2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「徹底討議―日本のエネルギー・環境戦略 [編著]柳下正治」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 徹底討議―日本のエネルギー・環境戦略 [編著]柳下正治 [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]医学・福祉 日本のエネルギー政策は、わずか3年で元に戻りつつある。2年前の夏、全国で熱い国民的議論が展開され、「2030年代原発依存度ゼロ」が決まったこと…

覚え書:「おじさんの哲学 [著]永江朗 [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- おじさんの哲学 [著]永江朗 [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家) [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]文芸 ■肩の力を抜いた言葉に説得力 本書でいうおじさんはいわゆるオッサンではなく、父母の兄弟のおじさんのこと。おじさんは父親とちがって自…

覚え書:「「アイドル」の読み方―混乱する「語り」を問う [著]香月孝史 [評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 「アイドル」の読み方―混乱する「語り」を問う [著]香月孝史 [評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史) [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 ■「饗宴の場」という新しい定義 昨今はAKB48をはじめとするアイドル全盛の世で…

覚え書:ノーム・チョムスキーの展望する、「来るべきアナーキスト社会」

- 問:あなたがアナーキスト社会という言葉を口にするとき、今の多くの人たちは誤った印象を持つのではと思います……あなたの描くアナーキスト社会とは、超過激な民主主義の一形態という意味なのでしょうか? まず最初に申し上げておくと、「アナーキズム」の…

覚え書:「〈働く〉は、これから―成熟社会の労働を考える [編]猪木武徳 [評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 〈働く〉は、これから―成熟社会の労働を考える [編]猪木武徳 [評者]萱野稔人(津田塾大学教授・哲学) [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]経済 社会 ■魔法の解決策はないからこそ 日本の社会で、働くということがここまで盛んに論じられるようになった時代も…

覚え書:「哲学入門 [著]戸田山和久 [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 哲学入門 [著]戸田山和久 [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授) [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]人文 ■「文学」に背向け「科学」と歩む 何のヒネリもない直球の題名に思えるが、読み始めてすぐ、この「哲学」と「入門」の二語の合体には、きわめて野…

覚え書:「山下清と昭和の美術―「裸の大将」の神話を超えて [編]服部正、藤原貞朗 [評者]佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 山下清と昭和の美術―「裸の大将」の神話を超えて [編]服部正、藤原貞朗 [評者]佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論) [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 ■美術と福祉のはざまにある偶像 山下清の作品を初めてじっくり見たのは…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 さらなる費用抑制狙う=本田宏」、『毎日新聞』2014年05月14日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 さらなる費用抑制狙う 審議中の医療・介護総合法案 本田宏 埼玉県済生会栗橋病院院長補佐 オバマ米大統領が来日中の4月24日、「輝け!いのち ヒューマンチェーン国会大包囲」が開催され、約5500人もの全国から集まった…

覚え書:「そこが聞きたい:秘密保護法と向き合う モートン・ハルペリン氏」、『毎日新聞』2014年05月14日(水)付。

- そこが聞きたい:秘密保護法と向き合う モートン・ハルペリン氏 毎日新聞 2014年05月14日 東京朝刊モートン・ハルペリン氏=内藤絵美撮影 ◇国際原則への適合を−−元米国家安全保障会議(NSC)高官、モートン・ハルペリン氏 米国防総省と国家安全保障会議…

覚え書:「運動部活動の戦後と現在―なぜスポーツは学校教育に結び付けられるのか [著]中澤篤史 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 運動部活動の戦後と現在―なぜスポーツは学校教育に結び付けられるのか [著]中澤篤史 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家) [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]教育 人文 ■部活嫌い生む犯人見たり! 「7割以上の中学生と5割以上の高校生が運動部活…

覚え書:「女のいない男たち [著]村上春樹 [評者]水無田気流(詩人・社会学者)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 女のいない男たち [著]村上春樹 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]文芸 ■祟りのように拡散、喪失の物語 独断と偏見だが、本書は祟(たた)る。一見そんなおどろおどろしさはなく、むしろ珍しくのし紙をきちんと巻いたよ…

覚え書:「地球温暖化論争―標的にされたホッケースティック曲線 [著]マイケル・E・マン [評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 地球温暖化論争―標的にされたホッケースティック曲線 [著]マイケル・E・マン [評者]諸富徹(京都大学教授・経済学) [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 科学・生物 ■産業界との「戦争」、科学者の告発の書 本書は、「クライメー…

書評:岡田温司『黙示録 イメージの源泉』岩波新書、2014年。

岡田温司『黙示録 イメージの源泉』岩波新書、読了。禍々しいイメージがつきまとう黙示録だが、本来の意味は「秘密のヴェールが剥がれること」。一体、どのような書物なのか。そしてその思想やイメージはどう育まれてきたのか。本書はテクストに忠実に寄り添…

覚え書:「書評:女のいない男たち 村上 春樹 著」、『東京新聞』2014年05月11日(日)付。

- 女のいない男たち 村上 春樹 著 2014年5月11日 写真 ◆喪失味わうレッスン [評者]伊藤氏貴=文芸評論家 女のいない男たちになるのはとても簡単なことだ。一人の女性を深く愛し、それから彼女がどこかに去ってしまえばいいのだ−とあるとおり、これは最近は…

覚え書:「書評:北京の胡同 ピーター・ヘスラー 著」、『東京新聞』2014年05月11日(日)付。

- 北京の胡同 ピーター・ヘスラー 著 2014年5月11日 写真 ◆変わる社会と庶民を観察 [評者]春名徹=ノンフィクション作家 前作『疾走中国』(白水社)で、きれい事ではない中国の現実を描く才能を発揮したヘスラーの新作。同じタッチで中国を描いた十四編を…

覚え書:「書評:後期20世紀 女性文学論 与那覇 恵子 著」、『東京新聞』2014年05月11日(日)付。

- 後期20世紀 女性文学論 与那覇 恵子 著 2014年5月11日 ◆男性優位変容の潮目読む [評者]千石英世=文芸評論家 現在の日本文学は女性作家ぬきでは語れない。ここ十年ばかりの芥川賞を調べてみると、二〇〇三年下期の金原ひとみ、綿矢りさのダブル受賞以…

書評:長谷川修一『旧約聖書の謎 隠されたメッセージ』中公新書、2014年。

長谷川修一『旧約聖書の謎 隠されたメッセージ』中公新書、読了。旧約聖書に記された物語は神話として扱われるものもあれば、史実のそれも混在する。本書は7つの物語を取り上げ、その史実性を学問的に検証する。語られるメッセージを読み解き、聖書の豊かな…

覚え書:「今週の本棚・この3冊:川=稲泉連・選」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚・この3冊:川=稲泉連・選 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 <1>大地の川−−甦(よみがえ)れ、日本のふるさとの川(関正和著/草思社/品切れ) <2>川の名前(川端裕人著/ハヤカワ文庫JA/864円) <3>日本<汽水>紀行−−「森は…

覚え書:「今週の本棚:斎藤環・評 『ジジェク、革命を語る−不可能なことを求めよ』=スラヴォイ・ジジェク著」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚:斎藤環・評 『ジジェク、革命を語る−不可能なことを求めよ』=スラヴォイ・ジジェク著 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 (青土社・2592円) ◇行動する哲学者の格差社会への抗議 ラカン派にしてマルクス主義者という奇妙な肩書を持つ哲学…

覚え書:「今週の本棚:三浦雅士・評 『新訳 紅楼夢 全七冊』=曹雪芹・作」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚:三浦雅士・評 『新訳 紅楼夢 全七冊』=曹雪芹・作 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 (岩波書店・3456−4752円) ◇詩歌の楽しみ、語り尽くす名訳 中国文学の傑作『紅楼夢』の新訳。一気に読んで深い感銘を受けた。以前、『水滸伝』『…

覚え書:「『ハンナ・アーレント』 矢野久美子著 宇野重規(政治学者・東京大教授)・評」、『読売新聞』2014年05月04日(日)付。

- ・宇野重規(政治学者・東京大教授) 『ハンナ・アーレント』 矢野久美子著誠実な政治哲学者の生涯 ハンナ・アーレントというと、全体主義やら革命を論じた、ちょっと怖そうな政治哲学者というイメージがあるかもしれない。ところが、日本でも話題になった…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『現代の名匠』=聞き手・鈴木博之」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『現代の名匠』=聞き手・鈴木博之 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 (建築画報社・3564円) 戦後の日本建築を牽引(けんいん)した21人へのインタビュー集。世界的に活躍する磯崎新や槇文彦、地域に根ざす「土佐派」の山本長水…

覚え書:「今週の本棚:内田麻理香・評 『マリー・アントワネットの植物誌』=エリザベット・ド・フェドー著」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚:内田麻理香・評 『マリー・アントワネットの植物誌』=エリザベット・ド・フェドー著 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 (原書房・4104円) ◇悲劇の王妃、博物学・自然科学に貢献? 書籍であり、図鑑でもある本書は、フルカラー、そしてパ…

覚え書:「今週の本棚:村上陽一郎・評 『現代社会と紛争解決学』=安川文朗、石原明子・編」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚:村上陽一郎・評 『現代社会と紛争解決学』=安川文朗、石原明子・編 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 (ナカニシヤ出版・2376円) ◇紛争の変容目指す第三者の介入方法 かつて大学で「平和」を巡る研究プロジェクトに携わっていたとき、あ…

覚え書:わたしたちは、いい人だと言われただけで安心していられない

- SNさんがドイツに行く決心をした時、ドイツ人は日本人よりもっとひどいから行くな」と言って家族は猛反対したそうだ。隣にすわっていたドイツ人の夫が笑いながらうなずいている。「韓国では日本人の悪口をいつも聞いていたが、ドイツに来てから出会った…

覚え書:「今週の本棚:加藤陽子・評 『焼跡からのデモクラシー 上・下』=吉見義明・著」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚:加藤陽子・評 『焼跡からのデモクラシー 上・下』=吉見義明・著 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 (岩波現代全書・各2484円) ◇国民が確かにつかんだ平和と民主の思想 第二次世界大戦が日本の敗北で終わってから68年余。その間、日本…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『東日本大震災からの真の農業復興への挑戦 東京農業大学・相馬市編』 著者代表・門間敏幸さん」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『東日本大震災からの真の農業復興への挑戦 東京農業大学・相馬市編』 著者代表・門間敏幸さん 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 (ぎょうせい・3780円) ◇農家の信頼得た実践の記録−−門間敏幸(もんま・としゆき)さん 東京農業…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『資本主義の終焉と歴史の危機』=水野和夫・著」、『毎日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『資本主義の終焉と歴史の危機』=水野和夫・著 毎日新聞 2014年05月11日 東京朝刊 (集英社新書・799円) 著者は、元証券会社のエコノミスト。超低金利の分析から、いわば資本主義終末論を主張するに至った。この主張、既に以前の『…

書評:豊田直巳『フォト・ルポルタージュ 福島を生きる人びと』岩波ブックレット、2014年。+α

豊田直巳『フォト・ルポルタージュ 福島を生きる人びと』岩波ブックレット、読了。震災から3年。福島は「忘れさせられようとしている」のではないだろうか。多くの人もその意図に抗うことなく忘却に向かい、混迷の度合いは強まる。本書は、福島を生きる人々…

覚え書:「銀座Hanako物語 バブルを駆けた雑誌の2000日 [著]椎根和」、『朝日新聞』2014年05月04日(日)付。

- 銀座Hanako物語 バブルを駆けた雑誌の2000日 [著]椎根和 [掲載]2014年05月04日 [ジャンル]社会 1988年創刊で、高級ブランドやレストランの特集を次々と組み、東京で圧倒的な存在感を放った雑誌「Hanako」。創刊から5年余り編集長を…