経済政策・経済学

覚え書:「今週の本棚:伊東光晴・評 『日本型雇用の真実』=石水喜夫・著」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 今週の本棚:伊東光晴・評 『日本型雇用の真実』=石水喜夫・著 毎日新聞 2013年07月07日 東京朝刊 (ちくま新書・798円) ◇“新古典派”労働市場改革の実態に迫る 著者は長く労働省(現厚生労働省)につとめ、何回も、労働経済白書−−正確には『労働経済の…

覚え書:「書評:日本の景気は賃金が決める 吉本佳生著」、『東京新聞』2013年6月2日(日)付。

- 【書評】日本の景気は賃金が決める 吉本佳生 著 2013年6月2日 ◆格差縮小の必要性を説く [評者]根井雅弘=京都大教授 景気をよくするにはどうしたらよいかという議論が盛んに行われているが、本書は、賃金格差の拡大が不況を深化させたという基本的な立場…

覚え書:「今週の本棚:加藤陽子・評 『経済の未来−世界をその幻惑から解くために』=ジャン=ピエール・デュピュイ著」、『毎日新聞』2013年06月02日(日)付。

- 今週の本棚:加藤陽子・評 『経済の未来−世界をその幻惑から解くために』=ジャン=ピエール・デュピュイ著 毎日新聞 2013年06月02日 東京朝刊 拡大写真 (以文社・3150円) ◇現代人の「安全装置」への思い込みを突き崩す 怒っている人は子供っぽく見え…

書評:倉沢愛子『資源の戦争 −−「大東亜共栄圏」の人流・物流』岩波書店、2012年。

- 日本軍の東南アジア占領の最大の目的は燃料、食料、鉄鉱石など戦争継続に必要な「重要国防資源」の獲得にあったことは、本書のなかで再三強調してきた。獲得したものは、現地自活のほかに、「大東亜共栄圏」内の物流に回すこと、日本へ搬送することが重要…

覚え書:「書評:タックス・ヘイブン 志賀櫻著」、『東京新聞』2013年5月12日(日)付。

- 【書評】タックス・ヘイブン 志賀櫻 著 2013年5月12日 [評者]武田徹=ジャーナリスト ◆血税が流出する構図暴く 本書の冒頭に日本の納税者の所得税負担率を示す図がある。所得額が増えれば税負担率も増える。累進課税制なので当然だ。ところが所得一億円…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『デフレーション』=吉川洋・著」、『毎日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『デフレーション』=吉川洋・著 毎日新聞 2013年05月12日 東京朝刊 (日本経済新聞出版社・1890円) ◇冷静な“アベノミクス”批判の矢 連日のように、アベノミクスが新聞紙上をにぎわしている。首相や大統領の名を冠した政策と…

覚え書:「今週の本棚:本村凌二・評 『経済史の構造と変化』=D・C・ノース著」、『毎日新聞』2013年05月05日(日)付。

- 今週の本棚:本村凌二・評 『経済史の構造と変化』=D・C・ノース著 毎日新聞 2013年05月05日 東京朝刊 (日経BPクラシックス・2520円) ◇社会経済の浮沈の鍵を時間軸から解き明かす もし古代ギリシャ人が一七五〇年のイギリスに連れて来られたとし…

覚え書:「書評:幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か [著]キャロル・グラハム [評者]水野和夫」、『朝日新聞』2013年04月21日(日)付。

- 幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か [著]キャロル・グラハム [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年04月21日 [ジャンル]経済 ■幸せな農民、不満な成功者の謎 幸福は経済学者や心理学者がそれを考察対象とする以前から哲学的な思想のテ…

覚え書:「災害と文明 エネルギー転換への視点 原発ゼロ社会を目指す=大島堅一」、『聖教新聞』2013年02月27日(水)付。

- 災害と文明 エネルギー転換への視点 原発ゼロ社会を目指す大島堅一 立命館大学教授イデオロギーの問題でなく安全・安心の問題 根拠のない“安価神話” 費用の多くは国民が負担◇ 日本の進むべき道 今、日本が目指すべき社会とは、「原発ゼロの社会」です。そ…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『現代日本の労働経済−分析・理論・政策』=石水喜夫・著」、『毎日新聞』2013年03月03日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『現代日本の労働経済−分析・理論・政策』=石水喜夫・著毎日新聞 2013年03月03日 東京朝刊 (岩波書店・2940円) ◇人口減少の現実を見極める「政治経済学」 熱い想(おも)いの込められた書である。著者は、六年間にわたって…

覚え書:「書評:ニュートンと贋金づくり [著]トマス・レヴェンソン [評者]荒俣宏(作家)」、『朝日新聞』2013年02月17日(日)付。

- ニュートンと贋金づくり [著]トマス・レヴェンソン [評者]荒俣宏(作家) [掲載]2013年02月17日 [ジャンル]歴史 ■「怖い官僚」になった大科学者 あの大科学者ニュートンは「金」に縁がある。長年ひそかに研究したのは錬金術だったし、当時の錬金術は「贋金づ…

覚え書:「書評:『ケインズかハイエクか』 ニコラス・ワプショット著 評・中島隆信」、『読売新聞』2013年1月20日(日)付。

- 『ケインズかハイエクか』 ニコラス・ワプショット著評・中島隆信(経済学者・慶応大教授) ノーガードの応酬 経済が不況に陥ったとき、政府が積極的に市場介入すべきか、それとも市場の自然治癒力に委ねるべきか。本書は、この論争の生みの親ともいうべき…

なぜ、ロールズはグローバルな不平等に無関心だったのか

- なぜ、ロールズはグローバルな不平等に無関心だったのか 『正義論』を読んでジョン・ロールズを知った人たちは、この節のタイトルに驚いたことだろう。結論から言うと、ロールズはまさしく、平等主義を強く支持する立場をとっている。しかし、「平等からの…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『世界しあわせ紀行』=エリック・ワイナー著」、『毎日新聞』2013年01月20日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『世界しあわせ紀行』=エリック・ワイナー著 (早川書房・2415円) ◇生活の中に「幸福の形」を訪ねる この数年、社会科学の分野で幸福研究がにぎやかだ。経済があるレベルに到達すると、それ以上成長を続けても、生活満足度…

覚え書:「アベノミクス:安倍首相の経済政策「完全に正しい」 ノーベル賞経済学者・クルーグマン氏『評価』」、『毎日新聞』2013年01月15日(火)付。

- アベノミクス:安倍首相の経済政策「完全に正しい」 ノーベル賞経済学者・クルーグマン氏「評価」 毎日新聞 2013年01月15日 東京朝刊 ◇財政悪化「深く考えているわけではないだろうが」 【ロンドン坂井隆之】大胆な金融緩和や財政出動で景気底上げを図る安…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『ケインズとケンブリッジに対抗して』=F・A・ハイエク著」、『毎日新聞』2013年01月13日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『ケインズとケンブリッジに対抗して』=F・A・ハイエク著 (春秋社・3675円) ◇俗説を打破する経済政策論争の真実 「ケインズかハイエクか」という対比を、しばしばマスコミで目にするようになった。もっぱら「大きな政…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『新しい市場のつくりかた』=三宅秀道・著」、『毎日新聞』2012年11月18日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『新しい市場のつくりかた』=三宅秀道・著 (東洋経済新報社・2100円) ◇新たなしあわせへ「問題開発」の経営書 日本経済が不調をきたして久しいが、それでもシャープやパナソニック、ソニーの凋落(ちょうらく)ぶりを聞…

覚え書:「今週の本棚:『幸福度をはかる経済学』=ブルーノ・S・フライ・著」、『毎日新聞』2012年10月21日(日)付。

- 今週の本棚:『幸福度をはかる経済学』=ブルーノ・S・フライ・著 (NTT出版・3570円) このところ、幸福をめぐる本が目につく。あえて幸福を論ずることが求められる時代とは、はたして何なのだろうか。本書の原著名も『幸福』、そしてサブタイトル…

覚え書:「時代の風 アジア・大平洋の未来=ジャック・アタリ」、『毎日新聞』2012年9月9日(日)付。

- 時代の風 アジア・大平洋の未来 ジャック・アタリ 仏経済学者・思想家「平和と成長」世界の利益 私は30年前、世界の重心が「大西洋」から「大平洋」に向けて移動し始めたと指摘した。重心の移動は米西海岸に端を発し、今や大平洋をはさんだ対岸(アジア)…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『世界を救う処方箋』=ジェフリー・サックス著」、『毎日新聞』2012年07月01日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『世界を救う処方箋』=ジェフリー・サックス著 (早川書房・2415円) ◇危機に瀕(ひん)する米国経済の「自己診断」書 ギリシアの財政危機がスペインや欧州全般の金融危機に火をつけるのか、固唾(かたず)を飲んで注目す…