2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「論点:対談 安倍政権と『保守』」、『毎日新聞』2014年05月16日(金)付。

- 論点:対談 安倍政権と「保守」 毎日新聞 2014年05月16日 東京朝刊 (写真キャプション)対談するNHK経営委員の長谷川三千子氏(右)と明治大学教授の大沼保昭氏=東京都杉並区で2014年5月5日、宮間俊樹撮影 安倍晋三内閣は本格政権の道を歩んでい…

覚え書:「身の丈の経済論―ガンディー思想とその系譜 [著]石井一也 [評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)」、『朝日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 身の丈の経済論―ガンディー思想とその系譜 [著]石井一也 [評者]諸富徹(京都大学教授・経済学) [掲載]2014年05月18日 [ジャンル]経済 ■21世紀を展望する思想的源泉 本書は、インド独立の父ガンディーによる経済思想の解明を通じて現代文明の再考を迫る…

覚え書:「学生との対話 [講義]小林秀雄 [編]国民文化研究会・新潮社 [評者]水無田気流(詩人・社会学者)」、『朝日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 学生との対話 [講義]小林秀雄 [編]国民文化研究会・新潮社 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2014年05月18日 [ジャンル]人文 ■臨場感と熱気あふれる話し言葉 生前、小林秀雄は口話の録音を許可しなかった。講演原稿も推敲(すいこう)を重ね、…

覚え書:「日本を再発明する―時間、空間、ネーション [著]テッサ・モーリス=スズキ [評者]赤坂真理(作家)」、『朝日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 日本を再発明する―時間、空間、ネーション [著]テッサ・モーリス=スズキ [評者]赤坂真理(作家) [掲載]2014年05月18日 [ジャンル]政治 社会 ■虚をつく「発明」、明治期の国家 すぐれた外国人研究者による日本研究には、ひとことで、鮮やかに本質をつき、…

書評:国民文化研究会・新潮社編『小林秀雄 学生との対話』新潮社、2014年。

- 僕は信ずるということと、知るということについて、諸君に言いたいことがあります。信ずるということは、諸君が諸君流に信ずることです。知るということは、万人の如く知ることです。人間にはこの二つの道があるです。知るということは、いつでも学問的に…

覚え書:「JR上野駅公園口 [著]柳美里 [評者]原武史(明治学院大学教授・政治思想史)」、『朝日新聞』2014年05月18日(日)付。

- JR上野駅公園口 [著]柳美里 [評者]原武史(明治学院大学教授・政治思想史) [掲載]2014年05月18日 [ジャンル]文芸 ■排除される側も巻き込む天皇制 その男の人生に、天皇や皇后は大きな影を落としていた。そもそも生まれたのが現天皇と同じ昭和8年。妻の…

覚え書:「九月、東京の路上で [著]加藤直樹 / ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件 [著]中村一成 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)」、『朝日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 九月、東京の路上で [著]加藤直樹 / ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件 [著]中村一成 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家) [掲載]2014年05月18日 [ジャンル]歴史 政治 ■差別への「慣れ」、暴力生む下地に 関東大震災の際、「朝鮮人が井戸に毒を入れた…

覚え書:「書評:ダンスシューズで雪のシベリアへ サンドラ・カルニエテ 著」、『東京新聞』2014年5月18日(日)付。

- ダンスシューズで雪のシベリアへ サンドラ・カルニエテ 著 2014年5月18日◆ラトヴィアに生きる [評者]志摩園子=昭和女子大教授 この家族の物語を読んで、ある情景を思い出した。一九九○年代半ば、バルト三国の一つラトヴィアの国立歴史公文書館で、受付…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 外国人労働者に感謝を=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年05月21日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 外国人労働者に感謝を 必要ならばモノ扱いやめよう湯浅誠 社会活動家 リーマン・ショックのとき、製造業などで働いていた大量の外国人労働者が解雇の憂き目にあった。多くは、親や祖父母が日本人の日系人だった。 再雇用のメ…

覚え書:「書評:無縁旅人 香納 諒一 著」、『東京新聞』2014年05月18日(日)付。

- 無縁旅人 香納 諒一 著 2014年5月18日 ◆端正な捜査一課もの [評者]香山二三郎=コラムニスト 現代の警察小説は地方の警察やSIT、SAT等の特殊捜査班もの、公安警察ものまでバラエティに富んでいる。だがジャンルの花形といえば、やはり警視庁捜査一…

覚え書:「書評:中小企業の底力 中沢 孝夫 著」、『東京新聞』2014年05月18日(日)付。

- 中小企業の底力 中沢 孝夫 著 2014年5月18日 ◆人が成長する現場に焦点 [評者]山岡淳一郎=ノンフィクション作家・東京富士大客員教授 「働くこと」をめぐって極論が横行している。政府内では終身雇用、年功序列は成長の足かせであり、雇用の流動化こそ正…

覚え書:「書評:ハンナ・アーレント 矢野 久美子 著」、『東京新聞』2014年05月18日(日)付。

- ハンナ・アーレント 矢野 久美子 著 2014年5月18日 ◆世界の理解に注いだ情熱 [評者]細見和之=大阪府立大教授 ナチズムとスターリニズムという、二つの全体主義を経験した二十世紀。そのなかを、ユダヤ系の政治哲学者として生き抜いたアーレント。彼女の…

日記:個人は戦争をやれない。やれるのは国家だけだ

- 貧困と病気と戦争が人類の三大敵とされて久しいが、そのどれもが過去そのままの大敵ですな。戦争は違う。個人は戦争をやれない。やれるのは国家だけだ。個人たちは動員されて、命令されて、使用されて、そして犠牲を払うだけだ。個人群の中には戦争を肯定…

覚え書:「憲法本:昨年、新刊倍増 集団的自衛権、関心高まり」、『毎日新聞』2014年05月17日(土)付(東京夕刊)。

- 憲法本:昨年、新刊倍増 集団的自衛権、関心高まり 毎日新聞 2014年05月17日 東京夕刊 2013年の1年間に国内の出版社が刊行した「日本国憲法」に関する新刊書籍が、前年の70点から倍増して156点となった。特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認…

覚え書:「今週の本棚:中村桂子・評 『宇宙と人間 七つのなぞ』=湯川秀樹・著」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 今週の本棚:中村桂子・評 『宇宙と人間 七つのなぞ』=湯川秀樹・著 毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊 (河出文庫・842円) ◇学問とは? 知的心地よさ回復へ 一九七四年、「ちくま少年図書館」の一冊として書かれた本の文庫化である。日本人初のノーベ…

覚え書:「今週の本棚:中島岳志・評 『宮崎駿論−神々と子どもたちの物語』=杉田俊介・著」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 今週の本棚:中島岳志・評 『宮崎駿論−神々と子どもたちの物語』=杉田俊介・著 毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊 (NHKブックス・1620円) ◇身を裂き描く、対象への過剰な期待 渾身(こんしん)の批評がここにある。読んでからしばらく時間を置い…

覚え書:デカルトにおける倫理の意義 賢者の現存

- 賢者の現存 デカルトの倫理の意義をカントとの対比でまとめておこう。 カントは『純粋理性批判』において、賢者の実例が現存すると考えたのでは、倫理学を構築することはできないと論じている。「徳の概念を経験から創出しようとする人、実例として不完全…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『天空の家 イラン女性作家選』=藤元優子・編訳」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『天空の家 イラン女性作家選』=藤元優子・編訳 毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊 (段々社・2160円) イランの現代女性作家7人の1980年以降の短編を収録した。近代化、経済成長、貧富の差の拡大、79年のイスラム革命、対イ…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『鉄道政策 鉄道への公的関与について』=盛山正仁・著」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『鉄道政策 鉄道への公的関与について』=盛山正仁・著 毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊 (創英社/三省堂書店・3024円) 何気なく利用している鉄道が、どのように生まれ、運営されているか、詳細な資料とともにひもとく。 新橋−横…

覚え書:「今週の本棚:鴻巣友季子・評 『情事の終り』=グレアム・グリーン著」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 今週の本棚:鴻巣友季子・評 『情事の終り』=グレアム・グリーン著 毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊 (新潮文庫・724円) ◇創作行為への愛と憎しみの疑似告白録 グレアム・グリーンの代表作の鮮明な新訳が刊行された。有名な古典作の周りには、その本…

書評:杉浦敏子『ハンナ・アーレント入門』藤原書店、2002年。

杉浦敏子『ハンナ・アーレント入門』藤原書店、読了。公共性の復権、政治的なるものの再興、複数性(多様性)の擁護、労働の再考をキーワードに、アーレントの思想を現代に蘇らせる入門。思索を辿るだけでなく、彼女の思索が現代の課題にどのように応答する…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『クラシックの核心 バッハからグールドまで』 著者・片山杜秀さん」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『クラシックの核心 バッハからグールドまで』 著者・片山杜秀さん 毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊 (河出書房新社・1944円) ◇今だから書けた音楽家たち−−片山杜秀(かたやま・もりひで)さん 「大リーグのエースが投げてくる…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『疎外と叛逆 ガルシア・マルケスとバルガス・ジョサの対話』=寺尾隆吉・訳」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『疎外と叛逆 ガルシア・マルケスとバルガス・ジョサの対話』=寺尾隆吉・訳 毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊 (水声社・1944円) 先月死去したラテンアメリカ文学の巨星、ガルシア・マルケスが、代表作『百年の孤独』の成功直後に…

覚え書:「今週の本棚:沼野充義・評 『女のいない男たち』=村上春樹・著」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

- 今週の本棚:沼野充義・評 『女のいない男たち』=村上春樹・著 毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊 (文藝春秋・1700円) ◇うかがい知れない男女の心へのまなざし 村上春樹の久々の短編集である。この前の短編集は、「都市生活者をめぐる怪異譚(たん)…

日記:吉野作造記念館開館20周年記念特別展「吉野作造とキリスト教」

宮城県大崎市の吉野作造記念館開館20周年記念特別展「吉野作造とキリスト教」が5月25日(日)より開催されます。25日のオープニング講演会を私が担当します。戦前日本のキリスト教史において吉野作造の信仰は希有な足跡を残しました。そのアクチュアリティ…

覚え書:「絶望の裁判所 [著]瀬木比呂志 [文]斎藤環(精神科医)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 絶望の裁判所 [著]瀬木比呂志 [文]斎藤環(精神科医) [掲載]2014年05月11日■「収容所群島」の住人たち 本書がありがちな内部告発本と異なるのは、昨今の司法界を巡って人々が漠然と感じていた違和感に、「複雑明快」とでも言うべき答えを示した点だ。ハー…

覚え書:「研究倫理とは何か 片瀬久美子さんが選ぶ本 [文]片瀬久美子(サイエンスライター)」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 研究倫理とは何か 片瀬久美子さんが選ぶ本 [文]片瀬久美子(サイエンスライター) [掲載]2014年05月11日 ■科学者に求められるもの STAP細胞の論文を巡り、一般の人たちにも「研究倫理の問題」が身近な話題となっている。過去に起きた研究不正事件を知…

覚え書:「死刑のための殺人―土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録 [著]読売新聞水戸支局取材班」、『朝日新聞』2014年05月11日(日)付。

- 死刑のための殺人―土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録 [著]読売新聞水戸支局取材班 [掲載]2014年05月11日 [ジャンル]社会 2008年3月、「死刑になりたい」と茨城県のJR荒川沖駅などで9人を殺傷し、13年2月に29歳で死刑執行された金川真大。小…

書評:橋本一夫『幻の東京オリンピック 1940年大会 招致から返上まで』講談社学術文庫、2014年。

橋本一夫『幻の東京オリンピック 1940年大会 招致から返上まで』講談社学術文庫、読了。戦争で開催中止になったことはあるが、夏季オリンピックの開催都市が自発的に大会を返上したのは第12回東京大会(1940年)以外にない。本書は招致から返上に至るそ…

覚え書:「みんなの広場 海を隔てても心通うはず」、『毎日新聞』2014年05月14日(水)付。

- みんなの広場 海を隔てても心通うはず アルバイト・50(堺市西区) 日韓両国の歴史認識をめぐる対立を背景に、その対立をあおるような出版物が増えているように感じる。批判にとどまらず、韓国という国の存在そのものを侮辱するようなものも。海を挟んだ…