2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

書評:ロバート・D・パットナム編著(猪口孝訳)『流動化する民主主義 先進8カ国におけるソーシャル・キャピタル』ミネルヴァ書房、2013年。

ロバート・D・パットナム編『流動化する民主主義 先進8カ国におけるソーシャル・キャピタル』ミネルヴァ書房、読了。宛になるようでならない人間の信頼関係。比重の置き方は難しいが、地域社会の良好な関係を「社会関係資本」と呼び、分析した著者が先進8…

覚え書:「ヘイトスピーチ賠償命令:『人種差別で具体的損害』」、『毎日新聞』2013年10月08日(水)付。

-  ヘイトスピーチ賠償命令:「人種差別で具体的損害」 毎日新聞 2013年10月07日 22時16分(最終更新 10月08日 00時10分) 京都朝鮮第一初級学校(京都市)の校門前で行われた街頭宣伝などを人種差別と認定し、約1226万円の損害賠償を命じた7日の京都地…

覚え書:「書評:風に吹かれて 鈴木 敏夫 著」、『東京新聞』2013年10月06日(日)付。

- 風に吹かれて 鈴木 敏夫 著 2013年10月6日 ◆ジブリを担う人の立脚点 [評者]切通理作=批評家 宮崎駿作品で知られるスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫に迫ったロングインタビューである。 出版編集者と二足の草鞋(わらじ)を履いていた鈴木のジ…

覚え書:「書評:祝島のたたかい 上関原発反対運動史 山戸 貞夫 著」、『東京新聞』2013年10月06日(日)付。

- 祝島のたたかい 上関原発反対運動史 山戸 貞夫 著 2013年10月6日 ◆生死の問題、非暴力で [評者]安渓遊地=山口県立大教授 原発新規立地を止め続ける島として注目を集める山口県上関(かみのせき)町祝島(いわいしま)。その住民運動の三十一年を島の当…

日記:2013年度パピルス賞:植木雅俊訳註『梵漢和対照・現代語訳 維摩経』岩波書店。

「制度としてのアカデミズムの外で達成された学問的業績」や「科学ジャーナリストによる業績」を顕彰する「パピルス賞」に、植木雅俊訳註『梵漢和対照・現代語訳 維摩経』(岩波書店)が選ばれたとのこと。昨日十日は中村元博士のご命日。中村先生の最晩年の…

覚え書:「書評:桃源郷 中国の楽園思想 川合 康三 著」、『東京新聞』2013年10月06日(日)付。

- 桃源郷 中国の楽園思想 川合 康三 著 2013年10月6日◆長生の夢 古典に探す [評者]池上正治=作家・翻訳家 人は幸せを願い、長生を求め、楽園を想(おも)う。この永遠のテーマを、中国の古典文学の世界に渉猟した力作である。 七百六十歳になっても元気だ…

覚え書:「今週の本棚・この3冊:村上春樹=内田樹・選」、『毎日新聞』2013年10月06日(日)付。

- 今週の本棚・この3冊:村上春樹=内田樹・選 毎日新聞 2013年10月06日 東京朝刊 ◇内田樹(たつる)・選 <1>羊をめぐる冒険 上・下(村上春樹著/講談社文庫/各500円) <2>中国行きのスロウ・ボート(村上春樹著/中公文庫/600円) <3>村…

書評:マーク・ユルゲンスマイヤー(立山良司監修、古賀林幸、櫻井元雄訳)『グローバル時代の宗教とテロリズム いま、なぜ神の名で人の命が奪われるのか』明石書店、2003年。

マーク・ユルゲンスマイヤー『グローバル時代の宗教とテロリズム いま、なぜ神の名で人の命が奪われるのか』明石書店、読了。宗教は本来、暴力に終止符を打ち、平和と秩序をもたらすものだが、「平和」を実現するために戦っているのが宗教の歴史。本書は、宗…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『植物の特徴を見分ける本』=大川ち津る・著」、『毎日新聞』2013年10月06日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『植物の特徴を見分ける本』=大川ち津る・著 毎日新聞 2013年10月06日 東京朝刊 (恒星社厚生閣・1890円) 名も知らぬ草花、などと言うけれど、それらには必ず名前がある。特徴から名前を調べる方法を丁寧に解説している。図鑑では…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『ビルマ・ハイウェイ』=タンミンウー著」、『毎日新聞』2013年10月06日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『ビルマ・ハイウェイ』=タンミンウー著 毎日新聞 2013年10月06日 東京朝刊 (白水社・3150円) ミャンマー(本書の表記ではビルマ)の歴史と現在をよく知る同国人による隣国・中国、インドとの関係を描いた歴史書であり、各国の現…

覚え書:「みんなの広場 政治家の虚言に疑問持とう」、『毎日新聞』2013年10月06日(日)付。

- みんなの広場 政治家の虚言に疑問持とう 無職 71(東京都小平市) 昔から国民は手練手管にたけた政治家にだまされ続けてきた。どんなに懲りても甘言には弱いようだ。 最近目立つ政治家の虚言三つ。放射性汚染水はコントロールされているから安全だ、何の心…

覚え書:「今週の本棚:池内紀・評 『シャガール−愛と追放』=ジャッキー・ヴォルシュレガー著」、『毎日新聞』2013年10月06日(日)付。

- 今週の本棚:池内紀・評 『シャガール−愛と追放』=ジャッキー・ヴォルシュレガー著 毎日新聞 2013年10月06日 東京朝刊 ◇池内紀(おさむ)評 (白水社・7140円) ◇「適応と抵抗」のはざまに生きた芸術家の足跡 おしまいから三つ目の章に、ピカソとシャ…

覚え書:「私の本棚 [編]新潮社」、『朝日新聞』2013年09月29日(日)付。

- 私の本棚 [編]新潮社 [掲載]2013年09月29日 [ジャンル]文芸 読書家23人が本棚への思いをつづったエッセー集。えり抜いたコレクションへの愛情よりも、棚から床へあふれ出す蔵書の苦悩を吐露するほどに、語りは熱を帯びてくる。作家小野不由美さんは全蔵…

覚え書:「みんなの広場 秘密保護法では安全守れぬ」、『毎日新聞』2013年10月03日(木)付。

- みんなの広場 秘密保護法では安全守れぬ 弁護士 74(兵庫県川西市) 安倍内閣は、国民の安全を確保するため特定秘密保護法の制定が急務だという。歴史を振り返れば、国の安全に関わる情報をこのような方法で秘匿することが国民の安全を守ることになるとは…

覚え書:「「山月記」はなぜ国民教材となったのか [著]佐野幹 [評者]川端裕人」、『朝日新聞』2013年09月29日(日)付。

- 「山月記」はなぜ国民教材となったのか [著]佐野幹 [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年09月29日 [ジャンル]文芸 人文 ■教科書とは何か、問い直す 戦後高校に通ったほとんどの者が中島敦「山月記」を教材に国語の授業を受けた。教科書の最多掲載回数を誇り…

覚え書:「混浴と日本史 [著]下川耿史 [評者]三浦しをん」、『朝日新聞』2013年09月29日(日)付。

- 混浴と日本史 [著]下川耿史 [評者]三浦しをん(作家) [掲載]2013年09月29日 [ジャンル]歴史 ■みんなで楽しんでなにが悪い 古代から現代までの「混浴」の歴史を、文献にあたって詳しく解き明かしたのが本書だ。温泉の絵はがきなど、混浴を楽しむ人々の図版も…

日記:正しく哲学している人々は死ぬこと練習をしているのだ

- 「ところで、正にこのことが、すなわち、魂の肉体からの解放と分離が、死と名づけられるのではないか」 「まったく、その通りです」 「だが、われわれの主張では、魂の解放をつねに望んでいるのは、特に、いや、ただ、正しくてつがくしている人々だけなの…

覚え書:「那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々 [著]宇田智子 [評者]内澤旬子」、『朝日新聞』2013年09月29日(日)付。

- 那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々 [著]宇田智子 [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター) [掲載]2013年09月29日 [ジャンル]文芸 ■本を介して地に足をつける 8年ほど前、沖縄の版元ボーダーインクの方に、東京の版元で人文書を出す…

覚え書:「マチュピチュ探検記―天空都市の謎を解く [著]マーク・アダムス [評者]角幡唯介」、『朝日新聞』2013年09月29日(日)付。

- マチュピチュ探検記―天空都市の謎を解く [著]マーク・アダムス [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家) [掲載]2013年09月29日 [ジャンル]国際 ■漂う熱気、発見者の足跡たどる 広大な荒野を苦労して旅しても面白い物語を書くことは難しい。危機一髪…

覚え書:「みんなの広場 保護費 どう使ったか説明して」、『毎日新聞』2013年10月02日(水)付。

- みんなの広場 保護費 どう使ったか説明して 障害者 73(福岡県久留米市) 9月16日の本欄「生活保護減額、どう暮らせば」に同感です。年金、介護保険、今度は保護費を引かれ厳しい生活が現実になります。ぜいたくな生活はしていません。食料品もほとんど…

覚え書:「シャルル・ドゴール―民主主義の中のリーダーシップへの苦闘 [著]渡邊啓貴 [評者]保阪正康」、『朝日新聞』2013年09月29日(日)付。

- シャルル・ドゴール―民主主義の中のリーダーシップへの苦闘 [著]渡邊啓貴 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2013年09月29日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際 ■外交や歴史観、底部から分析 フランス人ジャーナリストとの対話で、彼がドゴ…

覚え書:「忘却のしかた、記憶のしかた―日本、アメリカ、戦争 [著]ジョン・W・ダワー [評者]柄谷行人」『朝日新聞』2013年09月29日(日)付。

- 忘却のしかた、記憶のしかた―日本、アメリカ、戦争 [著]ジョン・W・ダワー [評者]柄谷行人(哲学者) [掲載]2013年09月29日 [ジャンル]歴史 社会 国際 ■日本学者として日、米、世界見直す 本書は、著者の主要な仕事のエッセンスを、自身による解題を付して…

書評:スラヴォイ・ジジェク(長原豊訳)『2011 危うく夢みた一年』航思社、2013年。

スラヴォイ・ジジェク(長原豊訳)『2011 危うく夢みた一年』航思社、読了。この年に何が起きたのか? アラブの春からウォール街占拠運動まで。変革の燎原の火は今や勢いを失ったが、保守の巻き返しと断じてよいのか。本書は運動に携わったジジェク自身が2…

覚え書:「書評:レッド・パージ 戦後史の汚点 明神 勲 著」、『東京新聞』2013年09月29日(日)付。

- レッド・パージ 戦後史の汚点 明神 勲 著 2013年9月29日 ◆GHQ指令 待望した人々 [評者]福間良明=立命館大教授 今井正監督の映画『どっこい生きてる』の公開は一九五一年。日雇い労働者一家が困窮に喘(あえ)ぎ、一家心中をも図ろうとするさまを描い…

覚え書:「書評:夢、ゆきかひて フィリップ・フォレスト 著」、『東京新聞』2013年09月29日(日)付。

- 夢、ゆきかひて フィリップ・フォレスト 著 2013年9月29日 ◆日本文学の普遍性を語る [評者]小倉孝誠=慶応義塾大教授 日本の文化や歴史について語る外国人は、少なくない。フランスの作家に関して言えば、クローデル、バルト、ユルスナールらが興味深い…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 『中断』か『転換』か リーマン・ショック5年=湯浅誠」、『毎日新聞』2013年10月02日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 社会活動家 湯浅誠「中断」か「転換」か リーマンショック5年 2008年9月のリーマン・ショックから5年がたった。現段階で振り返れば、あれは「転換」ではなく「中断」だった、ということになるだろう。 リーマン・ショ…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『浄土思想論』=末木文美士・著」、『毎日新聞』2013年09月29日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『浄土思想論』=末木文美士・著 毎日新聞 2013年09月29日 東京朝刊 (春秋社・2310円) 一定の年齢以上の人ならば、既に死んだ親類や友人が、自分の人生に影響を及ぼしていると感じる例は珍しくないだろう。近年、歌の「千の風にな…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『「動かない」と人は病む』=大川弥生・著」、『毎日新聞』2013年09月29日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『「動かない」と人は病む』=大川弥生・著 毎日新聞 2013年09月29日 東京朝刊 (講談社現代新書・798円) 「生活不活発病」−−。まだ、聞き慣れない人も多いだろう。かつて「廃用症候群」と言われた。体を長く動かさずにいて、手足や…

書評:坪内祐三『探訪記者 松崎天民』筑摩書房、2011年。

坪内祐三『探訪記者 松崎天民』筑摩書房、読了。明治から昭和にかけ、木賃宿や娼窟、女学生ルポなどを、地を這う取材を基に読ませる名文で綴り、足尾銅山、大逆事件、精神病院を取材した探訪記者の本格的評伝。「探訪記者」とは現代でいえばルポルタージュの…

覚え書:「今週の本棚:渡辺保・評 『修業論』=内田樹・著」、『毎日新聞』2013年09月29日(日)付。

- 今週の本棚:渡辺保・評 『修業論』=内田樹・著 毎日新聞 2013年09月29日 東京朝刊 (光文社新書・798円) ◇日本古来の、敵を持たない「身体観」を問う 2020年、東京でオリンピックが開催される。世界のアスリートたちがその身体能力を競い、記録に…