2014-01-01から1年間の記事一覧

書評:尾崎行雄『立憲主義の日本的困難 尾崎行雄批評文集1914―1947』書肆心水、2014年。

尾崎行雄『立憲主義の日本的困難 尾崎行雄批評文集1914―1947』書肆心水、読了。一貫して立憲主義の理想を掲げ、藩閥・金権政治を批判した尾崎行雄。本書はその批評をまとめたもの。一読すると、古くて根深い日本の反立憲主義的心性との闘いが「憲政…

覚え書:「青空みえる? 20年後の私たち:5 識者に聞く 支え合いか、自己責任か=神野直彦 衆院選」、『朝日新聞』2014年12月13日(土)付。

- 青空みえる? 20年後の私たち:5 識者に聞く 支え合いか、自己責任か 衆院選 2014年12月13日 (写真キャプション)「将来に何を引き継ぐのかを考えないといけない」と話す神野直彦さん 20年後の社会を想像すると、支え合いの仕組みは細り、暮らしの安…

覚え書:「書評:高野山 松長 有慶 著」、『東京新聞』2014年12月14日(日)付。

- 高野山 松長 有慶 著 2014年12月14日 ◆自然と共にある信仰 [評者]宇江敏勝=作家・林業家 高野山はわたしの住む和歌山県内なので訪れる機会は多い。お寺やお墓にお参りし、町中を散策する。摩尼山(まにさん)などまわりの原生林をめぐり、宿坊に泊まっ…

覚え書:「書評:偽装された自画像 冨田 章 著」、『東京新聞』2014年12月14日(日)付。

- 偽装された自画像 冨田 章 著 2014年12月14日 ◆画家が遺した真意を探る [評者]木下長宏=美術思想史家 自画像が「偽装」されている、画家は「嘘(うそ)」をつく、などと穏やかではないタイトルである。しかし、現代の美術史の世界では、この言葉はそん…

覚え書:「書評:<階級>の日本近代史 坂野 潤治 著」、『東京新聞』2014年12月14日(日)付。

- <階級>の日本近代史 坂野 潤治 著 2014年12月14日 ◆対抗軸を抽出し捉え直す [評者]成田龍一=日本女子大教授 冒頭、著者は、かつて日本の「革新勢力」は「平和」と「自由」の擁護に熱心だったが、「国民の生活」を向上させてきたのは保守であったとい…

覚え書:「特集ワイド:菅原文太さんの『遺言』 失われたら、命は取り戻せない 有機農業、反戦、脱原発 根っこは同じ」、『毎日新聞』2014年12月17日(水)付夕刊。

- 特集ワイド:菅原文太さんの「遺言」 失われたら、命は取り戻せない 有機農業、反戦、脱原発 根っこは同じ 毎日新聞 2014年12月17日 東京夕刊 (写真キャプション)沖縄県知事選での応援演説が、菅原さんが公式な場に姿を現した最後となった=11月1日、…

覚え書:「2014衆院選:子育て支援の死角 石川結貴さん、川上未映子さん、西川正さん」、『朝日新聞』2014年12月13日(土)付。

- 2014衆院選:子育て支援の死角 石川結貴さん、川上未映子さん、西川正さん 2014年12月13日 衆院選の公約で、ほとんどの党が「待機児童解消」などの子育て支援策を掲げている。根っこから考え直してみよう。打ち出されている支援策で十分か。死角はない…

覚え書:「文芸:この1年 『お気楽ニッポン』にくさび=鶴谷真(学芸部)」、『毎日新聞』2014年12月15日(月)付夕刊。

- 文芸:この1年 「お気楽ニッポン」にくさび=鶴谷真(学芸部) 毎日新聞 2014年12月15日 東京夕刊 ■佐伯一麦『渡良瀬』(岩波書店) ■松波太郎『LIFE』(講談社) ■村田喜代子『屋根屋』(講談社) ■三崎亜記『ターミナルタウン』(文藝春秋) ■吉村萬…

覚え書:「読書日記:今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん 破滅へとひた走る赤字国」、『毎日新聞』2014年12月09日(火)付夕刊。

- 読書日記:今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん 破滅へとひた走る赤字国 毎日新聞 2014年12月09日 東京夕刊 *11月4日−12月8日 ■ジャパン・クライシス ハイパーインフレがこの国を滅ぼす(橋爪大三郎、小林慶一郎著・2014年)筑摩書房 ■日本財…

覚え書:「SUNDAY LIBRARY:南 伸坊・評『鶴見俊輔 全詩集』鶴見俊輔・著」、『サンデー毎日』毎日新聞社、2014年12月21日。

- SUNDAY LIBRARY:南 伸坊・評『鶴見俊輔 全詩集』鶴見俊輔・著 2014年12月09日 ◇お爺さんになるまで何度でも読みたい サンデー毎日オフィシャルホームページ ◆『鶴見俊輔 全詩集』鶴見俊輔・著(編集グループSURE/税抜き3400円) うすみどり うす…

日記:自らの言説を飾り立てるために死者を都合良く利用する有象無象たち

選挙期間中に、中山なりあき氏(次世代の党・落選)が次のようなツイートを投下していてぶったまげた。曰わく遊説中、高倉健さんの出身地中間市を通った。菅原文太さんも亡くなった。どちらも男臭さを売り物にしていたが、考え方は全く違った。健さんは文化…

覚え書:「ひと:志村ふくみさん 京都賞を受けた染織の人間国宝」、『朝日新聞』2014年12月13日(土)付。

- ひと:志村ふくみさん 京都賞を受けた染織の人間国宝 2014年12月13日 植物の幹や根や実を煮出して絹糸を染め、紬(つむぎ)を織る。90歳のいまも機(はた)に向かい、自宅がある京都・嵯峨野を歩いて草木を採る。 京都賞の授賞理由に「自然との共生とい…

覚え書:「今週の本棚:高樹のぶ子・評 『神秘』=白石一文・著」、『毎日新聞』2014年12月14日(日)付。

- 今週の本棚:高樹のぶ子・評 『神秘』=白石一文・著 毎日新聞 2014年12月14日 東京朝刊 (毎日新聞社・2052円) ◇生と死分かつ谷覆い隠す「諦念」という霧 いま日本人の三分の一は癌(がん)で死ぬ。癌はごくありふれた病だが告知されたときのショック…

覚え書:「今週の本棚・この3冊:メディアの今=小俣一平・選」、『毎日新聞』2014年12月14日(日)付。

- 今週の本棚・この3冊:メディアの今=小俣一平・選 毎日新聞 2014年12月14日 東京朝刊 <1>海よ里よ、いつの日に還る−−東日本大震災3年目の記録(寺島英弥著/明石書店/1944円) <2>真実−−新聞が警察に跪(ひざまず)いた日(高田昌幸著/角川…

覚え書:「今週の本棚:中島岳志・評 『言論抑圧−矢内原事件の構図』=将基面貴巳・著」、『毎日新聞』2014年12月14日(日)付。

- 今週の本棚:中島岳志・評 『言論抑圧−矢内原事件の構図』=将基面貴巳・著 毎日新聞 2014年12月14日 東京朝刊 ◆将基面貴巳(しょうぎめん・たかし)・著 (中公新書・907円) ◇80年前の事件から「いま」を確認する 慰安婦報道に携わった元朝日新聞記…

病院日記:「生活の時間が止まる」ということ

ほんと、思うのは、言葉を大切にしない人間は人間をも大切にしないのだなあ、と。

覚え書:「くらしナビ・学ぶ:@大学 ウチの教授 東海大・乾淑子さん」、『毎日新聞』2014年12月09日(火)付。

- くらしナビ・学ぶ:@大学 ウチの教授 東海大・乾淑子さん 毎日新聞 2014年12月09日 東京朝刊 ◇着物の戦争柄に見る歴史 旭日旗(きょくじつき)に偵察機、戦況を伝える新聞記事−−。戦争をモチーフにした柄が描かれた着物の研究を始めて14年。私財を投じて…

覚え書:「2014衆院選:米中はどう見るか シーラ・スミスさん、李薇さん」、『朝日新聞』2014年12月11日(木)付。

- 2014衆院選:米中はどう見るか シーラ・スミスさん、李薇さん 2014年12月11日 安倍晋三首相が消費増税先送りを表明しての唐突な解散と、それに続く師走の衆院選。どう向き合えばよいか、日本の有権者に戸惑いもあるが、海外はどう見ているか。アメリカ…

覚え書:「インタビュー:秘密法、密約事件の教訓 元検事総長・松尾邦弘さん」、『朝日新聞』2014年12月10日(水)付。

- インタビュー:秘密法、密約事件の教訓 元検事総長・松尾邦弘さん 2014年12月10日(写真キャプション)松尾邦弘さん=鬼室黎撮影 国家の安全保障に関する情報の漏洩(ろうえい)に厳罰を科す特定秘密保護法が施行された。国民の知る権利や取材・報道の自由…

覚え書:「赤瀬川原平の目 藤森照信さんが選ぶ本」、『朝日新聞』2014年12月07日(日)付。

- 赤瀬川原平の目 藤森照信さんが選ぶ本 [掲載]2014年12月07日 (写真キャプション)赤瀬川さん(右)の自邸「ニラハウス」の屋根で、設計者の藤森さんと=1997年ごろ ■目玉でザラリと触るように 10月26日の朝、赤瀬川さんが消えた。この世から家出…

覚え書:「マララさんのノーベル平和賞受賞演説<要旨>」、『朝日新聞』2014年12月11日(木)付。

- マララさんのノーベル平和賞受賞演説<要旨> 2014年12月11日 (写真キャプション)ノルウェー・オスロで10日、ノーベル平和賞のメダルを掲げるマララ・ユスフザイさん=AP 今年のノーベル平和賞に選ばれたパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)…

覚え書:「特定秘密保護法に今こそ!言いたい:識者の話」、『毎日新聞』2014年12月10日(水)付。

- 特定秘密保護法に今こそ!言いたい:識者の話 毎日新聞 2014年12月10日 東京朝刊 毎日新聞は、特定秘密保護法の国会審議中の昨年11月から同法に懸念を持つ学識経験者、作家、政治家、法曹関係者ら約70人の意見を「特定秘密保護法に言いたい」で紹介して…

覚え書:「キリスト教とローマ帝国―小さなメシア運動が帝国に広がった理由 [著]ロドニー・スターク [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)」、『朝日新聞』2014年12月07日(日)付。

- キリスト教とローマ帝国―小さなメシア運動が帝国に広がった理由 [著]ロドニー・スターク [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2014年12月07日 [ジャンル]人文 ■初期信徒は中・上流の都市住民 ここ数年、不思議に思っていたことが二つある。一つは…

覚え書:「人間、やっぱり情でんなぁ [著]竹本住大夫 [評者]三浦しをん(作家)」、『朝日新聞』2014年12月07日(日)付。

- 人間、やっぱり情でんなぁ [著]竹本住大夫 [評者]三浦しをん(作家) [掲載]2014年12月07日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 ■人間の真実詰まった文楽を体現 文楽(人形浄瑠璃)は、江戸時代の大坂で生まれ、現在まで上演されつづけている芸能だ。大夫…

覚え書:「朝露通信 [著]保坂和志 [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)」、『朝日新聞』2014年12月07日(日)付。

- 朝露通信 [著]保坂和志 [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授) [掲載]2014年12月07日 [ジャンル] ■とめどなく語られる記憶の塊 「たびたびあなたに話してきたことだが僕は鎌倉が好きだ」。こんな印象的な一文から本作は開始される。だが呼び掛けられた筈…

書評:ミシェル・ワルシャウスキー(脇浜義明訳)『国境にて イスラエル/パレスチナの共生を求めて』つげ書房新社、2014年。

ミシェル・ワルシャウスキー(脇浜義明訳)『国境にて イスラエル/パレスチナの共生を求めて』つげ書房新社、読了。「越えてはならない国境もあれば、むしろ破るべき国境もある」。本書はマツペンを経てAICで反シオニズム闘争を続ける「国境をアイデンテ…

覚え書:「ショパン、祖国に眠る心臓 70年ぶり調査、死因に迫る」、『朝日新聞』2014年12月09日(火)付。

- ショパン、祖国に眠る心臓 70年ぶり調査、死因に迫る ワルシャワ=玉川透2014年12月9日11時47分 (写真キャプション)ワルシャワの聖十字架教会で4月14日、礼拝堂の柱の中から取り出されたクリスタル製の壺(つぼ)。ショパンの心臓が入っている=国…

覚え書:「本があって猫がいる [著]出久根達郎 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家)」、『朝日新聞』2014年12月07日(日)付。

- 本があって猫がいる [著]出久根達郎 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2014年12月07日 [ジャンル]文芸 ■社会の一点に据えた視点に華 本書に、「龍馬の梅干」という短文が収められている。著者は、麺にも梅干を入れる極端な梅干好きだが、それを…

覚え書:「日韓歴史認識問題とは何か―歴史教科書・「慰安婦」・ポピュリズム [著]木村幹 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)」、『朝日新聞』2014年12月07日(日)付。

- 日韓歴史認識問題とは何か―歴史教科書・「慰安婦」・ポピュリズム [著]木村幹 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家) [掲載]2014年12月07日 [ジャンル]国際 ■論争史を整理する良質な地図 どんなものであれ、「論争」を取り扱う際には注意が必要だ。…

覚え書:「帝国の慰安婦―植民地支配と記憶の闘い [著]朴裕河」、『朝日新聞』2014年12月07日(日)付。

- 帝国の慰安婦―植民地支配と記憶の闘い [著]朴裕河 [掲載]2014年12月07日 [ジャンル]政治 ■根源は家父長制・国民国家体制 いわゆる従軍慰安婦問題をめぐっては、日本軍の関与を強調し、政府の責任を追及する立場と、それを単なる売春であったと見なし、政府…