2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧
- 今週の本棚:海部宣男・評 『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト』=N・シュービン著 毎日新聞 2013年11月17日 東京朝刊 (ハヤカワノンフィクション文庫・840円) ◇多細胞生物の身体形成の秘密に分け入る 一九世紀半ばのイギリスで、地下に埋まった巨大生…
- みんなの広場 「スパイの親」悲劇繰り返すな 無職 81(千葉市若葉区) 72年前の12月8日、太平洋戦争開戦の日、北海道帝国大生の宮沢弘幸さんは「軍機保護法」違反で特高警察に検挙された。宮沢さんは拷問を受けながらも「やっていない」と叫び続けた。 根…
- 今週の本棚・新刊:『出口なお 女性教祖と救済思想』=安丸良夫・著 毎日新聞 2013年11月17日 東京朝刊 (岩波現代文庫・1302円) 戦前に大規模な宗教弾圧を受けたことで知られる大本教の開祖、出口なおの評伝という形で、明治期の民衆の精神を浮き彫り…
- 今週の本棚:荒川洋治・評 『瀬戸内海のスケッチ』=黒島伝治・著 毎日新聞 2013年11月17日 東京朝刊 (サウダージ・ブックス・2100円) ◇ひろく深く目を向ける作家の静かな名編 黒島伝治(一八九八−一九四三)の作品一〇編を収録。山本善行選。代表作…
- 政治学教育は単なる専門性、または単なる一般性をもつものではない。専門性を媒介とする一般性、または一般性を媒介とする専門性をもつのであって、それが政治学教育の総合性でえある。したがって大学院における政治教育はスペシャリストというよりも、む…
- 今週の本棚・本と人:『おとなの背中』 著者・鷲田清一さん 毎日新聞 2013年11月17日 東京朝刊 (角川学芸出版・1680円) ◇不如意への「耐性」が必要に−−鷲田清一(わしだ・きよかず)さん しなやかな、それでいて強く根を張った哲学者の思考が随所に光…
- 今週の本棚・情報:「エスペラント運動」事典 毎日新聞 2013年11月17日 東京朝刊 ひつじ書房(東京都文京区)は、『日本エスペラント運動人名事典』を発刊した。エスペラントとは、ザメンホフが1887年に提唱した特定民族集団に属さない人工語。同事典は…
- みんなの広場 原発は輸出できる代物ではない 無職 64(堺市北区) 安倍晋三首相が“トップセールス外交”でトルコに原発を売り込み、三菱重工業などの企業連合がとること実質合意したと報じています。福島原発事故の収束のめども立たない中、正気の沙汰とは…
- クマムシ博士の「最強生物」学講座 [著]堀川大樹 [掲載]2013年11月10日 [ジャンル]科学・生物 マイナス273度の低温をしのぎ、水深1万メートルの75倍の圧力に耐え、宇宙空間に10日間さらされても大丈夫。そんな「最強生物」クマムシの研究者による…
- ビルマ・ハイウェイ―中国とインドをつなぐ十字路 [著]タンミンウー [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家) [掲載]2013年11月10日 [ジャンル]歴史 ■辺境の変化、歴史掘り起こし報告 中国とインドの国境近くの峡谷を探検したことがある。最初は98…
- 税金を納めないとか、医療や水道が無料とか、いちいち反論する必要もないでしょう。彼らの言う「特権」など、現実には存在しません。ありもしないものを「ある」と言い張る人と、ネットでその言い分を読んだ途端、なんの検証もせずに「真実を知った」と鵜…
- 民謡の発見と〈ドイツ〉の変貌―十八世紀 [著]吉田寛 [評者]荒俣宏(作家) [掲載]2013年11月10日 [ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 ■「野生の歌」国民精神の基盤に 一見すると難解な「ドイツ音楽論」風だが、じつはその改革が音楽の専門筋からでなく哲…
- イギリスに学ぶ商店街再生計画 [著]足立基浩 [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授) [掲載]2013年11月10日 [ジャンル]経済 社会 ■車依存の郊外居住から転換 シャッター通りを甦(よみがえ)らせ、中心市街地を再生させることが、今後の政治・経済の最重要課…
(twのまとめですが……)先週の続きで、今日も文学について少々お話をしました。『カラマーゾフの兄弟』における「人類」の議論から、社会実践としてのスピヴァクの可能性へ示唆を飛ばし、世界文学を読むケーススタディとしてゲーテを参照しました。我ながら…
- 自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか [著]キャロル・キサク・ヨーン [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年11月10日 [ジャンル]科学・生物 ■魚類は「科学的」に存在しない? 魚類という分類群が「科学的」には存在しないという主張をご…
- 戦後歴程―平和憲法を持つ国の経済人として [著]品川正治 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2013年11月10日 [ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 ■体制内でも貫いた「9条死守」 著者は陸軍歩兵2等兵として、中国で終戦を迎えた。抑留の後、…
- ひと:メアリー・アン・ライトさん=9条堅持を訴える元米陸軍大佐 毎日新聞 2013年11月13日 東京朝刊 ◇メアリー・アン・ライト(Mary Ann Wright)さん(67) 「悲しいことだが、現在の日本は軍国主義への坂道を滑り落ちている」。このほど…
- 働くアリに幸せを 長谷川 英祐 著 2013年11月10日 ◆組織のあり方 人と比べる [評者]小林照幸=ノンフィクション作家 人が構成する組織では、ムダを省き、いかに個人の作業効率をあげて最大の成果を得るか、が論じられる。著者はアリやハチなどの身近な生…
- 社会の抜け道 古市 憲寿・國分 功一郎 著 2013年11月10日 ◆閉塞を破る生活者の視点 [評者]鎌田慧=ルポライター 二十代後半の社会学者と三十代後半の哲学者による、現代社会についての対話集だ。のっけから、IKEA、新三郷ららシティ、コストコなど、…
- 毎日出版文化賞の人々:/3 稲垣良典さん 毎日新聞 2013年11月07日 東京夕刊 ◆企画部門 『トマス・アクィナス 神学大全』全45巻完結(創文社、3990−7980円) ◇哲学、科学の源流を邦訳 「全く意外でした。地道な出版の意義を認めてくださり、あり…
- 今週の本棚・この3冊:三島事件=中島岳志・選 毎日新聞 2013年11月10日 東京朝刊 <1>三島由紀夫と楯の会事件(保阪正康著/角川文庫/品切れ) <2>証言 三島由紀夫・福田恆存 たった一度の対決(持丸博、佐藤松男著/文藝春秋/1700円) <3>…
國分功一郎『来るべき民主主義』幻冬舎、読了。本書は「現在の民主主義を見直し、これからの新しい民主主義について考える」試み。副題の通り(「小平市都道328号線と近代政治哲学の課題」)、小平市都道328号線の是非を巡る住民運動に筆者が携わるな…
- 今週の本棚・新刊:『経済学の3つの基本』=根井雅弘・著 毎日新聞 2013年11月10日 東京朝刊 (ちくまプリマー新書・714円) 昨今の財界や経済学界の多数派は、経済成長の価値に少しでも疑義を挟まれれば、自らの存在意義を否定されたように拒否反応を…
- 今週の本棚:本村凌二・評 『ローマ革命 上・下』=ロナルド・サイム著 毎日新聞 2013年11月10日 東京朝刊 (岩波書店・各1万500円) ◇独裁への激動を描く古典的名著 ノーベル文学賞(一九○二年)をもらった唯一の歴史家モムゼンは主著『ローマの歴史』…
- 今週の本棚・新刊:『福島原発事故 県民健康管理調査の闇』=日野行介・著 毎日新聞 2013年11月10日 東京朝刊 (岩波新書・798円) 今なお14万人を超える住民が避難を余儀なくされている、東京電力福島第1原発事故。拡散された放射性物質による健康へ…
- そこが聞きたい:特定秘密保護法案 三木由希子氏 毎日新聞 2013年11月13日 東京朝刊 ◇指定解除、ルール化を−−情報公開クリアリングハウス理事長・三木由希子氏 特定秘密保護法案=1=が衆院で審議されている。立法の動きを追ってきたNPO法人「情報公開…
- 今週の本棚:張競・評 『坪井正五郎−日本で最初の人類学者』=川村伸秀・著 毎日新聞 2013年11月10日 東京朝刊 (弘文堂・5250円) ◇奇天烈な「知の自由人」を輝かせた明治の包容力 ヨーロッパのルネサンス時代には百科全書的な文化人が多く現れたが、…
- 今週の本棚:持田叙子・評 『山口昌男コレクション』=今福龍太・編 毎日新聞 2013年11月10日 東京朝刊 ◇持田叙子(のぶこ)評 (ちくま学芸文庫・1995円) ◇同時代の秩序を撃つ「道化論」の反骨 山口昌男は、戦争と混乱の世に生をうけて学問をこころざ…
ジョセフ・ヒース『ルールに従う 社会科学の規範理論序説』NTT出版、読了。テーマはずばり「なぜ人は、利己的に振舞うのではなく規範・制度・道徳に従って行動し、そのような社会を維持できるのか」ということ。本書は哲学の古典的テーマを経済学から進化生…
- 今週の本棚・本と人:『ダイオウイカ、奇跡の遭遇』 著者・窪寺恒己さん 毎日新聞 2013年11月10日 東京朝刊 (新潮社・1470円) ◇深海での「世紀の出合い」伝えたい−−窪寺恒己(くぼでら・つねみ)さん 「来たぞ、ジャイアントだ」。2012年7月10…