2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 『ふつうの暮らし』で輝く 大熊由紀子」、『毎日新聞』2012年1月13日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 「ふつうの暮らし」で輝く 大熊由紀子 国際医療福祉大学大学院教授真の福祉は想像力と度胸から プロの和太鼓集団「瑞宝太鼓(ずいほうたいこ)」が、震災被災地の海辺で鎮魂の演奏を始めた時のことです。吸い寄せられた人の輪…

覚え書:「私のリーダー論:日本再生を/5止 神戸女学院大名誉教授・内田樹さん」、『毎日新聞』2012年1月12日(木)付。

- 私のリーダー論:日本再生を/5止 神戸女学院大名誉教授・内田樹さん ◇求められる「父権」型−−内田樹さん(61) 世界の主な国々の指導者が30〜40年前に比べると低年齢化している。単に年齢が若くなっているだけでなく、父権主義(パターナリズム)…

ある私的な意見を是認する人びとは、それを意見〔世論〕とよぶのに、それをこのまない人びとは、異端と呼ぶ。

- ある私的な意見を是認する人びとは、それを意見〔世論〕とよぶのに、それをこのまない人びとは、異端と呼ぶ。 −−ホッブス(水田洋訳)『リヴァイアサン』(一)岩波文庫、1992年、175頁。 - 〔世論〕を受容して組み建て直していくのが民主主義の基本だと思…

覚え書:「哲学対話:小学生が楽しく テーマは人生、死、平等など 実践授業広がる」、『毎日新聞』2012年1月9日(月)付。

- 哲学対話:小学生が楽しく テーマは人生、死、平等など 実践授業広がる ◇互いに問い考え深める 勉強する意欲に直結 小学校で哲学対話の授業が広がっている。先生を「進行役」に、人生や運命、幸福、平等を堂々と語り合い、小学生が哲学対話を楽しむ。哲学…

が、ほとんどの「規則正しさ」は幻想でなりたっている。というのも、学校だって、会社だって、それがなければじぶんが滅びるというものではないのだから

- じぶんがとても不安定だと感じながら、あるいはじぶんの存在がとても希薄になっていると感じながら、しかもそのことにじぶんが気づいていないとき、ひとはじぶんに一つの「規則正しい」かたちを求める。が、ほとんどの「規則正しさ」は幻想でなりたってい…

覚え書:「社説:成人の日に――尾崎豊を知っているか」、『朝日新聞』2012年1月9日(月)付。

- 社説:成人の日に―尾崎豊を知っているか ああ、またオヤジの「居酒屋若者論」か、などと言わずに、聞いてほしい。 キミが生まれた20年前、ロック歌手・尾崎豊が死んだ。その時のオヤジより少し下の26歳。雨中の追悼式に、4万人が長い長い列を作ったも…

覚え書:鴻上尚史「成人するあなたへ」、『愛媛新聞』2012年1月9日(月)付。

- 鴻上尚史「成人するあなたへ」 本物の孤独と出会おう 成人、おめでとう。でも大人とはなんでしょう。賢いあなたは、年を重ねることと、大人になることは何の関係もないと見抜いているんじゃないですか? あなたの周りには、二十歳をとうに過ぎているのに、…

仮に一人を除く全人類が同一の意見をもち、唯一人が反対の意見を抱いていると仮定しても、人類がその一人を沈黙させることの不当であろうこと……

- 仮に一人を除く全人類が同一の意見をもち、唯一人が反対の意見を抱いていると仮定しても、人類がその一人を沈黙させることの不当であろうことは、仮にその一人が全人類を沈黙させうる権力をもっていて、それをあえてすることが不当であるのと異ならない。 …

覚え書:「今週の本棚:丸谷才一・評 『カフカ 夜の時間−メモ・ランダム』/『カフカノート』=高橋悠治・著」、『毎日新聞』2012年1月8日(日)付。

- 今週の本棚:丸谷才一・評 『カフカ 夜の時間−メモ・ランダム』/『カフカノート』=高橋悠治・著 ◇『カフカ 夜の時間−メモ・ランダム』 (みすず書房・3360円) ◇『カフカノート』 (みすず書房・3360円) ◇「辺境」に向かう新たな芸術の試み 中…

地上をあまりいい気になって闊歩するでない(´Д`)

- 地上をあまりいい気になって闊歩するでない。別にお前に大地を裂くほどの(力がある)わけでもなし、高い山々の頂上まで登れるわけでもあるまい。 −−井筒俊彦訳『コーラン』(中)岩波文庫、1964年、98頁。 - ちょいと今週・来週にかけて、書き物案件の締…

覚え書:「今週の本棚:本村凌二・評 『前キリスト教的直観−甦るギリシア』=シモーヌ・ヴェイユ著」、『毎日新聞』2012年1月8日(日)付。

- 今週の本棚:本村凌二・評 『前キリスト教的直観−甦るギリシア』=シモーヌ・ヴェイユ著 ◇『前キリスト教的直観−甦(よみがえ)るギリシア』 (法政大学出版局・2730円) ◇眩い「愛の源流」が継承されゆくドラマ 偽らざるところを言えば、本書を評する…

なぜ人間は人間で共に悲しみ喜ぶようにならないのか

- 日本人の死は日本人だけが悲しむ。外国人の死は外国人のみが悲しむ。どうしてこうなければならぬのであろうか。なぜ人間は人間で共に悲しみ喜ぶようにならないのか。 −−岩ヶ谷治禄『新版 きけわだつみのこえ』岩波文庫、1995年、275頁。 - 第二次世界大戦…

覚え書:「特集ワイド:日本よ!悲しみを越えて 作家・東浩紀さん」、『毎日新聞』2012年1月6日(金)付(夕刊)。

- 特集ワイド:日本よ!悲しみを越えて 作家・東浩紀さん <この国はどこへ行こうとしているのか> ◇思想をかけた議論を−−東浩紀さん(40) 「子どもにとって学校とは、何年も友達と過ごす一つの世界です。突然、その世界から切り離されてしまった。これは…

「VIEWPOINT 日仏に共通する長期的視野欠落 クロード・ルブラン」、『毎日新聞』2012年1月7日(金)付。

- VIEWPOINT 日仏に共通する長期的視野欠落 クロード・ルブラン 仏クーリエ・アンテルナショナル誌、現ズーム・ジャポン誌編集長 サルコジ大統領を評価するフランス人は少ない。前回07年大統領選挙の支持者の多くでさえ、21時37分や嫌気がさし、遠ざかってい…

覚え書:公共哲学としての吉野作造

- 吉野は、キリスト教牧師海老名弾正(一八五六−一九三七)の影響のもと、ヘーゲルの方哲学や歴史哲学の研究から出発しました。その際吉野を惹きつけたのは、自由の弁証法的発展というヘーゲルの歴史観や制度論であり、彼はそれに立脚するかたちで、日露戦争…

覚え書:「みんなの広場 政治番組とバラエティー番組」、『毎日新聞』2011年1月5日(木)付。

- 政治番組とバラエティー番組 中学生 14 「メロスには政治がわからぬ」。そう太宰治が書いたメロスのように、僕は政治がわからない。でも人としてあたりまえのことなら、わかる。なぜ、平和がよく、戦争はいけないのか。常識である。理由なんか、いらない。…

春の七草

春の七草の鉢植えが販売されていましたが、やすければ買いたいところでしたが、軽く1000円をこえていましたので、写真だけ。

吉野作造:森有礼の『宗教自由論』に関連して

- 森有礼の『宗教自由論』に関連して 明治文化全集宗教篇に森有礼が米国で書いた『日本宗教自由論』が載録されてある。サンマースのロンドンで作った雑誌Phoenixを見ていると、一八七三年六月発行の第三十六号にその抄録が出ているのを眼に留めた。抄録その…

覚え書:樹の沈黙を聴く 1983-2-25-Friday

- 樹の沈黙を聴く 1983-2-25-Friday 河のそばに樹があって、われわれは日が昇るとき、数週間も毎日それを眺めていた。地平線の上に、樹を越えてゆく日がゆっくり昇るにつれて、くだんの樹は突然、金色になる。あらゆる木の葉がいのちで生き生きとし、それを…

『はたしてそうか』と問いを投げかけつつ思考すること

- 思考が自らを展開するためには、すなわち未来へと向かうためには、たえず思考はその過去へと遡らねばならないようなのだ。一切他の思考に関わることなしに、みずからの力だけで歩む思考というのはありうるだろうか。一見そうした思考があってもよさそうに…

少年が認識したり模倣したりするように努めている理想を形成しているものは、この大人およびあの大人である

- 子供は遊戯から学習という厳粛な行為へ移行することによって少年になる。子供たちはこの時代に、好奇心、とくに歴史に対する好奇心、にもえ始める。子供たちにとって彼らに直接には現われない諸表象が問題になる。しかし主要な問題はここで、彼らの心のな…

歴史の流れに入ってゆくこと

- 歴史の流れに入ってゆくことによって自分の身が汚れはしないかと心配するのは、徳ではなく、徳を逃れようという道である。或る人々は、罪が存在し横行するこの現実、この人間的事物と人間関係の具体的世界に手を染めることは、それだけで積みに染まること…

「新春座談会:2012年 日本経済、逆境から将来へ」、『毎日新聞』2012年1月1日(日)付。

- 新春座談会:2012年 日本経済、逆境から将来へ 東日本大震災と福島第1原発事故、欧州債務危機、歴史的な円高……。未曽有の試練にさらされた2011年の日本経済。景気低迷や財政悪化に加え、産業空洞化・雇用喪失懸念も高まる中、将来をどう切り開け…

他の文化が滑稽に映る様子と同じように、もし自身の文化を異邦人の視点から捉えたらどうか?

- 次に多文化主義を語るうえでの、ヨーロッパの宗教的・イデオロギー的遺産に含まれる貴重な側面があります。私にとって守り抜く甲斐のあるヨーロッパ的価値とは何か? 近代哲学の初期段階においてはすでに……デカルト『方法序説』を読めば、彼が思想の追究を…

覚え書:「社説:視点・オウムの教訓 今後に生かしたい=重里徹也」、『毎日新聞』2011年12月30日(金)付。

- 社説:視点・オウムの教訓 今後に生かしたい=重里徹也 今年はオウム真理教をめぐる刑事裁判がすべて終結した年だった。重い教訓を生かしたいが、信者たちがなぜ、深刻な犯罪に走ってしまったのか、解明するのはこれからの課題だ。 大部な研究書「情報時代…

[日記]人間はどんな荒唐無稽な話でも、聞いているうちに自然とこれがあたりまえと思うようにできている。

- 人間はどんな荒唐無稽な話でも、聞いているうちに自然とこれがあたりまえと思うようにできている。そして、それがすでにしっかりと根を下ろしてしまう。だから、これを削ったり抹殺したりすると、とんでもない目にあう。 −−ゲーテ(竹山道雄訳)『若きウェ…