西洋思想・文化

書評:ミシェル・ヴィノック(大嶋厚訳)『フランスの肖像 歴史・政治・思想』吉田書店、2014年。

ミシェル・ヴィノック(大嶋厚訳)『フランスの肖像 歴史・政治・思想』吉田書店、読了。「フランスについて、簡単に説明していただけますか」。本書は、フランス近現代史の大家がその疑問に答える「フランス入門」。「フランス国民はフランスの存続を望んで…

書評:飯倉章『黄禍論と日本人 欧米は何を嘲笑し、恐れたのか』中公新書、2013年。

- 他に西洋列強諸国が勝利の要因として注目したのは、日本の愛国主義である。そのお様子を如実に示しているのが『パンチ』に載った「愛国心のレッスン」〔図6−19〕だ。日本の軍事的成功に、ジョンブルが「あなたの軍制度はみごとに機能しているように思われ…

書評:ニーアル・ファーガソン(仙名紀訳)『文明 西洋が覇権をとれた6つの真因』勁草書房、2012年。

- 「いったいどのようにして……ヨーロッパはこれほど強大になり得たのだろうか。ヨーロッパ人は交易や征服のためにアジアやアフリカをたやすく訪れることができるのに、アジア人やアフリカ人がなぜヨーロッパの沿岸や港湾を侵略して植民地を築けないのだろう…

世の東西の解釈(1)

- 究極の解釈ということは、自己矛盾であるように思われる。解釈は常に途上にある。したがって、解釈という語が人間存在の有限性と知の有限性とを指し示すのだとすると、解釈の経験は、以前の自己了解のうちに存在していなかったものや、解釈学として特殊な…

書評:サルヴァトーレ・セッティス(石井朗訳)『“古典的なるもの”の未来―明日の世界の形を描くために』ありな書房、2012年。

サルヴァトーレ・セッティス(石井朗訳)『“古典的なるもの”の未来―明日の世界の形を描くために』ありな書房、2012年。古代から現代へ至るヨーロッパ精神史を“classical”を切り口にしながら、その本質といってよい「ヨーロッパとは何か」を浮き彫りにする好…