子 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 「少女小説」の生成―ジェンダー・ポリティクスの世紀 [著] 久米依子[評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年08月11日■規範と逸脱の麗しき輪舞 近代日本の「少女小説」。このジャンルの独自性は、日本の近代化と文化表象の特異性を裏書きしている。…

覚え書:「ルイス・ブニュエル [著]四方田犬彦 [評者]佐々木敦」、『朝日新聞』2013年08月11日(日)付。

- ルイス・ブニュエル [著]四方田犬彦[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授) [掲載]2013年08月11日 ■反転と逆説の映画、妖しい輝きを活写 ルイス・ブニュエルは、1900年にスペインに生まれ、1983年に没した映画監督である。彼はシュールレアリスム…

覚え書:公共哲学としての南原繁

- 東京大学総長を務めた南原の場合、内村鑑三(一八六一−一九三〇)の流れをくむ無教会派キリスト教の影響とともに、カントの永遠平和思想とフィヒテの抵抗のナショナリズムの双方から強い影響を受けていました。前章でみたように、双方の公共哲学は相違いま…

覚え書:「書評:これからお祈りにいきます 津村 記久子 著」、『東京新聞』2013年08月11日(日)付。

- これからお祈りにいきます 津村 記久子 著2013年8月11日 ◆神社に頼る若者らを描く [評者]佐藤洋二郎=作家 生きていくための経験や知識が乏しいために、不安と焦燥の中にいるのが青春時代だという気もするが、本書にはその多感な時代の揺れ動く心を描い…

覚え書:「書評:<おんな>の思想 上野 千鶴子 著」、『東京新聞』2013年08月11日(日)付。

- <おんな>の思想 上野 千鶴子 著2013年8月11日 ◆リブ、フェミニズムの現在 [評者]三上治=評論家 経産省の一角に立つ三つのテント、内の一つは女性用のテントだ。このテントで「未来を孕(はら)む女たちのとつきとおかのテントひろば」行動が提起され…

日記:『風立ちぬ』雑感 −−ひとりの人間の、その内に孕む矛盾をひとつの作品に

全体がワッーって収斂されていくことには懐疑的だから、日本テレビ+スタジオジブリを宣揚することだけは避けているんですけど、子どもが見たいというので、『風立ちぬ』を見てきました。宮崎駿さんが自身のうちに秘めている、兵器と平和の両者への指向(思…

覚え書:「今週の本棚:井波律子・評 『「青鞜」の冒険−女が集まって雑誌をつくるということ』=森まゆみ・著」、『毎日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 今週の本棚:井波律子・評 『「青鞜」の冒険−女が集まって雑誌をつくるということ』=森まゆみ・著毎日新聞 2013年08月11日 東京朝刊 (平凡社・1995円) ◇破天荒な「女性誌」同人が輝いた時代 明治四十四年(一九一一)に創刊された雑誌『青鞜(せいと…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『日本国憲法の初心 山本有三の「竹」を読む』=鈴木琢磨・編著」、『毎日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『日本国憲法の初心 山本有三の「竹」を読む』=鈴木琢磨・編著毎日新聞 2013年08月11日 東京朝刊 (七つ森書館・1680円) 書物には“顔”がある。品格とでも言えばいいだろうか。それは昨今の電子書籍では味わえない確かな手触りであ…

書評:R・A・モース、赤坂憲雄編『世界の中の柳田国男』藤原書店、2012年。

R・A・モース、赤坂憲雄編『世界の中の柳田国男』藤原書店、読了。本書は11人の外国人研究者、2人の日本人研究者が知の巨人の多様な実像を描き出す一冊。手放しの賞賛でも痛罵でもない落ち着いた筆致は、通俗的な柳田像を見直すきっかけになる。いろい…

覚え書:「今週の本棚:荒川洋治・評 『読書について』=ショーペンハウアー・著」、『毎日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 今週の本棚:荒川洋治・評 『読書について』=ショーペンハウアー・著毎日新聞 2013年08月11日 東京朝刊 (光文社古典新訳文庫・780円) ◇自分の頭で考えない人のための読書哲学 読書とは何かを知るためにはこの本しかない。これまでも、これからも。 ド…

覚え書:「今週の本棚・情報:「谷川健一全集」が完結」、『毎日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 今週の本棚・情報:「谷川健一全集」が完結毎日新聞 2013年08月11日 東京朝刊 冨山房インターナショナル(東京・神田神保町)が2006年から刊行していた『谷川健一全集』(全24巻)が完結した。日本を代表する民俗学者は長年、沖縄をはじめ全国の民俗…

覚え書:「みんなの広場 他国の歴史を学ぼう」、『毎日新聞』2013年08月10日(土)付。

- みんなの広場 他国の歴史を学ぼう 高校生 16(東京都練馬区) 先日、麻生太郎副総理のナチス発言が問題になり、国際的にも非難を受けるという事態に陥りました。 ドイツは今でもナチスドイツ時代の反省から、ナチス式敬礼である右手を挙げること、ナチスの…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『千曲川ワインバレー 新しい農業への視点』 著者・玉村豊男さん」、『毎日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『千曲川ワインバレー 新しい農業への視点』 著者・玉村豊男さん毎日新聞 2013年08月11日 東京朝刊 (集英社新書・798円) ◇持続へ向かうライフスタイル−−玉村豊男(たまむら・とよお)さん 生まれも育ちも東京でフランス通のエッセ…

覚え書:「今週の本棚:本村凌二・評 『新・ローマ帝国衰亡史』『古代末期−ローマ世界の変容』」、『毎日新聞』2013年08月11日(日)付。

- 今週の本棚:本村凌二・評 『新・ローマ帝国衰亡史』『古代末期−ローマ世界の変容』毎日新聞 2013年08月11日 東京朝刊 ◆『新・ローマ帝国衰亡史』=南川高志・著(岩波新書・798円) ◆『古代末期−ローマ世界の変容』=B・ランソン著、大清水裕ほか訳(…

書評:上野俊哉『思想の不良たち 1950年代 もう一つの精神史』岩波書店、2013年。

上野俊哉『思想の不良たち 1950年代 もう一つの精神史』岩波書店、読了。本書は、近代日本の矛盾と葛藤と正面から切り結んだ安部公房、鶴見俊輔、花田清輝、きだみのる)を取り上げ、その思想の可能性を問い直す試み。戦争、メディア、民衆を切り口に、…

覚え書:「メディアとしての紙の文化史 [著]ローター・ミュラー [評者]田中優子」、『朝日新聞』2013年08月04日(日)付。

- メディアとしての紙の文化史 [著]ローター・ミュラー [評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化) [掲載]2013年08月04日 [ジャンル]歴史 ■製紙技術をめぐる発見満載 中国起源の紙はアジアで広まり、パピルスはヨーロッパで広まったと思っていた。しかしそ…

覚え書:「私たちが、すすんで監視し、監視される、この世界について [著]ジグムント・バウマン、デイヴィッド・ライアン [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年08月04日(日)付。

- 私たちが、すすんで監視し、監視される、この世界について [著]ジグムント・バウマン、デイヴィッド・ライアン [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年08月04日 [ジャンル]社会 ■「我見られる、ゆえに我あり」 高速で移動する資本や情報、流動化す…