イスラーム

覚え書:「インタビュー:アフガン復興を支える NGO「ペシャワール会」現地代表・中村哲さん」、『朝日新聞』2016年01月30日(土)付。

- インタビュー:アフガン復興を支える NGO「ペシャワール会」現地代表・中村哲さん 2016年1月30日 (写真キャプション)中村哲医師。福岡県太宰府市の九州国立博物館で開かれた現地活動写真展で=久松弘樹撮影 米軍などが「対テロ戦」を掲げ、タリバーン…

書評:ブルース・ローレンス(池内恵訳)『コーラン』ポプラ社、2008年。

ブルース・ローレンス(池内恵訳)『コーラン』ポプラ社。イスラームの聖典は一人のアラブ商人が受けた啓示から始まり、長い年月を経て人々に広がり、解釈され強大な信仰となった。その成り立ちと変遷を辿る本書は初学者の最初の一冊に相応しい。巻末に塩野…

書評:師岡カリーマ・エルサムニー『変わるエジプト、変わらないエジプト』白水社、2012年。

師岡カリーマ・エルサムニー『変わるエジプト、変わらないエジプト』白水社、読了。11年の政変以来揺れ続けるエジプトについて私たちはどれだけのことを知っているのだろうか。ピラミッド? イスラーム? 最も歴史の長い地域のことを殆ど知らないのではな…

書評:中西竜也『中華と対話するイスラーム 17−19世紀中国ムスリムの思想的営為』京都大学学術出版会、2013年。

中西竜也『中華と対話するイスラーム 17−19世紀中国ムスリムの思想的営為』京都大学学術出版会、読了。俗にイスラームは商人の宗教といわれたように、在中ムスリムはイスラーム勃興期に起源をもつ。本書は、アジア各地からやってきたムスリム移民の土着内開…

書評:新井政美編著『イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘』講談社、2013年。

新井政美編著『イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘』講談社、読了。イスラムは「反近代的」か。イスラムと近代的価値観の対立・調和の実験場=トルコの近現代史を材料に、本書は、共和国トルコの「苦悶」の歩みから「近代化」「政教分離」「世俗化」の内在…

書評:柴原三貴子『ムスリムの女たちのインド 増補版』木犀社、2012年。

- 幼いころ両親を亡くし親戚の家で育った夫と結婚したチャビーラおばさんは、舅や姑との関係に苦労しなかった代わりに、夫が親から受け継ぐ農地も住む家もなかった。マクドゥミアを家に建てるだけの小さな土地を買い、ボンベイで働く夫の帰りを待ちながら、…

覚え書:「書評:ヴェールの政治学 [著]ジョーン・W・スコット [評者]鷲田清一」、『朝日新聞』2012年12月16日(日)付。

- ヴェールの政治学 [著]ジョーン・W・スコット [評者]鷲田清一(大谷大学教授・哲学)■仏共和制の矛盾、映し出した排除 2004年、フランス議会は、公立学校において宗教的帰属を「誇示」するアイテムの着用を禁じた法律を可決した。10年には、公共の場…

書評:ムスタファ・シェリフ(小幡谷友二訳)『イスラームと西洋―ジャック・デリダとの出会い、対話』駿河台出版社、2007年。

デリダとイスラーム?……文明の根源は「多元性」の尊重、そして保障する「来るべき民主主義」の普遍主義を語る。書評:ムスタファ・シェリフ(小幡谷友二訳)『イスラームと西洋―ジャック・デリダとの出会い、対話』駿河台出版社、2007年。 「私は多元性が文…

書評:タミム・アンサーリー(小沢千重子訳)『イスラームから見た「世界史」』紀伊國屋書店、2011年。

もっとも新しい世界宗教としてのイスラームの歴史と生活。平板な認識を更新する一書タミム・アンサーリー(小沢千重子訳)『イスラームから見た「世界史」』紀伊國屋書店、2011年。 日本と西洋社会に共通している問題とは何か。それはその両者の間に広く・深…