政治経済

覚え書:「書評:日本の景気は賃金が決める 吉本佳生著」、『東京新聞』2013年6月2日(日)付。

- 【書評】日本の景気は賃金が決める 吉本佳生 著 2013年6月2日 ◆格差縮小の必要性を説く [評者]根井雅弘=京都大教授 景気をよくするにはどうしたらよいかという議論が盛んに行われているが、本書は、賃金格差の拡大が不況を深化させたという基本的な立場…

覚え書:「今週の本棚:加藤陽子・評 『経済の未来−世界をその幻惑から解くために』=ジャン=ピエール・デュピュイ著」、『毎日新聞』2013年06月02日(日)付。

- 今週の本棚:加藤陽子・評 『経済の未来−世界をその幻惑から解くために』=ジャン=ピエール・デュピュイ著 毎日新聞 2013年06月02日 東京朝刊 拡大写真 (以文社・3150円) ◇現代人の「安全装置」への思い込みを突き崩す 怒っている人は子供っぽく見え…

覚え書:「書評:『幸せ』の戦後史 菊地 史彦 著」、『東京新聞』2013年5月26日(日)付。

- 「幸せ」の戦後史 菊地 史彦 著 2013年5月26日 [評者]藤井淑禎=立教大教授 ◆厚い論述、ほろ苦い着地点 四百ページを超える大部の戦後史入門書である。巻末には各章で引用・参考にされた文献が目録化されており、これだけでも堂々たる戦後史関連文献目録…

覚え書:「引用句辞典 トレンド編 [通販番組に学ぶ]=鹿島茂」、『毎日新聞』2013年05月25日(土)付。

- 引用句辞典 トレンド編 鹿島茂 [通販番組に学ぶ]「便利」価値見失う 資本主義の不幸 競争心、すなわちわれわれ自身が優越したいという熱心な欲求は、もともと、他の人びとの卓越にたいするわれわれの感嘆に、基礎を持っている。(中略)われわれはそれら…

覚え書:「書評:ユーロ消滅?―ドイツ化するヨーロッパへの警告 [著]ウルリッヒ・ベック [訳]島村賢一 [評者]水野和夫」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- ユーロ消滅?―ドイツ化するヨーロッパへの警告 [著]ウルリッヒ・ベック [訳]島村賢一 [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]経済 国際 ■危機への岐路に立つメルケル ユーロ危機を国家債務危機ととらえた経済学者は「資本…

覚え書:「書評:「幸せ」の戦後史 [著]菊地史彦 [評者]田中優子」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 「幸せ」の戦後史 [著]菊地史彦 [評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]社会 ■喪失感の中から生きた時代問う 生まれて60年余り、日本は豊かになって来たはずなのだが、私は常に「失い続けている」という思いが消え…

覚え書:「書評:タックス・ヘイブン 志賀櫻著」、『東京新聞』2013年5月12日(日)付。

- 【書評】タックス・ヘイブン 志賀櫻 著 2013年5月12日 [評者]武田徹=ジャーナリスト ◆血税が流出する構図暴く 本書の冒頭に日本の納税者の所得税負担率を示す図がある。所得額が増えれば税負担率も増える。累進課税制なので当然だ。ところが所得一億円…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『デフレーション』=吉川洋・著」、『毎日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『デフレーション』=吉川洋・著 毎日新聞 2013年05月12日 東京朝刊 (日本経済新聞出版社・1890円) ◇冷静な“アベノミクス”批判の矢 連日のように、アベノミクスが新聞紙上をにぎわしている。首相や大統領の名を冠した政策と…

覚え書:「今週の本棚:本村凌二・評 『経済史の構造と変化』=D・C・ノース著」、『毎日新聞』2013年05月05日(日)付。

- 今週の本棚:本村凌二・評 『経済史の構造と変化』=D・C・ノース著 毎日新聞 2013年05月05日 東京朝刊 (日経BPクラシックス・2520円) ◇社会経済の浮沈の鍵を時間軸から解き明かす もし古代ギリシャ人が一七五〇年のイギリスに連れて来られたとし…

覚え書:「今週の本棚:伊東光晴・評 『タックス・ヘイブン−逃げていく税金』=志賀櫻・著」、『毎日新聞』2013年04月28日(日)付。

- 今週の本棚:伊東光晴・評 『タックス・ヘイブン−逃げていく税金』=志賀櫻・著 毎日新聞 2013年04月28日 東京朝刊 (岩波新書・798円) ◇租税回避地−巧妙なからくりの実態に迫る アメリカを代表する巨大企業、GEの本社はどこにあるかに答えられる日本…

覚え書:「書評:幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か [著]キャロル・グラハム [評者]水野和夫」、『朝日新聞』2013年04月21日(日)付。

- 幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か [著]キャロル・グラハム [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年04月21日 [ジャンル]経済 ■幸せな農民、不満な成功者の謎 幸福は経済学者や心理学者がそれを考察対象とする以前から哲学的な思想のテ…

覚え書:「今週の本棚:加藤陽子・評 『ユーロ消滅?』=ウルリッヒ・ベック著」、『毎日新聞』2013年04月14日(日)付。

- 今週の本棚:加藤陽子・評 『ユーロ消滅?』=ウルリッヒ・ベック著 毎日新聞 2013年04月14日 東京朝刊 (岩波書店・1575円) ◇“現代のリスク”とどう向き合うか 四年前のギリシアの財政危機に端を発したユーロ危機。重い内容を書いているはずなのに、わ…

覚え書:「今週の本棚:伊東光晴・評 『税金 常識のウソ』=神野直彦・著」、『毎日新聞 2013年03月24日(日)付。

- 今週の本棚:伊東光晴・評 『税金 常識のウソ』=神野直彦・著 毎日新聞 2013年03月24日 東京朝刊 (文春新書・840円) ◇「官のファイナンス」ではない「公の税」とは 税金についての単なる「知識」をこえて、体系的な「理解」を多くの人に、という意図…

覚え書:「書評:統計学が最強の学問である―データ社会を生き抜くための武器と教養 [著]西内啓 [評者]川端裕人」、『朝日新聞』2013年03月17日(日)付。

- 統計学が最強の学問である―データ社会を生き抜くための武器と教養 [著]西内啓 [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年03月17日■最速で最善の答えを出すために 挑発的なタイトル。統計学を「最強の武器」と位置づける。「どんな分野においてもデータを集めて最…

覚え書:「災害と文明 エネルギー転換への視点 原発ゼロ社会を目指す=大島堅一」、『聖教新聞』2013年02月27日(水)付。

- 災害と文明 エネルギー転換への視点 原発ゼロ社会を目指す大島堅一 立命館大学教授イデオロギーの問題でなく安全・安心の問題 根拠のない“安価神話” 費用の多くは国民が負担◇ 日本の進むべき道 今、日本が目指すべき社会とは、「原発ゼロの社会」です。そ…

覚え書:「『原発のごみ問題 未来への投棄だ』 脚本家・倉本聰さんインタビュー」、『毎日新聞』2013年03月04日(月)付。

- 「原発のごみ問題 未来への投棄だ」 脚本家・倉本聰さんインタビューテレビドラマ「北の国から」などの作品で知られる脚本家、倉本聰さん(78)が作・演出した舞台「明日、悲別(かなしべつ)で」が、全国各地で巡演されている。閉山した架空の炭坑町「…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『現代日本の労働経済−分析・理論・政策』=石水喜夫・著」、『毎日新聞』2013年03月03日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『現代日本の労働経済−分析・理論・政策』=石水喜夫・著毎日新聞 2013年03月03日 東京朝刊 (岩波書店・2940円) ◇人口減少の現実を見極める「政治経済学」 熱い想(おも)いの込められた書である。著者は、六年間にわたって…

覚え書:「異論反論 生活保護費が削減されました=雨宮処凛」、『毎日新聞』2013年02月27日(水)付。

- 異論反論 生活保護費が削減されました 寄稿 雨宮処凛「どん底への競争」止めよ 1月29日、この国の「最後のセーフティーネット」が切り崩されるような決定がなされたことをご存じだろうか? それは生活保護費の削減。過去最大の引き下げで、96%の世帯…

覚え書:「書評:日本防衛論 グローバル・リスクと国民の選択 中野 剛志 著」、『東京新聞』2013年2月24日(日)付。

- 日本防衛論 グローバル・リスクと国民の選択 中野 剛志 著 2013年2月24日 ◆杞憂でない危機の攻略法 [評者] 前泊 博盛 沖縄国際大教授。著書に『沖縄と米軍基地』など。 気鋭の若手評論家がジャーナリスティックな手法も交えながら難攻不落のグローバル経…

覚え書:「異論反論 安倍首相が沖縄を訪問しました=佐藤優」、『毎日新聞』2013年02月20日(水)付。

- 異論反論 安倍首相が沖縄を訪問しました 寄稿 佐藤優「沖縄の主権」直ちに認めよ 2日、安倍晋三首相が日帰りで沖縄を訪問し、仲井真弘多県知事と会談した。報道から判断すると、MV22オスプレイの沖縄配備強行問題、米開閉隊普天間飛行場の辺野古(同…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 対人支援インフラ整備を=湯浅誠」、『毎日新聞』2013年02月22日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 対人支援のインフラ整備を 湯浅誠 反貧困ネットワーク事務局長自殺対策が生み出した利益3000億円 お金の話をしたい。 交通事故で人が亡くなると、加害者は被害者遺族に対して賠償する。その金額は逸失利益を踏まえて算出…

覚え書:「書評:『ケインズかハイエクか』 ニコラス・ワプショット著 評・中島隆信」、『読売新聞』2013年1月20日(日)付。

- 『ケインズかハイエクか』 ニコラス・ワプショット著評・中島隆信(経済学者・慶応大教授) ノーガードの応酬 経済が不況に陥ったとき、政府が積極的に市場介入すべきか、それとも市場の自然治癒力に委ねるべきか。本書は、この論争の生みの親ともいうべき…

覚え書:「今週の本棚:無縁介護=山口道宏・編著」、『毎日新聞』2013年01月27日(日)付。

- 今週の本棚:無縁介護 山口道宏・編著 (現代書館・1680円) 世界最速級で高齢化が進む中、身寄りもなく、誰にも知られずひっそり死んでいく孤独死(無縁死)が増えている。福祉を受けるには、自ら申請しないと役所が動かない問題を『申請主義の壁!』…

なぜ、ロールズはグローバルな不平等に無関心だったのか

- なぜ、ロールズはグローバルな不平等に無関心だったのか 『正義論』を読んでジョン・ロールズを知った人たちは、この節のタイトルに驚いたことだろう。結論から言うと、ロールズはまさしく、平等主義を強く支持する立場をとっている。しかし、「平等からの…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『世界しあわせ紀行』=エリック・ワイナー著」、『毎日新聞』2013年01月20日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『世界しあわせ紀行』=エリック・ワイナー著 (早川書房・2415円) ◇生活の中に「幸福の形」を訪ねる この数年、社会科学の分野で幸福研究がにぎやかだ。経済があるレベルに到達すると、それ以上成長を続けても、生活満足度…

覚え書:「アベノミクス:安倍首相の経済政策「完全に正しい」 ノーベル賞経済学者・クルーグマン氏『評価』」、『毎日新聞』2013年01月15日(火)付。

- アベノミクス:安倍首相の経済政策「完全に正しい」 ノーベル賞経済学者・クルーグマン氏「評価」 毎日新聞 2013年01月15日 東京朝刊 ◇財政悪化「深く考えているわけではないだろうが」 【ロンドン坂井隆之】大胆な金融緩和や財政出動で景気底上げを図る安…

覚え書:「異論反論 北方領土を巡る重要証言がなされました=佐藤優」、『毎日新聞』2013年01月16日(水)付。

- 異論・反論 北方領土を巡る重要証言がなされました 寄稿 佐藤優歴史の歪曲を防ぐ英断 日露関係の専門家を震撼させる重要証言を東郷和彦・元外務省欧亜局長(京都産業大客員教授)が行った。1992年3月、東京で行われた日露外相会談において、当時のコ…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『ケインズとケンブリッジに対抗して』=F・A・ハイエク著」、『毎日新聞』2013年01月13日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『ケインズとケンブリッジに対抗して』=F・A・ハイエク著 (春秋社・3675円) ◇俗説を打破する経済政策論争の真実 「ケインズかハイエクか」という対比を、しばしばマスコミで目にするようになった。もっぱら「大きな政…

覚え書:「田中角栄―戦後日本の悲しき自画像 [著]早野透 [評者]後藤正治」、『毎日新聞』2013年01月06日(日)付。

- 田中角栄―戦後日本の悲しき自画像 [著]早野透 [評者]後藤正治(ノンフィクション作家) [掲載]2013年01月06日■「戦後」を映し出した政治家 田中角栄が世を去って20年がたつ。総理番、派閥番、地元の新潟支局勤務などを通してこの政治家に至近距離で接して…

覚え書:「ニュースの匠:小選挙区のマジック=鳥越俊太郎」、『毎日新聞』2013年01月05日(土)付。

- ニュースの匠:小選挙区のマジック=鳥越俊太郎 毎日新聞 2013年01月05日 東京朝刊 ◇「民意得ぬ」自民圧勝 今回の衆院選を見ていてどこかいぶかしい思いが残ったのは私だけではないでしょう。民主党が3年3カ月の政権運営で失政を続けたとか評判が悪かった…