2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

研究ノート:中沢新一は、一種の超越なきパラダイス論

- 超越なきパラダイス竹田 中沢新一は、一種の超越なきパラダイス論*を立てていると思うんです。彼は天国のことや無限に微分化され続ける差違の領域というようなことを言うわけです。それは要するに、差違のパラダイスですね。ところが、それは全然まずいん…

覚え書:「今週の本棚:中村桂子・評 『弱いロボットーシリーズ ケアをひらく』=岡田美智男・著」、『毎日新聞』2012年9月30日(日)付。

- 今週の本棚:中村桂子・評 『弱いロボットーシリーズ ケアをひらく』=岡田美智男・著 (医学書院・2100円) ◇何もできない存在が人との関係を生み出す 「弱いロボット」という標題と帯の「ひとりでできないもん」という文字がなんだか気になった。ロボ…

社会が先か、個人が先か、という問題は、鶏と卵の問題と同じ

- 社会が先か、個人が先か、という問題は、鶏と卵の問題と同じことです。これを論理的な問題として扱うにせよ、歴史的な問題として扱うにせよ、反対の、同じく一面的な主張によって訂正されないで済むような主張をすることは出来ません。社会と個人とは不可…

覚え書:「今週の本棚:富山太佳夫・評 『出版と政治の戦後史』=アンドレ・シフリン著」、『毎日新聞』2012年9月30日(日)付。

- 今週の本棚:富山太佳夫・評 『出版と政治の戦後史』=アンドレ・シフリン著 (トランスビュー・2940円) ◇激動を追い求める編集者の目線 「しかし、多くの人にとって、仕事や年金を失うかもしれないこと、とくに中高年になってそうした目にあうという…

書評:奥田博子『原爆の記憶 ヒロシマ/ナガサキの思想』慶應義塾大学出版会、2010年。

奥田博子『原爆の記憶 ヒロシマ/ナガサキの思想』慶應義塾大学出版会、読了。本書は著者のいう通り「戦後日本の『平和と経済成長』神話と表裏一体にある『唯一の被爆国/被爆国民』神話の解体をめざすもの」。「唯一の被爆国・被爆国民」の「脱構築」の可能…

覚え書:「みんなの広場 沖縄県民の不安を無視するな 主婦 45(埼玉県川口市)」、『毎日新聞』2012年9月30日(日)付。

- みんなの広場 沖縄県民の不安を無視するな 主婦 45(埼玉県川口市) 結婚して本土に暮らす私は、いつも沖縄にいる親、兄弟、親戚の幸せを祈っている。9日のオスプレイの配備反対の県民大会に兄弟たちも参加し、10万人余り集まったそうだ。政府もきっと動…

敵味方と分れても、彼我の交争を超越する最高の原理を共同する所から、互に尊敬し合ふといふのは、昔からの日本民族の誇りとした精神ではないか。

- 且つ亦、仮令国法を蹂躙し、正面から我々に反対するものでも、之を無下に敵視するのは古来の武士道の精神でもない。敵味方と分れても、彼我の交争を超越する最高の原理を共同する所から、互に尊敬し合ふといふのは、昔からの日本民族の誇りとした精神では…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 『つどい』に行けない人たち=湯浅誠」、『毎日新聞』2012年9月28日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 「つどい」に行けない人たち 湯浅誠 反貧困ネットワーク事務局長「当事者参加」をどう確保するか 本当に子育てで大変な人は、子育て政策を考えるつどいには来られない。本当に介護に追われている人は、介護保険のあるべき姿を…

覚え書:「村上春樹さん寄稿 領土巡る熱狂『安酒の酔いに似てる』」、『朝日新聞』2012年9月28日(金)付。

- 村上春樹さん寄稿 領土巡る熱狂「安酒の酔いに似てる」 作家の村上春樹さん(63)が、東アジアの領土をめぐる問題について、文化交流に影響を及ぼすことを憂慮するエッセーを朝日新聞に寄せた。村上さんは「国境を越えて魂が行き来する道筋」を塞いでは…