2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「貘の檻 [編]道尾秀介」、『朝日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 貘の檻 [編]道尾秀介 [掲載]2014年06月15日 [ジャンル]人文 嫌な夢を見た時、夢で良かったと思う。しかしそれは本当に夢だったのだろうか。作品ごとに作風を変えてきた作家の、8年ぶりの書き下ろし長編。幻想と仕掛けで楽しませるミステリー。 主人公の…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 NPO弱体化の懸念=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年06月18日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 NPO弱体化の懸念 法人減税で租税特別措置見直し湯浅誠 社会活動家 世は決算期だ。私の関わってる一般社団法人は年間で十数万円の黒字を出し、法人税を納めそうだ。メンバー全員がボランティアということもあり、わずかな利…

覚え書:「謝るなら、いつでもおいで [著]川名壮志 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)」、『朝日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 謝るなら、いつでもおいで [著]川名壮志 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家) [掲載]2014年06月15日 [ジャンル]社会 ■二重の立場、悩み揺れる記者 本書の題材は、10年前に起きた「佐世保・小6同級生殺害事件」。被害者は、著者の上司である新…

覚え書:「アメリカの家庭と住宅の文化史−−家事アドバイザーの誕生 [著]サラ・A・レヴィット [評者]水無田気流(詩人・社会学者)」、『朝日新聞』2014年06月15日(日)付。

- アメリカの家庭と住宅の文化史−−家事アドバイザーの誕生 [著]サラ・A・レヴィット [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2014年06月15日 [ジャンル]歴史 社会 ■「家庭を作る」行為を掘り下げる メディアでお馴染(なじ)みの、暮らしを美しく演出す…

覚え書:「テキヤはどこからやってくるのか?−−露店商いの近現代を辿る [著]厚香苗 [評者]三浦しをん(作家)」、『朝日新聞』2014年06月15日(日)付。

- テキヤはどこからやってくるのか?−−露店商いの近現代を辿る [著]厚香苗 [評者]三浦しをん(作家) [掲載]2014年06月15日 [ジャンル]人文 社会 ■洗練された相互扶助のシステム 神社の縁日などで露店を連ね、綿あめやタコ焼きを売る「テキヤさん」。わくわ…

覚え書:「(集団的自衛権)敵兵殺す覚悟、できなかった 石田雄・東大名誉教授」、『朝日新聞』2014年06月17日(火)付(夕刊)。

- (集団的自衛権)敵兵殺す覚悟、できなかった 石田雄・東大名誉教授 2014年6月17日 「人殺しを命じられる身を考えて」。本紙「声」欄に10日、そう題した投稿が載った。投稿者は、太平洋戦争の軍隊経験を持つ政治学の碩学(せきがく)、石田雄(たけし)…

覚え書:「幻想のジャンヌ・ダルク−−中世の想像力と社会 [著]コレット・ボーヌ [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)」、『朝日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 幻想のジャンヌ・ダルク−−中世の想像力と社会 [著]コレット・ボーヌ [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2014年06月15日 [ジャンル]歴史 社会 ■中世の終わりを刻印した乙女 1430年5月、ジャンヌ・ダルクは仏コンピエーニュ郊外でイギリス…

覚え書:「壽屋コピーライター 開高健 [著]坪松博之 [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)」、『朝日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 壽屋コピーライター 開高健 [著]坪松博之 [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家) [掲載]2014年06月15日 [ジャンル]人文 社会 ■庶民を代弁し簡潔に時代を貫く やっぱり最後は開高健という本好きは少なくないと思う。釣り、酒、旅に酔った自由な生…

覚え書:「王朝小遊記 [著]諸田玲子 [評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)」、『朝日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 王朝小遊記 [著]諸田玲子 [評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史) [掲載]2014年06月15日 [ジャンル]歴史 人文 ■「ホンモノの平安人」の冒険活劇 少し前までは、テレビをつければどこかで時代劇を放映していて、舞台はほとんどが江戸時代であった。古…

書評:内田樹・中島岳志・平松邦夫・イケダハヤト・小田嶋隆・高木新平・平松克美『脱グローバル論 日本の未来のつくりかた』講談社、2013年。

内田樹・中島岳志・平松邦夫・イケダハヤト・小田嶋隆・高木新平・平松克美『脱グローバル論』講談社、読了。平松前大阪市長主催の公共政策ラボでの連続シンポジウムの記録。グローバリスト=ナショナリスト・イデオロギーにどう対抗するのか。「日本の未来…

覚え書:「江戸・東京の都市史−−近代移行期の都市・建築・社会 [著]松山恵 [評者]原武史(明治学院大学教授・政治思想史)」、『朝日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 江戸・東京の都市史−−近代移行期の都市・建築・社会 [著]松山恵 [評者]原武史(明治学院大学教授・政治思想史) [掲載]2014年06月15日 [ジャンル]歴史 社会 ■地図や図面からあぶり出す歴史 明治維新によって、京都にいた天皇は東京に移動し、将軍がいなく…

覚え書:「【書く人】時代つくった「梁山泊」 『「現代思潮社」という閃光』 文筆家 陶山 幾朗さん (74)」、『東京新聞』2014年06月15日(日)付。

- 【書く人】時代つくった「梁山泊」 『「現代思潮社」という閃光』 文筆家 陶山 幾朗さん (74) 2014年6月15日 かつて現代思潮社(現在は新社)という出版社があった。小さいながら、一九六○〜七○年代の文化の先端を拓(ひら)き、異彩を放った出版社だ…

覚え書:「書評:高齢者が働くということ ケイトリン・リンチ 著」、『東京新聞』2014年06月15日(日)付。

- 高齢者が働くということ ケイトリン・リンチ 著 2014年6月15日 ◆生きている実感得る [評者]中沢孝夫=福山大教授 本書は米国ボストンの郊外にある約四十人が働く、特殊な注射針などをつくる工場(ヴァイタニードル社)の物語である。この工場の半数以上…

覚え書:「どう動く:集団的自衛権 私の意見/3 「限定的」ありえない 神戸女学院大名誉教授・内田樹さん(63)」、『毎日新聞』2014年06月16日(月)付。

- どう動く:集団的自衛権 私の意見/3 「限定的」ありえない 神戸女学院大名誉教授・内田樹さん(63) 毎日新聞 2014年06月16日 東京朝刊 集団的自衛権の行使の容認に、外交的なメリットは何もない。海外での戦争に巻き込まれれば、自衛隊員の死傷者が出…

覚え書:「書評:万葉びとの宴 上野 誠 著」、『東京新聞』2014年06月15日(日)付。

- 万葉びとの宴 上野 誠 著 2014年6月15日 ◆酒と歌が縮める距離 [評者]岸本葉子=エッセイスト 私たちの遠い祖先の宴会を、万葉集の研究者が再現し考察する。なにゆえ万葉集なのか。収録されている歌のほとんどが、宴(うたげ)で披露されたものだから。「…

覚え書:「書評:神と仏の再発見 長部 日出雄 著」、『東京新聞』2014年06月15日(日)付。

- 神と仏の再発見 長部 日出雄 著 2014年6月15日 ◆日本人の基盤に畏れる心 [評者]佐藤洋二郎=作家 日本は不思議な国だ。蕃神(ばんしん)である仏様を敬い、なおかつ八百万(やおよろず)の神様も崇拝する。先進国でこんなに神仏を崇(あが)める民族はい…

覚え書:「書評:第一ポップ時代 ハル・フォスター 著」、『東京新聞』2014年06月15日(日)付。

- 第一ポップ時代 ハル・フォスター 著 2014年6月15日 ◆見る側を惑わすイメージ [評者]高島直之=武蔵野美大教授 ポップ・アートの画家たちR・ハミルトン、R・リクテンスタイン、A・ウォーホール、G・リヒター、E・ルシェーの五人を取り上げて二十世…

書評:本田由紀『社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ』岩波ブックレット、2014年。

本田由紀『社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ』岩波ブックレット、読了。行き詰まり混迷を深める現代日本。その淵源をどう理解すればよいのか。本書は戦後日本に誕生した社会システムを教育・仕事・家族が一方向にリンクした「戦後日本型循環モデル…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『グレーの時代 3・11から1・17へ』 著者・楠見朋彦さん」、『毎日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『グレーの時代 3・11から1・17へ』 著者・楠見朋彦さん 毎日新聞 2014年06月15日 東京朝刊 (短歌研究社・2700円) ◇二つの震災後の状況を問う−−楠見朋彦(くすみ・ともひこ)さん サブタイトルの二つの日付は東日本大震災…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『宇宙人の見る地球』=須藤靖・著」、『毎日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『宇宙人の見る地球』=須藤靖・著 毎日新聞 2014年06月15日 東京朝刊 (毎日新聞社・1620円) 日常の些事(さじ)の本質を「宇宙人」の視点でとらえ、思考実験を通して理論構築を試みた随筆集だ。東京大で教鞭(きょうべん)をとる…

覚え書:「今週の本棚:鹿島茂・評 『赤い橋の殺人』=シャルル・バルバラ著」、『毎日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 今週の本棚:鹿島茂・評 『赤い橋の殺人』=シャルル・バルバラ著 毎日新聞 2014年06月15日 東京朝刊 (光文社古典新訳文庫・994円) ◇忘却の淵から訳者に発掘された稀覯本 雑誌『ふらんす』(白水社)には「さえら」と題するページがあり、その月に刊行…

覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:天気伝えぬ非人道性 元気象研究所研究室長・増田善信さん」、『毎日新聞』2014年06月16日(月)付。

- 特定秘密保護法に言いたい:天気伝えぬ非人道性 元気象研究所研究室長・増田善信さん 毎日新聞 2014年06月16日 東京朝刊(写真キャプション)増田善信さん=青島顕撮影 ◇増田善信さん(90) 1941年、京都の天橋立(あまのはしだて)に近い測候所に入…

覚え書:「今週の本棚:池内紀・評 『完訳 エリア随筆1−正篇[上]』=チャールズ・ラム著」、『毎日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 今週の本棚:池内紀・評 『完訳 エリア随筆1−正篇[上]』=チャールズ・ラム著 毎日新聞 2014年06月15日 東京朝刊 ◆池内紀(おさむ)評 (国書刊行会・2592円) ◇息の合った名訳による新しい文学世界 正篇・続篇完訳版の1である。タイトル自体が何や…

覚え書:「今週の本棚:渡辺保・評 『図説 江戸の「表現」−浮世絵・文学・芸能』=人間文化研究機構、国文学研究資料館・編」、『毎日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 今週の本棚:渡辺保・評 『図説 江戸の「表現」−浮世絵・文学・芸能』=人間文化研究機構、国文学研究資料館・編 毎日新聞 2014年06月15日 東京朝刊 (八木書店古書出版部・1万2960円) ◇判じ絵、和歌・俳句に見る文化の体系 ここに一枚の絵がある。 …

覚え書:「今週の本棚:磯田道史・評 『ルポ 電王戦−人間VS.コンピュータの真実』=松本博文・著」、『毎日新聞』2014年06月15日(日)付。

- 今週の本棚:磯田道史・評 『ルポ 電王戦−人間VS.コンピュータの真実』=松本博文・著 毎日新聞 2014年06月15日 東京朝刊 (NHK出版新書・842円) ◇「いい形」から「大局観」得た機械 「電王戦」は、将棋のプロ棋士とコンピューターとの戦いである…

書評:本村凌二『愛欲のローマ史 変貌する社会の底流』講談社学術文庫、2014年。

本村凌二『愛欲のローマ史 変貌する社会の底流』講談社学術文庫、読了。ローマ帝国繁栄下、過剰ともいえる欲望と淫靡な乱交が横行したが、その背景にはローマ人のどのような心性が潜んでいたのか。本書は風刺詩人のまなざしを頼りにしながら、性愛と家族をめ…

覚え書:「トップ記事は、月に人類発見!―十九世紀、アメリカ新聞戦争 [著]マシュー・グッドマン」、『朝日新聞』2014年06月08日(日)付。

- トップ記事は、月に人類発見!―十九世紀、アメリカ新聞戦争 [著]マシュー・グッドマン [掲載]2014年06月08日 [ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝 1833年当時、ニューヨークでも新聞の購読は上流階級のぜいたくで、最も売れる新聞の発行部数は4…

覚え書:「生きづらさの自己表現 アートによってよみがえる「生」 [著]藤澤三佳」、『朝日新聞』2014年06月08日(日)付。

- 生きづらさの自己表現 アートによってよみがえる「生」 [著]藤澤三佳 [掲載]2014年06月08日 [ジャンル]人文 統合失調症、強迫神経症、親の虐待による社会不安障害……生きにくい事情を抱えた人が絵画や映像を制作することで生きる意欲を取り戻していくさま…

覚え書:「寄生虫なき病 [著]モイセズ・ベラスケス=マノフ [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)」、『朝日新聞』2014年06月08日(日)付。

- 寄生虫なき病 [著]モイセズ・ベラスケス=マノフ [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター) [掲載]2014年06月08日 [ジャンル]医学・福祉 ■腸内微生物、退治が招く諸症状 寄生虫を身体に入れ、自己免疫疾患やアレルギー疾患を治す。一見突飛(とっぴ)に…

覚え書:「おいしそうな草 [著]蜂飼耳 [評者]水無田気流(詩人・社会学者)」、『朝日新聞』2014年06月08日(日)付。

- おいしそうな草 [著]蜂飼耳 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2014年06月08日 [ジャンル]人文 ■言葉に内在する力を見つめる 言葉は文字通り言の葉。豊かで目に鮮やかな表象が、「葉」の字を当てさせたのだろうか。だが、筆者はあえて「草」を選ぶ…